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コロナ禍で苦しむ飲食店の売り上げを、たった一つの記事で前年並みに戻す方法

緊急事態宣言はいつまで続くのでしょうか(2月1日現在)?
飲食店はすでに限界を越えているはずです。

ライターの皆さんも、日々明るいニュースを探していることと思いますが、このご時世ではなかなか難しいですよね?
「影響力のある記事を書き、誰かの救いになりたい」
こう考えて、ネタ探しをしている人も多いと思います。

苦しいのはみんな一緒

では、経営に苦しむ飲食店を取材し、売り上げを前年並みにする記事を書きたいと思ったとしましょう。
まずは、WEB上で情報をリサーチします。
「コロナ禍でも売上を伸ばす店」などがありますね。それらの店は、差別化に成功しています。
ほか、「惜しまれながら閉店」もありますね。老舗の閉店もニュースになります。

これらの情報の中から、あなた独自の記事を書きたいと思ったら、一体どうしたらいいでしょうか?
常に情報はあふれかえっています。先を越された後追い記事は、よっぽど新しい情報がない限り、ほとんど価値はありません。
あなた独自の記事を書くためには、あなた独自の取材が必要です。

ネタを見つけきれなかったあなたは、仕方なく自宅近くで行きつけのとんかつ店を取材対象に選んだとしましょう。
値段は手ごろで味もまあまあ。40年続く老舗ですが、目立ったものは見当たりません。強いて特徴を言うなら、20年ほど前に看板メニューのかつ煮がブレイクしたぐらいでしょうか。今は珍しさはなく、新規客はほとんどいません。コロナ禍で売上は前年比70%減です。
これらの情報だけで書いた記事は、誰も読みませんし買いません。

固定観念は最大の敵

さあ、ここからネタ探しの取材が始まります。
「やっぱりダメだ。ほかの店をあたろう」と思ってしまえば、永遠とネタ探しは終わりません。
じっくりと周りを見渡してください。何かヒントがありませんか?
一生懸命に目を凝らしたあなたは、3つのことに気が付きました。

A 店頭に看板犬がいる
B どのテーブルもソースが空になっている
C 芸能人のサイン入り色紙が大量に飾ってある

だからどうした?っていう感じですよね。
まずはこの気付きを大切にしましょう。そして、「これはネタにならないだろう」という思い込みを捨て、まずは質問してください。
事前に書くことを決めて取材するのはとても大事ですが、その傾向が強すぎるとただの誘導尋問になって新たな発見を得られないことがあります。本当に気を付けてください。

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新しいことはつくれる

ここからは想像ですが、私ならこうします。

Aについて、「売上よりも、お客さんに会うのが生きがいなんだ」と店主が言いました。私は「看板犬もお客さんに会えなくてさみしそうですね」と聞きます。するとこんな答えが返ってきました。
「それがね、食事はしていかないんだけど、お客さんがこの犬に会うために足を運んでくれるんだ」
この一言で、あとは畳みかけます。
「看板犬にかける収束の願い 常連客が毎日〝来店〟」という、続きが知りたくなる見出しができそうです。

BとCについては、ネタを「つくる」という意識が必要になってきます。
捏造とかやらせではありません。あくまでも提案で、最終的に決断して行動に移すのは店主ですから。
Bを質問すると、この店のソースが好きで大量に使うお客さんが多いとのこと。実際に観察すると、300mlの容器に入ったソースを一人で3分の2も使うお客さんがいます。
「このソースだけで売れませんかね?」と聞いてみましょう。
まあ、ここは多くの人が気付くでしょう。
大袈裟ですが、
「1本使い切るうまさ 老舗とんかつ店特製ソースを50本限定販売」
なんてコピーで売ってもらえれば、ニュースの可能性は広がりますね。

さあ、Cはどうでしょう?
芸能人は聞いたことがある名前ばかりです。色紙はかなり年季が入って色あせています。芸能人のサインを飾ってある店なんて山ほどありますよね。
そこでこんな提案はいかがでしょうか?
「このサインに思い入れありますか?」
「全くないね」
「ほしい人いますよ、きっと」
「今さらどうしようもできないよ…」

そして1週間後、こんな記事が大手のサイトに掲載されました。
「老舗とんかつ店が苦渋の決断 利用者に芸能人のサイン入り色紙を無料でプレゼント」
店主のコメントはこんな感じです。
「せっかくいただいたものだから申し訳ないと思ったけれど、今は店を続けることが第一。サインをしてくれた人たちはきっと理解してくれる。この中にそんな小さい人間は誰もいませんよ」
これで誰からも文句を言われず、売上が前年比並みに回復したそうです。

いかがでしょうか?
なんの変哲もない飲食店が、一つの記事によって輝きを取り戻す光景が浮かんだのではないでしょうか?
ネタ探しは、何よりも「切り口を変えること」が大切です。

今後も具体例を挙げながら、ネタ探しのポイントを紹介していければと思います。

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