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固定残業制度は本当に「悪」なのか?

おはようございます。ゲーミング社労士のT-GOです。
春眠暁を覚えず。まだまだ布団から抜き出すのに勇気がいる季節ですね。

何かと話題にあがる固定残業制度

TOKYO BASEが新卒社員の初任給を40万にベースアップした、と先日話題になりました。ただ、内容としては80時間分の固定残業代が内訳として含まれており、これが人事労務界隈では少し話題になっています。

以前、サイバーエージェントも80時間分の固定残業制度が話題になっていましたね。

さてさて、何かと話題になる固定残業制度。巷では「悪だ、悪だ!」と囁かれているわけですが、果たして本当に「悪」なのでしょうか?と個人的にはいつも思うわけです。

運用がちゃんとできればメリットも多い

実は当社も固定残業制度を取っています。
もちろん、職業柄正しく運用しなければいけないことは十分に理解していますし、固定残業制度を採用している企業全体で見ても、おそらくトップ水準の固定残業制度の運用をしていると自負しています。

私は、適切に運用できれば結構メリットも大きい制度だと思っています。

①細かく時間を意識しなくて良くなる

私は、特にクリエイティブな職種には固定残業制度が上手く機能する可能性があると思っています。クリエイターは、性格上、自身が作成するクリエイティブに対して没頭することも多く、結果として会社の売上貢献や個人の業績にもつながる可能性もあります。

当社のクリエイターって本当に優秀なんですよ。もう、本当にすごい。細かな時間管理を気にすること無くクリエイティブに没頭できているのは、固定残業制度のおかげだと思っています。(もちろん、超えそうな時には一声かけたりします。)

制度を運用する、人事労務の担当者にとっても、固定残業制度を取ったからといって手間がそこまで増えることも無いと思っています。
どのみち固定残業制度を取る/取らないに関わらず労働時間管理はしなくてはいけませんので。

②生産性が上がる

いわゆるダラダラ残業が抑制できます。だって、設定されている固定残業時間を超えるまでは残業代出ませんから。さっと仕事してさっと帰る。もちろん、没頭したい人は①のようにギリギリまで仕事をする、この辺の仕事の取り組み方に対する柔軟性が高くなり、結果的に会社全体の生産性が上がるのはメリットだと思っています。

③高めの給与を設定しやすく、採用面にもメリットがある

TOKYO BASE、サイバーエージェントがまさにそうであるように、高めの給与を設定しやすい(し、残業代抑制にもつながっている)のが、固定残業制度のある意味一番大きなメリットだと思っています。
給与額を高額にすることで、採用面にもメリットを訴求できると思っています。最近はどこも採用に困っていますからね。
ただまぁ、採用の担当者が固定残業制度について正しく理解して求職者にちゃんと訴求できるかどうかは、少し怪しい部分があるかもしれません。

もちろん、適正運用ができていることが大前提

何度も、何度も、何度も言いますが、固定残業制度は「適正運用が出来ていること」が大前提。

別に固定残業制度に限った話ではないですが、様々な制度は導入自体は簡単なものが多かったりします。就業規則に書いておく、とか、協定を結ぶ、とかで効力が発生するものは多いです。

ただ、それが出来た上で、どうやって運用するのか。ここが大切。

私は、大企業が固定残業代を導入し、それが世間に公表されることがそんなに悪いことではないと思っています。大企業はそうなることを予想しているでしょうし、法的にも「リスクが無い」と判断した上で制度導入しているでしょうし。(グレーやんけ!と思うところも若干あったりはしますけど。)

むしろそういう大企業が、ちゃんと適切に運用してもらい、世にはびこる悪いイメージをうまく払拭してくれるといいなと期待すらしています。

私ははっきりと言いたい。

固定残業制度は「悪」じゃない、と。

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