一番効果のある栄養ドリンクは?~栄養ドリンクのリスクとベネフィットを考えてみる~

“栄養ドリンクにはどれくらい効果があるのか”

こうした疑問は僕たちの日常生活において、わりと重要なテーマではないでしょうか。大事な試験や、仕事で重要なプレゼンがある、というような人生における大切なイベントに対して最大限のパフォーマンスを発揮するためにはどうしたらよいか…。しっかり睡眠をとる、しっかり食事をとるなどの体調管理に加えて、栄養ドリンクでそのパフォーマンスを最大限に高めたい、と思うことは多いでしょう。

あるいは風邪などの体調不良から少しでも早く回復したい、そんな思いで栄養ドリンクを求める人もいるはずです。おそらくドラックストアに勤務したことのある薬剤師であれば「どの栄養ドリンクが一番効きますか?」「一番効く栄養ドリンクをください」と聞かれたことは少なからずあるはずです。

多くの栄養ドリンクには(無水)カフェイン、タウリン、ビタミンなどが含まれています。(図1)

(図1)主な栄養ドリンクに含まれている成分(Innov Clin Neurosci. 2012 Jan; 9(1): 25–34.より引用)

これらは一見すると、なんとなく元気が出そうな成分ではありますが、こうした成分が身体症状にどのような影響をもたらすのか、あまり良く知られてはいないような気がします。栄養ドリンクの効果は、価格や、商品名あるいは含まれている成分の名称からうけるインパクト、商品包装の豪華さなどのイメージで判断されている側面を誰も否定できないのではないでしょうか。実際のところ、栄養ドリンクにはどんな効果があるのでしょうか。値段の高い製品ほど有効性が高いものなのでしょうか。少し調べてみました。

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