見出し画像

カルガ キゾンバ フェスティバス【プールパーティー編】

※1「カルガキゾンバフェスティバル」は、スペイン・バルセロナ近郊で行われる、国際的なキゾンバフェスティバル。キゾンバとはアンゴラ発祥のペアダンスで、ヨーロッパを中心に様々な世代に人気を博している。これは、完全な趣味でこのダンスを細々と楽しんでいる、フォロワー女性視点で書かれている。

※2 リーダー=踊りをリードする人。主に男性が多い。
※3 フォロワー=リーダーの踊りについて行く(フォローする)人。主に女性が多い。

プールパーティーとは

日本では室内のパーティーのみだったけれど、夏ということもあってか、参加したキゾンバ、ズーク、2つのフェスティバルどちらもでも、「プールパーティー」が開催されていた。

「プールで泳ぎながら、踊るの?」
などと全く想像がつかなかったが、実際にはプールサイドで踊るパーティーだった。
踊るのに疲れたダンサーは、泳いだりプールサイドでお喋りしたりシエスタ(昼寝)をしたり……。

より自由度が高く開放的になれ、私はプールパーティーが大好きになった。

時間帯

ズークフェスティバルもそうだったが、ここでも17:00〜20:00だった。
17時頃はまだまだ日差しがきついから、サングラスは必須だろう。

純日本人で日焼けが心配なら、絶対にビキニやスイムパンツ、サーフパンツの上に何か着たり帽子を被ったりしておいた方が、無難かと思う。

私はあまりにも楽しくなり、帽子を被らなかったため、ズークフェスティバルでいきなり相当な日焼けをしてしまった。

踊りの種類、音楽

このプールパーティーでも、センバは異様に少ない。
というか、私がいた時間には全くかからなかった……。
センバ好きは、バルセロナでは残念な思いをするかもしれないので要注意だろう。

対して他の音楽は、結構バランスよく流れていた。
夜のパーティーと同じく、「まあまあのテンション→テンポアップ→テンポダウン→ドゥサーで閉じる」が基本のようだった。

最初は気だるめだったりアラビアン風のキゾンバ音楽も楽しめ、モロッコのプールサイドで踊っているような感覚にもなれた。
なんと、スローなキゾンバで、Guiuが3曲程とろけるようなリードで踊ってくれた。
夜のパーティーのような争奪戦もなくいきなりこんな奇跡が起き、私のテンションがどれだけ上がったか分からない……!


そして、中間ではテンポアップした音楽が増える。
この辺りで踊ったアーバンやタラショは、人間というより動物のように、本能的に踊り狂ってしまった。

たまたま誘ってくれたスペインの相手も踊り狂いたかったようで、そのリードとフォローは時に、別の星の原始人のようだったかもしれないけれど、最高に楽しかった。
終わった後、踊ったスペインダンサーとデッキチェアで
「いやぁ、最高!!」
「君こそ!!」
と、互いの狂い具合を称え合った!

19時過ぎからはすっかり涼しくなり、19時半頃から日が徐々に暮れて来る。
空の色が徐々に変わって行く頃からドゥサーの組み方がベースになり、ダンサー達は、空と音楽と風と、目の前のリーダーを感じながら過ごすのだ。

日本よりずっと乾燥しているから、汗が身体にまとわりつくこともあまりなく、最後の1時間は特別な気分になれる。

とてもゆっくりしていて、動きがほとんどない「ドゥサー」についてのみ言うとしたら、夜のパーティーでの暗闇のドゥサーの方が、幻想度は高いかもしれない。
記事『夜のパーティー編2』の「最後の一時間」の所に、ドゥサーのことは書いてみた。

夕暮れー静かで落ち着いた時間

空を見上げるのが好きな人は、大好きな空を見上げ、プールサイドからどことなく流れる水の音を聞き、キゾンバを踊れる絶好の機会を逃さないでほしい。

この時間、実はとても眠くなる。
というのも、もし夜明けの6時まで夜のパーティーで踊り明かしていたら、レッスンを受けて夜ご飯や夜のパーティーに行くまでのこの時間は、究極に眠くなるのだ。
仲間達の中では、最終日は眠気に負けて最後の一時間だけやって来た子もいた。

「それでも最後の一時間来るのは、なんでだろう?」

聞いてみると
「サンセットの時間だし静かに盛り上がる時間だから……」
という。
全く持って同感だ。

その日は特に夕陽が私達を照らした訳でもないのに、オレンジでもピンクでもない、その群青色の空に魅せられた。
午後8時前の曇り気味のスペインの空は、こんな景色なのかとー。
真っ青でもなく、真っ黒でもなく、それは吸い込まれそうな群青色。
電気はまだつかなくても周りは見えるけれど、それはイルミネーションのようにポツ、ポツとつき出し、私達の踊り場や歩く場所に華を添えているかのようだった。

そして格安航空会社中心の小さい空港が近くにあるため、飛行機雲が群青色の空に交わり、ある種のスケッチのようになっている。

私は、群青色の空、光に包まれて行く会場やプールサイドをカメラに残した。

「君、すごく嬉しそうに写真を撮るね。この景色は、日本人からしたら特別なの?」
「うん。なかなか日本でこんなの、ゆったり見れないよ。湿気も全然違うしね」

こんな感じでドゥサーの音楽をバックに、ゆったりと会話は始まったりする。
メインのプールサイドを歩いてレストランに行くことが出来るのも、広い敷地のホテルで行われるプールパーティーの良さだろう。

互いの国の文化の違いや、空、景色のことについて、ゆったりとデッキチェアに座って、またはプールサイドを歩きながら語り合っていると、魂が癒されているのを感じる。
日々を慌ただしく過ごしている人であればある程、そんな時間は癒されるはず。

「あっ、靴履き替えるの忘れてた!」
「本当だ!」

階段に座り込んで、靴を履き替える。
靴を履き替えるのも忘れてしまう程ダンスと日常の境界線がないのも、プールパーティーの良さ。
履き替える早さまでもドゥサーのようにスローモーションにして、日暮れにふさわしい、優しい会話を楽しむ。

全てはキゾンバ音楽とリンクしたように、気付けば動作も会話も合わさっていたりする。

夜のパーティーにないこの時間だからこその醍醐味が、「プールパーティー」には溢れている。

この記事が参加している募集

フェス記録

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?