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第50回 まやかしの戦争

かずかずのヒトラーの侵略を黙認してきた英仏でしたが、9月1日のポーランド侵攻に及んで、2日後の9月3日、ついにドイツに宣戦しました。
「ああ、また大戦か。第二次世界大戦が始まってしまった」
第一次世界大戦終結からわずか21年で、また恐ろしい大戦が始まってしまったのです。
人々の嘆きは深く、それはアメリカにいるシラードもそうでした。
「ザックスは何をやってるんだ。手紙は大統領にまだ渡っていないのか?」

イギリスのチェンバレン首相は、海軍大臣として反ナチの先鋒であるウィンストン・チャーチルを入閣させました。チャーチルは「戦争屋」の異名を取っているほど戦争には長けていました。ただ強引な作戦で、たくさんの部下を死なせてしまった事もありましたが。

しかし、宣戦布告したものの、英仏は不思議な事に攻め込んでいかず防戦に徹し、ヒトラーのやりたい様にさせていました。ヒトラーが攻めてきたら戦うという意思でした。それゆえ、哀れポーランドは見殺しにされました。
人々は「まやかし戦争だ」と皮肉りました。
英仏は第一次世界大戦の凄惨な思いが、攻撃を躊躇(ちゅうちょ)させていました。(続く)

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