見出し画像

祖海:Zu Hai "好运来"

世界の歌姫たち」という我ながらベタな名前だなと思うマガジンを作って、愛している女性シンガーばかり、愛している思いのたけを週1、火曜日に投稿している。22回目の今回は、先々週がちょうど春節(旧暦の正月)だったし北京で冬季オリンピックも開催中ということもあるので、中国から、祖海(Zu Hai)だ。

初めての中国出張は2011年10月だったと思う。蘇州にある部品サプライヤの品質問題・供給問題を解決するために緊急で行ってほしいということで、金曜日の朝に出国、土日で課題を解決して月曜日に帰ってこい、というちょっと無茶な出張だった。その後2019年まで、年に2-3度、蘇州と他に、上海、無錫、武漢、杭州、と出張で中国には足繫く通った。

最初の蘇州の出張は、まったく時間の余裕がなかったが、その次の上海出張のときだったと思う、ローカルのポップスを聴こうと、街角のローカルなCD/DVDショップ(違法コピーがほとんどの店だった)でCDをいくらか漁って来た。どちらかというと上質の普通のポップスが多くインパクトが小さかいものばかりだったなかで、1人だけ強烈に印象を残す女性シンガーがいた。

それが祖海だった。ベスト盤の一枚だけだったが、高音にのびる力強い歌声、絶妙のこぶし、コントロールが効いてなおかつエモーショナルな歌が素晴らしい。

YouTubeで2004年の春節を祝うTV番組があがっていたので、貼っておこう。どうだろう、言葉はともかく、彼女の発声と歌いまわしは中国の雰囲気がたっぷりだと思わないだろうか。

この歌は好運が来るという意味で中国のとても有名な歌でよく新年に歌われているとのことだ。

ちょっとネットで検索してみると、ピンインつきで英語訳つきの歌詞が次のサイトに上がっていた。

Spotifyでも聴くことができる。

当時はずっと年上ではないかと思っていたが、そうでもないようだ。Wikipedia (祖海 (歌手) - Wikipedia) によれば、1976年生まれというから、今年でもまだ45歳。1996年、全国新人歌手コンクールにて「全国十佳歌手」に選ばれ、2003年から一時軍属歌手であったが2008年に退役して現在に至るとのことだ。

中国のシーンはまったくといっていいほど知らないので、今、どの程度人気があるのかはよくわかっていない。中国もいちおう普通語といわれる全国共通の国語は制定されているが、各地方の方言は大きく異なり異なる地方出身者同士では会話が通じないという。大きなEMS企業の寮で数人が一部屋だったりすると、一つしかないTVで故郷の番組を見るためにチャンネルの取り合いで大変だと聞いている(←だいぶん前の情報だし、ウラはとってないのでがせねたの可能性あり)。だから、国民的歌手、というのはなかなか出にくいのではないか、という気がする。

もっとも、最近は、特に都会では普通語がたいてい通じるようになったという話も聞くし、YouTubeなど見ていると、1660万人ものフォロワー数、数千万回の再生回数はあたりまえ、一億越えだってある 李子柒 などの例もあるので、私が知らないだけなのだろう、と思う。

また、最近、日本でも放映されたりする中国のTVドラマもあか抜けて綺麗になった。妻が見ているのをチラ見する程度だが、物語にしろ舞台セットにしろスケールが大きく感心しきりだ。「月に咲く花の如く」はよかった。

月に咲く花の如く | ドラマ | BS11(イレブン)|全番組が無料放送

主題歌は何度聴いてもいい。涙が出そうになる。

しかし、歌唱といいアレンジといい、祖海の歌とはまったく違うテイストで、西洋ポップス風の上質なバラードに仕上がっている。中国の最近のヒット曲を聴いてみてもほんとにあか抜けていて聴きやすいし、よく出来ていると思う。

そうそう、話がそれてしまった。祖海であった。

今、北京冬季オリンピックのたけなわで、日本人選手の活躍も毎日のように飛び込んでくる。祖海には2008年の夏の北京オリンピックを祝福した曲「祝福你北京奥运」がある。以前に、開会式の動画があがっていて映像とともに流れるこの曲は非常に感動的だったのだが、今は見当たらなかった。映像なしで聴いてみてほしい。

他にもいろいろ曲があったはずだが、ネットにあまりあがっていない。

最近のTV番組だろうか、「飘动的红丝带」2022/2/15 日本時間22時時点で視聴回数6回の動画があがっていた。たぶんそのうち視聴できなくなると思うが、いちおう、ここに貼っておく。リンク切れになっていたら勘弁してほしい。

現代的な曲に、祖海の声が面白く絶妙にマッチしていて聴きごたえがある。また、2010年のウイーン金色大庁 (Wiener Musikverein) でのソロコンサートもあがっていた。

もう一曲だけ紹介、これも映画の歌だろうか。

中国の人口は14億人もいる。まだまだ凄い人もいるに違いない。そのうち、中国の友人たちに訊いてみようと思う。しかし、私には、中国の女性歌手というと祖海だ。この人の歌唱にかなう人はそういまい。



■ 関連 マガジン

1. 好きでよく聴いているミュージシャンを紹介。毎週木曜日に更新中。ギタリスト多め、たまに懐メロ。

2. 愛している女性シンガーに特化したのが、我ながらベタな名前だと思うが「世界の歌姫たち」。こちらはさらに愛している思いのたけのみの記事ばかり、週一、毎週火曜日に新しい記事を書いている。懐メロ多め。

3. いずれも、耳もあまりよくないし、知識も少ない、語彙力もない、なので、基本YouTubeやSpotifyのリンク貼り付けと「好きだー」「愛している」というだけの記事ばかりになっているし、そうなっていく。

「なんだ、超有名どころばかりじゃないか。やっぱり音楽のこと何もわかってないんじゃないの」という批判は甘んじて受ける。

私本人が楽しく書いていることだけは間違いない、それだけは伝わるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?