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もう迷わない!投票所の歩き方。はじめての選挙ガイド~投票編~

「いざ候補者を選んだものの、どうやって投票したらいいんだろう‥‥」。学校では教えてくれない(!?) 投票所の歩き方を、東京学芸大学大学院の古野香織さんに解説してもらいました。

▼はじめての選挙ガイド~選び方編~は、こちらからお読みいただけます。


はじめての選挙ガイド~投票編~

住民票の住所宛に届く「選挙のお知らせ」をチェック!

「公示日」と呼ばれる選挙前期間に届く、選挙のお知らせ(投票所入場券)が必要ですね。このお知らせに投票できる場所の案内や、期日前投票の方法などが記載されているので要チェックです!これさえあれば投票できます。基本的には住民票を提出している住所宛に届くはずです。引っ越したばかりの人も、旧住所で投票ができるので安心してくださいね。

お知らせは当日まで失くさないよう、見える場所に置いたり冷蔵庫に貼ったりするのが良いですね。もし紛失してしまった場合でも、身分証明書など本人確認できる手段があれば、投票できるので安心してください!


当日に投票できない場合は期日前投票を!

ーー選挙当日に予定があって、投票所に行けない場合はどうすればいいですか?

そういう場合は、期日前投票という制度が利用できます。公示日から選挙日前日までの期間内、都合の良いタイミングで投票に行けるんです。
特別な手続きは必要なく、持ち物も当日とまったく同じです。期日前投票できる場所も「選挙のお知らせ」に書いています。ぜひお気軽に利用してほしいです!


投票所の歩き方

ーー投票所に入ったら、まず何をすればいいのでしょう?

初めてだと、何をしたらいいか分からないですよね(笑)。
結論から言うと、会場の案内に従えばいいだけです。もちろん係の人がいて案内してくれるので、ここで緊張が和らぐと思います。結構ウェルカムな雰囲気を醸しだしてくれるので(笑)。

1. 入場券を見せて小選挙区の投票用紙をもらおう

まず、受付で選挙のお知らせを渡します。ここで係員の人が選挙区の有権者であることをチェックしてくれるんです。
すると、トースターみたいな機械から投票用紙がガコンって出てきます。衆議院総選挙の場合は、小選挙区と比例代表で2枚の投票用紙ですね。


2. 小選挙区の投票をしよう

受付を終えると、記載台(仕切りがある机)で投票用紙に記入します。1枚目の投票用紙には候補者名を書いてください。記載台の前に候補者の一覧表が貼ってあるので見ながら書けば大丈夫です。書き間違えたときは消しゴムで消すか、二重線を引いて横に書けば問題ないので、あまり緊張しなくてもいいと思います。

投票用紙に記入したら、投票箱に入れればOK!紙は折っても折らなくても、どっちでも大丈夫です。おそらくサイズ的には折らなくても入るんですけど、私は周りから見えないよう折っています。
実は、投票用紙は特殊な素材でできていて、折っても開きやすくなっているので大丈夫です。


3. 比例代表の投票をしよう

比例代表制も、小選挙区制と流れは同じです。2枚目の投票用紙に政党名を書きます。記載台の前に政党の一覧表が貼ってあるので、見ながら書けば大丈夫。2枚目も書き終わったら投票箱に入れて完了です!

ちなみに、書いてみると分かるんですけど、投票用紙には特殊な紙が使用されていて書き心地がすごく良いです。この書き心地については、ぜひ現地で体感してほしいです!


4. 選挙の結果を見てみよう

投票はそこで終わりなんですけど、当日夜の選挙速報を見ると面白いです。選挙速報は、各テレビ局がきちんと取材や準備をして作っているので、「この政党って実はこうだったんだ」「この候補者はこの人と競り合ってたのか」「この選挙区ってこんなに熱かったんだ」とかここで初めて知る情報も多いです。

特に池上彰さんの番組は面白いですね。池上さんが、当選した人に中継で繋いで「あなたはあの時こう言ってましたよね」と突っ込んで当選した人がタジタジになったり、候補者のプチ情報が流れたり。好きな漫画とかこういうコンプレックスがあるとか、言ってしまえばどうでもいい情報なんですけど、それが意外と盛り上がったりするんですよね(笑)。

選挙って、投票した後が大事なんです。「当選しました。おめでとう」では終わらず、この人が4年間何をやってくれるのかというのが有権者としてすごく大事なことだから、その材料として選挙速報をしっかり見ておくのは大切だと思います。

ーー選挙はその一時だけではなく、長期的な目線で見るものなんですかね。

そうだと思います。でも、ずっと関心を持ち続けるのも難しいですよね。結局、災害とかと一緒で大きなことが起こったときはみんな関心を持つし意見を持つけど、それが過ぎたらまた別の話題に関心が移る。SNSの話題とかは顕著で、トレンドが毎日どんどん変わってますよね。
こんなに目まぐるしく話題が変わる中で、一つのことを追いかけ続けるのは難しいと思うので、だからこそ選挙みたいな大きいイベントで、「何を感じるか」を大事にしてほしいです。
選挙のときに誰と迷ったか、誰がどんな思いで活動していたか、そういうことを一度でも頭に入れていれば、そのあとにあまり関心を持って追いかけていなくても、何か情報が入ってきたときに気付けるのかなって思うんです。


【番外編①】SNSで選挙に「行ったよ報告」をしてみよう

最近は、SNSで「選挙に行ってきました」という報告を見るようになりましたね。Instagramでも「投票しました」ってスタンプがありました。私もいつも投票所の前で記念撮影をしてますが、割とストーリーとかにも上げちゃいますね。友達でもやってる人は多いです。実は、友だちの「行ったよ」が、実は一番「行こうという気持ち」を駆り立てるものなのかもしれないですね。すごい簡単なことなんだけど、結構大きい影響を持つものなのかなと思うんです。
だから、「行ったよ報告」がもっとトレンドになってほしいです。報告の仕方で個性とかも出てきそうなので、それこそ、いかに斬新な角度から「行ったよ報告」ができるかとか(笑)。次の選挙では、そんな楽しいトレンドができたら面白くなりそうで、楽しみです。


【番外編②】”#零票確認ガチ勢” のススメ

ーー朝一番に投票所へ行くと、投票箱の中を見ることができるって噂は本当なんですか?

本当です。『零票確認』と言って、ちゃんと公職選挙法で決まっていることで、不正がないかどうかを最初の投票者に確認してもらうために、最初に投票所に来た人は空っぽの投票箱を確認するんです。
Twitterでは #零票確認ガチ勢 というハッシュタグがトレンドに入ることもあって、何としても空っぽの投票箱を見たい人達が、早朝から投票所に並ぶ様子を投稿しています。

私も、2016年の参議院選挙のときに経験しました。お父さんと一緒に朝6時半から並びに行って。同じタイミングで来た人とちょっと競り合っちゃいました(笑)。この人絶対に零票確認ガチ勢だなって思うと、内心フフって思います。

選挙区によっては、一人じゃなくて複数で見れるケースもあるらしいですね。これもぜひ、朝早く起きれたら挑戦してみてください。数年に一度しかないチャンスなので!


まとめ