見出し画像

或る雨の日に

雨の日の湿気を帯びた空気
それを 私は愛する
傘の中で何度か深呼吸をして
美味しい空気を肺いっぱいに溜める

忙しい日々の中で忘れていた
季節が また一つ移ろい
夏の足音がかすかにし始めたことを
私は不意に気が付いた

これから何が私を待ち受けているだろう
そう思うと不安にもなるが
どうにか私はやって行くだろう
今までもそうだったように

陽が沈む━━明るさが厚い雲から
うっすらと透けて見える
私はもう一度傘の中で深呼吸をする
美味しい空気を肺いっぱいに溜める


(2024.4.23)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?