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日本全国のみんなに向かって作らない番組「進め!豊田少年家族 #2」

前回が第1回とは言ったが実際には#0で今回の#1が本来の#1であろう。

いよいよ船は出た!
という感じである。
右に行こうが左に行こうがスピードを出そうが落とそうが操舵室にいる私たち次第という船の旅が始まってしまったのだ。
ひまわり畑を作るためにアポなしで色々なところに行き、今昔写真の今を探して市内を走り回り、おいでん祭りの出場常連チームに会い今年の手応え、そして問題を聞く。
行った先で聞くこと、出会ったことが次のロケの方向を決める。地図はない。その日の風の向きと浮遊物との出会いが次の行き先を決める。
そしてこれまでと違うのは「見ている人は豊田市の人だ」と忘れないこと。豊田市の人だけが面白いと思ってくれるものを作ることという指針を忘れないことでこれまでと操舵のやり方が変わる。そしてそれをきちんと作り上げることが今回の番組を作る醍醐味となる。

演出の師匠であるテリー伊藤に久しぶりに会い38年前の「元気が出るテレビ」の話を改めてして”来週のことは今週が終わってから考える”作り方を38年前から教わってずっとやってきたんだなと思った。
この先大切なことは『現場で起きていることを受け入れそれに敏感に反応し次の面白い方向に躊躇なく歩み出せる』かだ。

しかしテレビ(地上波もケーブルも)におけるプロとは何だろうか?
と考える。あまりに身近ででも最近オワコンだと言われているから誰もが論じることが許されているようだ。いやもちろん全てのテーマに全ての人が好きなこと言っていいんだけど。昨日堀江さんと午前中にラジオのゲストとしてテレビについて話し午後にテレビの演出の師匠のテリー伊藤さんと「元気が出るテレビ」について話した。堀江さんは正力松太郎から始まって田中角栄の話でテレビを論じて「あなたは知らないかもしれないけど僕は知っているんですよ」とテレビについてマウントを取ってきた。思わず「その話聞かなきゃいけませんか?」と言ったら機嫌が悪くなっていたけど。
そこからコンテンツ論になって日本のコンテンツをいかに世界に出すか?で和牛マフィアの話になってそれはとても面白かったけど。
脳科学者の茂木さんも「日本のテレビは」って発言は正直スルーするしかないなという感想だしジャニーズやSMAPの件で「だから日本のテレビは」ってされても「いやそれは芸能界の話でテレビの話じゃないでしょ」と思う。もちろん芸能界と日本のテレビ局は嫌になるくらい密接な関係でこれまで進んできたわけだけど、そのことから「だからテレビはダメなんだ!オワコンになったんだ」というのが暴論でありそれは別で考えないと正しい解決策に辿り着かないことは明らかだろう。

今回ラジオに出演する際に肩書きは「テレビプロデューサー」でいいですか?と聞かれ一回は「何でもいいです」と答えたのだがすぐに思い直し「コンテンツ企画演出家」にしてもらった。まあこの先地上波のテレビをやる予定もないのに「テレビプロデューサー」と名乗るのは違うなと思ったというのが本音なんだが、昔のように「テレビ」しかなかった時代はテレビやったことがある人間は「テレビプロデューサー」って名乗っておけばいいだろうという時代だったんだろうけれど明らかにもう違うしもうちょっとその名前ヤバいでしょ?くらいの感覚の方が正しい気がしている。

「テレビこれからどうなるんでしょうかね?」と昔いたテレビ局の人間に聞かれたりする。それも「テレビ局」の話なのか「テレビ番組」の話なのか?そろそろきちんと分けて議論をしないとどこにも辿り着かない。みんな一括りに「テレビプロデューサー」で済んでいた時代は終わっている。
TV is KING.の時代はもう本当に終わっていてそれでもそれなりの影響力を持った日本のテレビ番組のあり方はどうすべきか?日本のテレビ局のあり方はどうすべきか?そして日本の芸能界はどうなるべきか?
ちゃんと順序立てて一つ一つ考えていかないと「昔の年老いた巨象」をみんなで虐めてスカッとしたいだけなんじゃないか?と思ってしまう。
そしてそこをきちんと分けて一つ一つこの先を考えていかなくてはならないほど「テレビ」はかなりヤバいところにいる。

少なくとも僕はこの「進め!豊田少年家族」は地上波テレビ番組に対するアンチテーゼとして作ることを意識している。



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