サドルロック

先日開催されたグラップルフェスタという大会のメインで、ジョン・ブランクという選手が極めたサドルロックからのヒールフックが見事でした。あまりに綺麗な動きだったので、この際サドルロックについて色々紹介しながら解説しようと思います。

フックを股下にキープしつつ、パスの動きに対して上手くサドルロックを作って最後はヒールフックで仕留めています。この動画では見えにくいですが、相手がロングステップパスのような動きしてきた時に、左足を上手く回してきてサドルロックを作っています。

このジョン・ブランクという選手は10thPlanetの所属で、グラップリングで活躍する選手です。道着に関する成績は確認できませんでした。大体90kg前後のカテゴリーで活躍していますが非常に器用な動きをします。
ちなみに相手はアダム・ワジンスキーという選手で、フックスイープを得意にする珍しい選手です。柔術がメインの選手ですが、昨年はADCC本選にも出場したりノーギワールドでは優勝(決勝はシェア)しているトップ選手です。その選手をわずか二分足らずで極めています。

ジョン・ブランクが去年のADCCで極めたサドルロックのからのヒールも素晴らしいので紹介します。

これは正座ベースに対して同様にフックを仕掛けていき、いったん前方に崩してから左膝を上手く相手の膝裏に入れていきサドルロックを作っています。一つ目とは相手の態勢が違いますが、彼の足の動きはほぼ同じです。一つ目は彼の左足の動きは見えにくいですが、それが見えやすいのが二つ目という感じです。
このようにサドルロックはフックガードから作る入り方が多いです。なので元々フックガードを得意にしていた人は、サドルロックをより早く覚えられると思います。かくいう僕がそうでした。

次は皆さんご存じのクレイグ・ジョーンズです。この例もフックからのサドルロックを作ってヒールを極めています。ちなみにジョーンズはジョン・ブランクをKasaiとADCCで二度戦って、どちらもボコボコにして完勝しています。

先ほどとは違って立っている相手に対してですが、大まかな動きは同じです。少し離れたところから両足をフックして股下に潜り込んでいきます。そこからは右足を相手の股間の近くにフックしてサドルロックを作ります。相手がカウンター(意図してやった動きかはわからないが)でスマッシュパスの動きをしてきたので、絶好のサドルロックのチャンスとなった訳です。
これを見たらわかると思いますが、機械仕掛けのように恐ろしくスムーズな動きですね。長い手足をここまで自由自在に操れるのは凄まじいです。

最後はジョーンズがQUINTETで初来日した際の試合映像です。こちらはサドルロックの入りのみですが、今までとは少し違う要素があります。

これは今までの例と同じく右足をフックしてからの入り方ですが、他と違うのは相手の右足をアンダーフックで抱えている点です。右足でフックを作ると同時に、反対側の足を両手で(いわゆる腕固めの形で)抱えています。こうすることで相手の足をロックして動きを制限することができます。そこからは今までと同様にフックで相手の態勢を崩してサドルロックを作っています。知識がない場合はいったい何が起こっているのか全くわからないと思います。ちまみに腕固めの形からサドルロック以外にも、Xガードやヒールフックなどにも移行するができます。

とまあ4例を簡単に紹介しましたが、ここ数年で急速に発展した技術がサドルロックなのです。グラップリングの盛り上がりもあって使い手が多くなっています。グラップリングをやる上では必須科目になってきています。使わなくてもいいですがある程度やり方は理解しておくべきでしょう。

今回は自分以外の選手の試合から技を解説しました。たまにはこんな記事もいいかなと思います。動画ネタは全て自分が持ってきたもの、というのがかっこ悪い気もしますが。。。。
とまあ何か気になる技があればまた同様に解説していこうと思います。

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