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SNSで繋がれたことに感謝

Kさんに教えてもらったこと

娘が脱毛症を発症した時、私は脱毛を何とか止めたいと藁にも縋る思いで、治療方法の検索ばかりしていました。
私は未来が不安でたまらず、Twitterに辛い思いを吐き出していました。
そんな私の投稿に脱毛症の娘さんを育てるKさんから、メッセージをいただきました。
Kさん「あなたの不安な気持ちが分かります。私も髪が無くなった娘の姿を想像できなくて怖かった。けれど髪が無くなっても娘は変わらず可愛いままでした。」
この言葉に、涙がでました。
髪のない娘をかわいいと思えないんじゃないか、娘の存在を否定してしまうんじゃないか、という私の不安を言語化してもらえたからです。

Kさんの娘さんは、私の娘と同じ年少の頃に脱毛症を発症し、今は小学生です。
Kさんから娘さんの成長にあわせて病気の説明をどのようにしたのか、幼稚園や学校で何に注意したかなどを、詳しく教えていただきました。
Kさんは娘さんに
「髪が抜けるこういう病気があるんだよ不思議だね。でも髪の毛が抜けるだけで体は元気だから普通に生活できるよ」
テレビを見ると海外の方は薄毛やスキンヘッドが多いので、
「髪がない人は普通に存在している、娘ちゃんみたいな人はいっぱいいるよ」
「髪の毛がなかったらウイッグをかぶればいいよ。日替わりで髪の長さが変えられるよ」
体の一部がない障害者の方や、義手や義足などと同じように
「なければ別のもので補えるよ」
と話されたそうです。

私が「娘の病気を思うと不安で泣いてしまう」
と伝えると、Kさんは
「私も泣きました。ネットで脱毛症のことばかり調べていました。眉毛、まつ毛が抜けると人相がガラリと変わってしまって、その姿を怖いと思ってしまいました。そんな風に思ってしまう自分に自己嫌悪に陥ってました。しかし最後の1本が抜けた娘の姿は、ちょんちょんと目鼻口がついてるゆでたまごみたいでかわいかったんです。」
「一番救いだったのが、娘が全く気にしていなかったことです」
「悩んで泣きながら毎日を過ごし、娘に救われながら慣れていきました」
と、同じように苦しみ、乗り越えてこられたことを教えてくれました。私もいつか慣れる日が来るかもしれない…という希望を感じました。

また、私は娘が他の子供たちにいじめられたりからかわれて、傷つくのを恐れていました。

Kさん「子供からの「何ではげてるの?」の質問には正直傷つきますが、「髪が抜ける病気だけど、健康でみんなと同じ生活ができる」と冷静に答えます。
また「はげ!」と言うのは「デブ」や「ブス」と同じだと思うので、注意します。大人が冷静に堂々としていると、子供たちも自然に受け入れてくれる気がします。」
「幼稚園ではみるみる髪の毛が抜けていきましたが、園児たちは何も変わらず接してくれました。子供たちは大人よりずっと柔軟で、自分と違う人をすぐ受け入れてくれます。
「頭皮は小さなケガでもひどく出血しがちなので、脱毛が増えてからは帽子は被せましたが、いつでも脱いでいいと言いました。外で娘が頭を出すと視線を感じて辛かったですがそれを隠すことはしませんでした。隠すべきものと娘に思われたくなかったからです。」

私もKさんの思いと同じでした。
娘には髪がないことは恥ずかしいことでも、悪いことでもないと思ってほしいです。
実際1度目の再発の時、地肌が目立つくらいまで髪が抜けました。
帽子を準備していたけれど、娘には嫌ならかぶらなくていいと言いました。
帽子をかぶらずに公園で遊んでいると、上の学年の園児に「はげている」と言われたことがありました。
私はKさんの言葉を思い出し「髪が抜ける病気なんだよ」とその園児に説明しました。その園児はそれ以上何も言いませんでした。
幸い娘も、気にしている様子はなさそうでした。
同じ学年の園児たち(4歳児)はまだ幼くて気づいていないのか、いつも見ているから慣れているのか、何も変わらず娘と接してくれるのが本当にありがたかったです。

ただ、今でもモヤモヤすることがありました。
長女の友達の家に行った時のことです。
長女の友達(9歳女児)が髪が薄い娘(次女)を見て「なんか男の子みたい」
と言いました。
私が「髪の毛が抜ける病気なんだ」
と話すと
「はげみたい!あはは!」
と笑いました。
私はドキッとしてそばにいた娘の顔を見ました。
娘にも聞こえていたと思いますが、表情は変わらず娘は何も言いませんでした。
その場にいたその子の母親が(娘の病気のことは以前から説明していました)「こらっ」と言って、その子の頭を叩きました。
この出来事はそれで終わりました。
私は、親から謝罪の言葉があるだろうと思っていたので、この対応に失望し、許せず思い出す度に怒り苦しみました。
そして娘が傷ついたんじゃないかと不安で、何も言い返すことができなかった自分が情けなく、娘に申しわけない思いでいっぱいでした。
今思うと私は本当にショックで言葉がでなかったんだと思います。
次に同じことがあったら毅然と「笑われたら傷つくから、やめてね」と言おうと思っています。
本当に悔しい思いをしたけれど、こういうことはこれからもきっとあります。
恐れているだけじゃ事態は何も変わらない、Kさんに具体的な対応を教えてもらったように、情報を得て、こう来たらこう返そうというシミュレーションをすることが大切だと思いました。

2度目の再発のとき

昨年10月、娘がコロナに罹り高熱を出した影響で、脱毛が始まりました。
2度目の再発でした。
1度目の再発から数か月かけてようやく髪がベリーショートくらいになり、
娘が「他の女の子みたいに髪飾りをつけたり、結んでほしい」
と言っていた頃でした。
また前のように地肌がみえるくらいまで抜けるのかと思うと、娘がかわいそうでたまりませんでした。
私は数か月ぶりにKさんにDMしました。
Kさんは急に連絡したのに、すぐに返事をくださいました。
私は話を聞いてくれる人がいることで、動揺と不安が和らぐのを感じました。
おかげで娘の前で泣いたりオロオロせずにすみました。
最初に娘が脱毛症を発症した時は、ひとりぼっちで真っ暗闇の中にいる感覚でした。
今はKさん、カウンセラーのT先生、病気のことを話せる友人がいて、未来を照らしてくれる光のように感じています。
本当は自分でこの苦しい感情をコントロールできれば、一番いいのだろうけれど、今の私にはまだ難しいようです。
それに無理にがんばらなくてもいいんじゃないかと思うようになりました。その方が肩の力が抜けて、ダメな自分も許せそうです。
そして相談できる人がいることに自然と感謝の気持ちがわいてきます。

アクティブリスニングとの出会い

私にとってKさんは、落ち着いていて冷静で堂々としている「どんなことがあっても、どーんと構えていられるお母さん」のイメージです。
どうしたら私もKさんのようになれるのだろう、そして娘をサポートできるのだろう…
そんなことを考えていた時に
赤羽雄二さんの著書
「自己満足ではない「徹底的に聞く技術」」
と出会いました。

徹底的に聞く技術=アクティブリスニングとは
第一ステップ
・徹底的に、真剣に聞いて、信頼される
・余計なことは考えない
(詳しくは書籍をご覧ください)

・話をただ聞かせてもらう
・アドバイスは必要ない
・励ましも必要ない。徹底したアクティブリスニングが励ましになる

私はよかれと思って、子供たちに上記のことと逆のことをしてきました。
この本を読み、いかに自分が子供の話を聞いてこなかったかということを思い知りました。
そんな自分は「毒親」だと分かりました。
それを認めた時は正直落ち込みましたが、今気づけて本当に良かったです。

誰かに自分の話を否定せず、面倒がらずに聞いてもらうことで、自分がどれほど救われたかに気づきました。
そして話を聞いてもらうことが癒しになり、前を向いて生きていく力になっています。
同じことを自分の子供にできたらどんなに素晴らしいだろうと思います。
娘たちに、自分の話を聞いてくれる人(親)がいるから何が起きても自分は大丈夫、と思ってもらえるんじゃないかと感じています。

SNSで繋がることのすばらしさ

アクティブリスニングを知っても、ただ話を聞くということがなかなかできません。つい口をはさんでしまいます。
意識して実行し続けていくことは本当に難しいです。
赤羽雄二さんが、継続するためには「仲間をつくること」が大切とおっしゃいます。
毎朝クラブハウスで、アクティブリスニングを継続するためのルームを開催してくださっている方々がいます。

https://www.clubhouse.com/club/%E8%A6%AA%E5%AD%90%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0

私はここに参加することで、アクティブリスニングを少しずつ意識するようになってきました。
そして、親子関係から、仕事や友人、夫婦関係が前よりよくなってきたことを実感しています。
ひとりではどんなにいいと分かっていても、上手くいかないと諦めそうになります。
しかし毎朝ここに来れば、同じ目標に向かってがんばっている人たちがいることが分かり、失敗してもまたやってみようと勇気づけられます。
こうやって地道に続けていくことで、1ミリでも「どーんと構えていられるお母さん」に近づくかなと小さな期待をしています。
クラブハウスに参加するまで、画面越しに見知らぬ人と交流するのが怖くて、顔の見えない繋がりなんて現実世界には叶わないくらいに思っていました。ものすごい偏見でした。
一歩踏み出すのは勇気がいりましたが、KさんとTwitterで繋がれたように、SNSが狭い人間関係しか持っていなかった私の世界をひろげてくれました。
私がブログを書き始めたのも、クラブハウスの仲間のおかげで、発信することで誰かと繋がるって素敵だと、気づかせてもらったからです。
そしてKさんから教えてもらったことが、どなたかの力になればいいなと願っています。

読んでくださりありがとうございました。お気軽にコメントいただけますと、励みになります。


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