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君は学校で何を学び,何が身に付いたか?

とある母校で卒業証書・学位記授与式があったようです。
学校を卒業する方,ご卒業おめでとうございます。

こーぞーと申します。

ここ2年くらいの学生は,新型コロナウイルスとかロシアーウクライナ戦争(仮称)とか,進路の決定に際して色々と大変な思いをしていることと思います。この時代を生き抜くというのは,誰でも大変です。
こーぞーの大学卒業はもう12年も前の話になります(愕然)が,今思えばその頃はまだ平和だったと言っていいのかもしれません。

私は大学で教育学,臨床心理学,福祉学辺りを学びました。

そんな人間が,何故か今は工場の現場で働いています。


へ?どうしてこうなった?


しかし,自分が選んできた進路に後悔はしていません。
ちょっと昔話を読んでってください。4500文字程度。

先に結論を言うと,学校から社会人までの進路というのは,どういう進路でもそんなに間違いはなさそう,と言える気がしています。

大学選択(臨床心理士か高校の教員かで迷った)

高校生の頃は心理カウンセラーになるために,臨床心理士の資格を取るつもりでいました。そのために,大学は臨床心理学を学べる大学を選びました。

一方で,学校の教員になるという進路も考えていました。ざっくり何故かと言うと,「カウンセラーは相談室の外に出にくい」という話を聞いていたからです。

そもそも,どうしてカウンセラーをやりたかったかというと,人を救いたかったんです(これもざっくり)。

2000年代って,確か日本国内の自殺者数が年間で30000人を超えていた時期だったと思います。交通事故死とかよりもよっぽど多くて,え?そんなに?って思っていました。
そういうのどうにかできないかなあと考えたのですが,カウンセラーは相談室の外に出にくいらしい(必ずしもそうではないようですが)。より多くの人に関わる機会がある,教育者として関われるのは教員。どうしたものか…大学3年くらいまでは結構迷っていたような気がします。

単位は結構取って,心理学系の単位,社会福祉士の受験資格,精神保健福祉士は途中まで,あとは教員免許のための単位を取ってました。卒業要件にカウントされない単位を含むと190単位くらい?

大学院のことを考えないといけない時期になり,結局学校の教員になろうと決心しました。卒業時には高校の公民科と福祉科の教員免許を取得し,大学4年次の教員採用試験には高校の公民で出願して落ちました。
そして別の大学の大学院へ進学。いわゆる外部進学です。専攻は教育心理学を選びました。卒論担当の先生には社会科教育専攻を勧められたのですがブッチしましたすみません。

大学院進学(自分のことを研究したみたいになる)

修士論文のテーマをざっくり言うと,「やりたいことを職業にするのはいいのかどうか?」です。
いつかこのnoteで大幅にリライトして載せようとか思っているんですけど,ええ大変ですねえはい。

最近はわかりませんが,「やりたいこと志向」というのが,労働経済とか進路指導辺りで槍玉に挙がった時期がありました。
確かニートとかフリーターとかにインタビューすると,大勢が口にしたのが「やりたいことがないから(ニート)」とか「これが自分のやりたいことなので(フリーター)」という。
これはひょっとしていけないものなんじゃないか,若者の進路選択にマイナスなんじゃないかと疑われたわけです。これに関連した研究を自分もしようと考えました。

自分自身にも関係があって,教員をやりたいけど,地方の学校教諭でしかも社会科というのは狭き門なわけです。大学院では中学校の社会科の教員免許も取りましたが,高校だろうが中学だろうが同じく狭き門です。

これは自分が進路を迷っているのか…?と感じました(笑)

質問紙調査による心理学研究ですが,有効回答数は560くらいじゃなかったかな…
研究結果をざっくり言えば,「やりたいこと志向にはよい側面とそうでない側面がある」ってところです。

ちなみに,大学院で中学校社会科の免許を取ったんですが,修了時に単位が足りなくて,教員免許が院卒の専修免許じゃなくて,短大卒程度の二種免許を取って修了してしまいました…そのため,半年間科目等履修生をやったのは苦い思い出です…

講師時代

私の実家は新潟市で,大学院修了までずっと実家住みでした。

院を出た年の2012年の9月,講師の働き口が見つかり,新潟市から小千谷市に引っ越し,中学校で勤めました。

講師の働き口は,産休育休病休等の代替としてでしたから,そのお休みを取られている方の都合で勤務日が決まりました。結果的には結構学校を転々としています。

2012年10月から小千谷市の中学校で,
2012年11月からは十日町の中学校で,2013年3月まで。
期間が空いて,2013年の9月から魚沼市の中学校で1年間,
2015年1月からは長岡市の中学校で3年間勤めました。

ちなみに,社会科を教えていない時期も結構ありました。臨時の免許状(というシステムがあるんですが)を取って,中3の受験生にメインで数学を!教えたこともありました。

講師時代はもう無我夢中って感じで,ずっと教材研究みたいなことやったり,生徒との関わり方を考えたり…職員研修とか結構行きたかったんですけど,そんなに行かせてもらえるわけでもないんで,自分で本買って読んで勉強するって感じでした。

大学では勉強しなかったアドラー心理学とか,コーチングとかアンガーマネジメントとか,色々本を読み漁りましたね。

試験に受からず,正規採用になれなかったのでやめちゃいました。詳細は↓

何をやるでもいいかも?

進路を選ぶ際に誰もが悩むと思うんですけど,

「この職場で自分がやってきたことを生かせるのか?」という問題。
自分の大学の学部学科とか改めて考えますよね。

求人を見て,
「えーいいの給料だけじゃん全然専門違うしー」とか
ここの業務内容なら卒論のテーマに近いけど待遇がなあ…」とか思うじゃないですか。
「いや教育って言っても塾はなー…」とか思うじゃないですか(私です)。

私も,教員をやめようと思った時は,まず教育産業への転職を考えました。
しかし,面接を受けた教育産業の会社との面接でのやり取りとかから考えると,自分の理念には合わない,と結論付けました。
当たり前と言えばそうですが,学校ではないですからね。
だったら,教育ではない,もう別の分野で勤めることにしよう,と考えました。その結果が製造業です。

多分,仕事だったら多分誰かしらの役には立っているんでしょうし,どんな仕事にも面白味とかやりがいみたいなのがあるのかもしれません。
それをやってみればいいんじゃないかな?って思いました。

やりたいこと志向に関連付けて言えば,何かしら人の役に立つってのが,私のやりたいことなのかもしれません。反社会的な仕事?とかじゃなければ,まあいいかなって(笑)

学んできたことは生かせたのか?無駄になったのか?

大学や大学院で学んできたことは,学校には非常に生かせました。
ただし,学んできたことは,学校の仕事の一部分しかカバーできていなかったと感じています。

多分何でもそうですよね。実際にその仕事に勤めてみないとわからない。

一方,今の製造業で,これまでやってきた社会科教育とか教育心理学とか,鉄の塊相手にはもちろん何の役にも立っていません。

ただし,人間はたくさんいます。上司,同僚,取引先…多分ここらへんの会社で一番人間に寄り添えるのは私だと思ってます。同僚等とコミュニケーションする際,多分相手の立場に立って考えられてると思います。
(コーチングで「相手の認知地図に立つ」っていう言い回しがあったような気がしますが…自分は多分これがわりとできてる…かも)

また,今の職場だと,近年の新型コロナウイルスとかロシアーウクライナ戦争とか,物流に影響があるようなことが起きると,結構部品が入ってこなかったりとか,局所的に不景気みたいに生産が止まったりとか,そういうことが起きます。
そういう時に,ああ,これがグローバル社会か…みたいに思います(笑)
起きてる現象の理解はしやすい。

ということで,やってることは結構違いますけど,なんかまあまあ経験が生きている気はしています。

〇〇の勉強は役に立ちますか?

話は変わりますが,以前のゆとり教育の導入の際って,例えば中学校数学の2次方程式の解の公式の必要性が疑われていたような気がします。日常生活で使いますか?とか言って,解の公式は一時期指導内容からなくなっていました。

$$
x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}
$$

多分,2次方程式を学ぶことで,2つくらい得られるものがあると思います。それはすなわち,

①2次方程式という概念とそれを解く技能
②抽象的でよくわからないものを身に付けるという経験

です。

多分,②が得られなくなるというのが非常に大きな問題です。

私が教えていた社会科もよくいらないと言われていました。新潟から出ずに暮らすからいい,昔のことは知らなくていい…勉強しない理由なんていくらでもあります。

しかし,中学校の社会科程度のことを勉強していないと,現在の社会情勢は理解できないでしょう。私も2022年に,まさか世界がここまで冷戦構造を維持しているとは思いませんでしたが…
働く時も同じで,多分社会保険とか所得税とか〇〇税とか,そのあたりの意味を理解しないまま働くというのはまずいでしょう。
社会科だとわりと学習内容が重要なものもありますが,内容を置いといても,その程度の難易度の内容をわかるようにする経験というのは重要です。

内容が大事というのももちろんあって,例えば確定申告とか大変じゃないですか。面倒だから税理士にお任せ,金で解決!という人もいますが,言い換えると,勉強すれば税理士として金を稼げるということにもなります。
だから「中学校の社会科は役に立たない」なんてもっての外で,むしろ「中学校の社会科は飯を食うための基礎」とかになります(笑)

似たようなことを以前も書いていました↓

どこでも役立つであろう学生時代の経験

学生時代って,

・課題図書を隙間時間で読み終える経験
・必修の単位のための,謎の授業をどうにかしてクリアする経験
・何千文字のレポートを数時間で提出する経験
・何万文字の卒業論文を提出する経験
・徹夜で授業に出席する経験
・大学の先生の理不jいや朝令暮k…指示に従う経験
・何をやるか,何をやらないか優先順位をつける経験
・大学の先生の機嫌を取るための立ち振る舞い
・部活やサークル内で異性を敵に回さないための立ち振る舞い

などのいろいろな経験をすることと思います(笑)

だいたいどれも,どの職場でも必要です(笑)
学校で学んだ内容もそうですが,それらを学ぶ過程の経験も重要です。

だから,就職先はどこでも,これまでの経験は絶対に生かせます!

終わり。

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