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おうちでシュウマイのすすめ(2)|個性派を自宅で味わえる贅沢【前編】

シュウマイというと、具が豚肉、薄い小麦粉の皮、調理は蒸して…と連想しがちですが、ここ数年、というか、私がシュウマイに注目し始めてから、その枠組を打ち破る「個性派シュウマイ」が誕生し始めました。その代表格はテイクアウトもしており、ぜひこの機会に個性派を試していただきたい限りです(今回紹介しない、ローカルな食文化が反映された個性派もいくつかありますが、それはまた改めて)。

野田焼売店(東京/永田町、駒込)

おそらく、焼売を店名に冠した都市部で最初のお店であり(ありそうでないんです、ここ数年急増していますが)、ベーシックな「蒸し」だけでなく、「揚げ」「焼き」、さらには「水(スープ)」という、シュウマイの調理の多様性を切り開いた、先駆者と言える存在です。

「揚げ」はこの店の大ぶりのシュウマイを、平たくして揚げた一品。メンチカツなどの揚げ物に近いジューシーさ、食べ応えです。「焼き」は、今でこそ提供する店も増えつつありますが(と言ってもまだ希少ですが)、カリッとした「餃子的な」美味しさが加わり、「シュウマイよりも餃子が…」という方でも、満足いただけると思います。「水」は、ワンタンスープをよりしっかりと食べ応えを加えたような仕上がり。ここで食べてから、私は我が家で「水」率が高いです。他にも唐辛子をぶっ刺した「辛味」、蒸したシュウマイと驚くほど相性がいい「チーズ」と、計6種を展開しています。

そしてそれらが美味しいのは、元の基本のシュウマイ自体の美味しさがあってこそ。その基本も含めてぜひ味わっていただきたいです。

現在都内では、紀尾井町本店と駒込店の2店舗。テイクアウトは対応できないシュウマイもあるので、ご確認ください。

焼売酒場小川(東京/渋谷)

今は店名に「焼売」の文字を掲げているこちらの酒場、実は渋谷の隠れ家ビストロ「ミニヨン坂ノ上」の姉妹店として誕生しました(私が某テレビ番組で紹介した時は、まだ「ミニヨン」でした)。そう、ここのシュウマイはビストロの味わいがベースとなっており、最近では「蒸し」に加え「揚げ」も提供するようになりましたが、そのベースのシュウマイそのものが「個性派」と言えます。

岩手のブランド豚「岩中豚」を用いたやや大ぶりサイズ。肉の食感が程良く残った練り具合で、それを二度蒸しで仕上げた一品は、程よいジューシー感とともに豚肉の香りや味わいが生きつつ、ビストロならではの隠し味のためか、中華寄りになりがちなシュウマイが、しっかりとワインに合うような一品に仕上がっています。

そしてここでは、豚以外に「羊」「鴨」というこれまたビストロ的な「個性派」にも挑戦しています。これがまた、シュウマイの新たな世界を切り開く、斬新ながらシュウマイとして完成され、かつ、羊、鴨の個性をしっかりと引き出す、納得の仕事。つけるソースも「個性派」で、ぜひそれは注文して確認してみてください。

2020年4月現在、渋谷の店舗では時間短縮営業、シュウマイは単品とお弁当でテイクアウトで提供しています。地域限定でデリバリーも対応。詳細はお問い合わせください。

まだまだ「おうちで個性派」はありますが、ひとつの店に思い入れが強くなりすぎたので、続きは次回の記事に。ちなみに次は、さらに攻めた個性派が揃う予定です。

※写真は「野田焼売店」の多様なシュウマイたち。個人的に、ここの「焼き」が好みで、レモンサワーといきたいです。



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