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今年クラファン予定 UK Games Expoでも好評の『ディスパッチタウン(Townsfolk Wanted!)』紹介

今年3/9、Facebookに一昔前の機械翻訳のような日本語でメッセージが届きました。

要件がよくわからないものの、スパムではなさそうなのでとりあえず話を聞いてみると、クラウドファンディングを経て製作した自作ボードゲームを海外展開したいとのこと。概要を調べたり、中国の友人に話を聞いたりしたところ、少なくとも駄作ではなさそうだったので、前向きに仕入れを検討することにしました。

原題『派遣小鎮』、英題『Townsfolk Wanted!』というこのゲーム、サンプルを送ってくれるというので、届いたサンプルで試遊してみると、これがなかなか面白い。手番で取り得るアクションの選択肢は少ないものの、選択の結果から派生する処理がさまざまにあり、決して単調ではない(これは最近の中重量級ゲームのトレンドと言っていいでしょうか)。真っ向から殴り合うわけではないものの、それなりのインタラクションがある。

そこで、試しに少部数仕入れてネットショップで販売することにしました。双方の議論を経て決まった邦題は『ディスパッチタウン』。販売ページはこちら。

今年の下半期にはイギリスのDranda Gamesより英語版製作プロジェクトのクラウドファンディングがKickstarterで実施される予定だそうです。先般のUK Games Expoでも展示されており、Board Game Geekにはいち早く会場で試遊した人のレビューが投稿されています

日本の皆さまにもぜひお手に取っていただければと思っておりますが、とはいえ現在は参考になるような日本語の紹介がまったくない状況です。そこで、以下、大まかにルールの説明をいたします。細かな部分は省いておりますので、プレーするにあたっては説明書をご覧ください。

ルール説明

フェーズの流れは以下のとおり。

  1. ワーカー派遣

  2. 帰還報酬

  3. 追加報酬

  4. リセット

この流れを3回繰り返し、最終得点を計算、最も高いプレーヤーが勝利!

1.ワーカー派遣

このフェーズでは、手番順に各プレーヤーが1回ずつアクションをしていく。2・3人プレー時は4周、4人プレー時は3周したらフェーズ終了。

アクションは「遭遇」と「訪問」の2種類だ。

遭遇
袋からディスクを2枚引き、1枚をカードの山札に、もう1枚をタウンに置く。その後、ディスクを置いた山札の左側に並んでいるカードの中から1枚選び取り、そのカードに書かれている効果を実行する。

訪問
タウンに置かれているディスクから1枚選び、カードの山札に置く。その後、ディスクを置いた山札の左側に並んでいるカードの中から1枚選び取り、そのカードに書かれている効果を実行する。

カードは次の5種類で、色ごとに分かれている。

商人

追加報酬フェーズに、特定の種族(右上のアイコンで判別)のカードを持っていると得点が入る。

ビルダー

大陸に建物コマを置くことができる。大陸は全部で3種類。

建物コマは個人ボードから取って大陸に置く。建物コマを大陸に置いておくと、探検家の探検に役立つ。

開拓者

種族アイコンが2個付いている。同じ種族アイコンを5個集めると特典が得られるので、その特典を狙いやすい種類のカードである。また、ゲーム終了時に大陸に置いている建物コマに応じて得点が手に入る。

探検家

大陸の探検家コマを前進させる。追加報酬フェーズを迎えた時に、探検家が遠くまで探検しているほど得られる得点が多くなる。

なお、探検家コマはプレーヤーごとにユニーク

ファーマー

個人ボードの埠頭に貨物を置く。埠頭の要求を満たすとボーナスが手に入る。ボーナスは大陸に建物コマを置いているほどランクアップしていく。

貨物は全3種類

2.帰還報酬

このフェーズでは、最終手番のプレーヤーから逆順に行動する。手番を迎えたプレーヤーは山札の上に乗っているディスクを1枚選び、タウンのマスに置いて、その隣にアイコンで描かれている効果を実行する。山札からディスクがなくなったらこのフェーズは終了。

3.追加報酬

「商人」と「探検家」のカードを持っているプレーヤーに得点が入る。

4.リセット

盤面をリセットし、手番順を調整して新たなフェーズを始める。

以上1~4の流れを3回繰り返すとゲーム終了。最終得点が最も高いプレーヤーが勝者となる。

感想

このゲームで大きな比重を占めるのは1.ワーカー派遣のフェーズです。やることはチップを1枚選ぶだけと単純なので初心者でもとっつきやすいゲームですが、探検や貨物集めなど多くの要素があるため、考えるべきことはたくさんあります。

手に入れるカードの順番をうまく組み立て、コンボを決めることができた時は爽快感がありますが、ディスクの引きに泣かされることもしばしばです。実力と運のバランスが程よい中量級ゲームといえるでしょう。

プレーヤーごとにユニークなコマと、『ルート』を思わせるようなメルヘンチックなアートワークにも要注目。

ノートに「スキ」をしていただくと、あるボードゲームの中国語タイトルと、それに対応する日本語タイトルが表示されます。全10種類。君の好きなあのゲームはあるかな?