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第130回 グローブスの勝算

工場や科学者の生活を世話する者を入れると、全米では総計12万人以上が原爆関係で働いていましたが、そのほとんどは何を造っているか分からずに働いていました。
ロスアラモスは、戦争中にも拘わらず食料など物資も豊富で、人々は生活を満喫していました。

グローブスは部下の将校たちに言いました。
「我々は莫大な費用を投じて研究所を準備し、途方もない数の『奇人変人たち』をメサの上に集めた。原爆は必ずできる!」
グローブスは不敵な笑みを浮かべていました。
一方、科学者たち、特にウィグナー、シラード、テラー、後にノイマンも加わった4人のハンガリー出身のユダヤ系天才科学者は、人間離れした高度な知能から「火星人」と呼び合っていました。そして彼らがいなければ、短期間で原爆は誕生しなかったのです。(続く)

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