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シュウスイちゃんとの年末

とある年の末。自宅にて。

―――シュウスイちゃん、年末だし、どっか行こうか。

えー

一年を通して彼女はショートボブでいることが多いが、この頃は、すっかりロングに伸びたモフモフの青髪に埋もれつつ、ずっと一日中おうちでゴロゴロしている。たしかサイドテールと言ったっけ。
当然ながら、運動不足はお互いにとってもいいことではない。確かに僕もインドアだけど、このままでは二人とも自堕落に時を過ごしてしまうのみ。ここはひとつ、僕からアクションを起こさねば。

―――大掃除もひと段落ついたし、気分転換に散歩でもしようよ。

行ってらっしゃい、気をつけてね!

あくまでも引きこもっているつもりか。こうなれば奥の手だ。

―――そっかー、一緒に古本屋でも行こうかと思ったんだけどなあ。

ぴくりと猫耳が動く。世間では大掃除によって、本を一気に売ることも珍しくない。蔵書家である僕らにとっては年末とは、それらの放出品を買い占めるイベントでもあるのだ。

「本、いいのあるかな?」
―――どうだろうねぇー、こうしている内にも“敵”は既に……。

いくぞっ!

そうして片付いたスペースには、再び本が入り込んでゆくのだった。


 ちなみに、BOOKOFF以外でもモノを買いました。
 この年末、ついにアレを購入するに至ったのです。

 ディアストーカーです。
 鹿撃ち帽という名前だけでなく、今日では名探偵の帽子として名高いかの帽子が、手元へやってきました。

 ホームズを演じた人物の中でも、世界的に決定版と称されている俳優、ジェレミー・ブレットに関する書籍『ジェレミー・ブレットとシャーロック・ホームズ』が日本語訳で出版されたことに感化されて、思わず買ってしまいました。
 なので、色味もよくあるイメージでは茶色系ですが、ジェレミー的なグレーに。

 ホームズと言えば本来はシルクハットですが、1月6日は研究上、ホームズの誕生日と考えられていますし、時期的にも申し分ないでしょう。
 ホームズ週間として、ディアストーカーを愛でながら、蔵書を整理しつつ読書を楽しみ、明日は第九でも聴いて寝ます。

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