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第104回 ニミッツの任命

降格したキンメルに代わって、太平洋提督には56歳のチェスター・ニミッツが任命されました。日本の軍歌ではマッカーサーと並んでニミッツが歌詞に出てきます。
ニミッツは日本海軍を研究し、かつて日露戦争の時の東郷平八郎を尊敬していました。ニミッツが若い時、日露戦争の祝勝会で堂々とした東郷を見かけた事がありました。今また、東郷の海軍の作戦を勉強する機会がきたのです。
幸いな事に真珠湾の修理工場は焼かれずに済みました。日本軍が追撃をためらったからです。これで破損した戦艦もまた戻ってくる可能性がありました。この事を予見してアメリカは空母だけは疎開させていたのでした。
そして真珠湾奇襲が成功したと聞いた同じ日、優勢だと伝えられていた対ソのドイツ軍は冬の寒さに大敗北したという知らせが日本の大本営に入ってきました。
それを聞いた大本営の人々は血の気が引きました。
「日本は極めて危険な賭けをしたかもしれない」
日本の上層部にはこれからの大きな犠牲を伴った嫌な予感がもたらされたのでした。(続く)


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