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弁護士を辞めて一年が経過した

こちらで「弁護士、辞めます」宣言をして1年ちょっとが過ぎましたので、経過報告をしたいと思います。

この1年間、何をやっていたのか?

ポジションとしてはずっとCEO室という部署でした。私が入社したときに創られた部署で、その時会社にとっても最も必要な役割を果たすということ以外に特に決まった役割はありません。当然、いろいろなことをやりました。

今年の頭は経営企画・財務的な仕事を担当し、奇跡的なタイミングでコロナ対応を完了することができました。その後、凄腕経企マンがジョインしてくれたので、バトンタッチしました。比較にならない精度・スピード・決意で計画と組織図が作られていくのを見て、餅は餅屋だなと思った次第です。ちなみに並行してカスタマーサクセスやマーケティングなどもやっていました。

その後、セールスマネージャーの退職に伴い、ピンチヒッターとして営業部門の統括やフィールドセールスのマネージャーをやりました。高く掲げた目標を営業チーム一丸となって達成し、打ち上げでやらかし続けたのはいい思い出です。その後、営業のスペシャリストたちにバトンタッチしましたが、2か月連続で上記目標を超えられてしまったりして、これまた餅は餅屋だなと思った次第です。

とはいえ、餅屋がいないときにもなんとかするのがよろず屋のお仕事です。ラクスルCOO福島さんの「誰も得意じゃないが、会社として必ずやらないといけない仕事です。COOは全員が強みを発揮した状態で、三遊間を埋める、Chief Other Officerという動きが求められると思います。」という言葉が、私の1年を端的に表している気がします。

いまは何をやっているの?

その後、ロードマップに関してCTOとバチバチにやり合いました。顧客の課題は何なのか?そもそも顧客は具体的にどんな人なのか?あるべき開発プロセスはどうなのか?ホームズクラウドの未来について、CEOともCTOともその他のメンバーとも口角泡を飛ばしながら夜な夜なやりあったのが、今年の秋です。

このような紆余曲折を経て、いまはCEO室室長というポジションを返上して、開発本部・PM(Product Manager)グループで、PMM(Product Marketing Manager)をやっています。プロダクトマネジメントのお仕事に興味があれば、こちらのHolmes開発者ブログをご覧ください。

弁護士しかやったことないあなたがやる必要あったの?

どうなんでしょうか、正直よくわかりません。ただ、意外とやれるなというのが感想です。規範とあてはめといった弁護士の思考方法はいつでも使えますし、本質を見つめ続けて規範を疑う姿勢が必要なのも同じです。むしろ、弁護士に必要とされるヒアリング力、思考力、想像力、実行力、プロフェッショナリズムというものは、ビジネスの全てのポジションにおいて必要とされるものだということがわかりました。

足りないのは前提知識と経験です。ただ、前提知識は書籍やインターネットでいくらでも自学自習が可能ですし、経験は経験者から学びながら身につけられます。でもこれって、弁護士とかビジネスとか関係のない、当たり前の話ですよね。

弁護士辞めて、ビジネスやりたいと思ってHolmesに入ってみたら、気づいたら開発本部にいました。さすがスタートアップ!やるからにはプロダクトマネージャーとして一人前と胸を晴れる程度までは自分のレベルを上げるつもりです。

それで成果は残せたわけ?

これもどうなんでしょうか。正直、自分の成果や実績に満足した経験はこれまでもなかったですし、これからもないと思います。でも、先日のWinPartyにて、年間MVW(Most Valuable Winner)の栄誉をいただくことができました!

去年はノミネート5人に選ばれたものの、得票数最下位の5位だったので、会社のメンバーから評価してもらえたのは本当に嬉しいクリスマスプレゼントでした。会社の全員がそれぞれの役割に全力で向き合い、結果を出してきたことを見てきたからこそ、全社員による投票で年間MVWに選んでもらえたことは、本当に嬉しく、1年間の努力が報われた気持ちになりました。人生で一番うれしい瞬間候補にノミネートです。

この1年で会社は変わった?

これはもうめちゃくちゃ変わりました。その道の専門家がたくさん集まってきた。任せられるようになってきた。権限と責任の移譲が進んだことで、意思決定と執行の精度とスピードが向上しました。何より、背中を預けられる相手が増えたことで、それぞれが背中の憂いを消しながら、自分の戦場で前を向いて戦えるようになったのが大きいです。

速く行きたいなら一人で、遠くに行きたいならみんなで。一人で起業するか独立するかHolmesに入るかで揺れていたときにCEOから言われた言葉が、今になって身に染みます。

志とミッションの実現にむけて

権利義務が自然と実現される仕組みを創る。これにより、世の中から紛争裁判をなくす。とても壮大で、とても遠いです。ただ、少なくとも

せっかくの絶好の機会なので、自分のこれまでの積み重ねとは全く異なるフィールドで真剣で勝負をして、組織の成長スピード以上に個人としても成長したいと思います。何より、兎にも角にも楽しそう!

と書いた一年前の私の直感は間違っていないようです。

いまはまだ300年続く組織の4年目。マラソンはまだまだ続きます。

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