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【MarkeZine Day 2019 Spring】イベントレポート 『サントリーの事例』

【MarkeZine Day 2019 Spring】イベントレポート

『サントリーに学ぶ!
デジタル未経験の社員が次々と活躍する人材づくりと組織のあり方』

サントリーコミュニケーションズ株式会社
執行役員 デジタルマーケティング本部長
室元 隆志

室元さんは、サントリーのデジタルマーケティングの立役者です。
営業、広報、デジタルなどの複数の部署を経験する中で、デジタルの成果をだすまで7年かかっています。
短期間(半年程)で未経験のデジタル人材を育成するには、戦略的にデジタルを身につける必要があります。

目次
①デジタル人材の要件
②デジタル人材育成のフレームワーク
③事業部から求められること
④デジタルマーケティングで成果をだすには
⑤まとめ


①デジタル人材の要件
デジタル人材は、デジタルスキルとビジネススキルが要件になる。
デジタル専業のテック企業では、デジタルスキルのみで仕事をできるが、オフラインの企業にデジタルを活用する際には、
ビジネススキルが要求される。

ビジネススキルが要求される理由は、媒体の多様化が丸投げできなくなっている事と外部メディアに丸投げする運用方式が通用しなくなっており、成立しない社内の調整と社外の要件提示に手間がかかる事が影響している。

デジタルの成果の拡大には、『仕事の質の向上』と『アウトプット量の拡大』が必要になる。

・『仕事の質の向上』には、プロフェッショナル化

・『アウトプット量の拡大』には、業務効率化

この2つの構成要素を高めていくことで、活躍できるデジタル人材の育成に繋がる。

②デジタル人材育成のフレームワーク
デジタル人材育成には、『ビジネススキル』・『デジタルの基本スキル』・『アドバンススキル』・『ビジネスアドバンススキル』の4階層のフェーズとなる。

『ビジネススキル』は、プレゼンスキルや進捗管理スキル
『デジタルの基本スキル』は、基本フレームワーク、効果測定の手法、PDCAの回し方、デジタル技術の知識
『アドバンススキル』は、SEO、インフルエンサー、データドリブンなどのスキル
『ビジネスアドバンススキル』は、ロジカルシンキング・ファシリテーション

この4階層に合わせてデジタル人材を育成していくことが必要である。

③事業部から求められること
これまでは、事業部のブランドマネージャーの成功要件が、マスの向けのクリェイティブだった。
携帯デバイスの縮小化やPC端末の縮小化が進展するにつれて、マス向けのクリエイティブの効果が効きにくくなってきた。

事業部からの相談内容は、大きく分けると2つに分類できる。

・マス広告で予算ないのでなにかデジタルでできない?

・得意先がデジタルシフトしてるのでなにかできない?

事業部は、課題認識が甘い中でデジタルの活用の相談にくるため、

デジタルマーケターの価値は、何をやるのかを見極める力が求められる。

④デジタルマーケティングで成果をだすには
デジタルマーケティングは、目的の明確化が一番重要になる。
サントリーの96%は店頭販売であり、店頭販売を踏まえたデジタルマーケティングの設計が求められる。

・売れる場所の見極め
・ユーザーの絞り込み
・不足してる認知の獲得

サントリーの新商品の販促では、自社メディア(サイレント型)とインフルエンサーを集めたイベントで飲む理由を伝えた。
認知度高めるためのTwitterのRTやいいね!などの拡散でなく、成果を出す施策を実施したことで売上アップに直結した。

デジタルマーケティングで成果をだすには、初期の施策がマス思考では、デジタルの成果はないに等しい。
ユーザーの絞り込みと売れる場所の見極めが、デジタルマーケティングの秘訣である。

⑤まとめ
これまでのマス思考のマーケティングの対極にあるのがデジタルマーケティングである。
デジタルマーケティングの成功には、ツールの利用ではなく経営課題や事業部の課題を明確させることがポイントになる。
ツールに左右されるのではなく、成果を明確にすることがデジタルマーケターで活躍する上で重要となる。

就活生向けに、企業のビジネストレンドの解説や企業のマーケティング施策の解説を行います!