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第157回 梶原景時

治承4(1180)年8月17日、頼朝はついに挙兵しました。
目代(もくだい:国司の代理の地方官)である山本兼隆を血祭りにし、意気を上げました。
ところがその後の石橋山の戦いで三百の頼朝軍は三千の大庭(おおば)軍に惨敗しました。頼朝ら僅かの主従は命からがら大きな木の穴に隠れました。

そこへ大庭の軍が探しに来ました。
その一人、梶原景時は、もし自分が発見したら取り逃がしてやろうと決めていました。
「もし注進しても大庭の手柄にしかならぬ。俺は頼朝に賭けてみよう」
平家から源氏に乗り換える。景時は、はやる心を必死に抑えていました。

そしてその時が来ました。景時は頼朝一行を見つけたのです。暗闇の中でしたが、確かに頼朝らしき男と眼が合った気がしました。(続く)

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