見出し画像

子供のころ、なんであんなに「グーニーズ」に夢中になったんだろう?

※この記事は約4分で読めます。

今年もよろしくお願いします。
なぜか昭和に詳しい永遠の二十歳、書店員VTuber桃仁しのです。
ふだんはyoutubeで本や映画の紹介配信を中心に、電子の海で遊んでいます。

不定期で古い映画の同時視聴「名画座」をやっています。
(映画自体は配信に映りません。アマプラなどで同じ映画を観て、映画体験を共有する配信です)
noteでは、配信では話しきれなかった感想やこぼれ話をまとめています。
(夢を売る二十歳のVTuberなので一人称は「しの」です。ご了承ください)

1/6(土)「グーニーズ」
2024年最初の名画座が開場しました。
年明けからギュッと胸をつかまれるような出来事が続き、
延期することも頭をよぎったのですが、
予定していたのは「グーニーズ」。
子供のころ、何度も観返した、最高に元気になれる映画です。
もし、Wi-Fi環境が整っていれば、被災地域の方もきっと一時気分転換できる。そんな思いで予定通り配信することにしました。
https://youtube.com/live/8wi5Bq7MHMY?feature=share
ゲストはさをとめ乱米さん
twitter.com/SawotomeRanmai

乱米さんはご自分のチャンネルで定期で映画の同時視聴をされていて、映画への造詣が深いのに、それをひけらかさず、配信の下支えにできる方。
ついこじれたオタク目線になりがちなしのは見習わなきゃ!

(ここから「グーニーズ」のあらすじ、ネタバレになります)
「グーニーズ」は1985年公開のアメリカ映画。監督はリチャード・ドナー。製作総指揮にスティーブン・スピルバーグが名を連ねています。

海賊伝説のある海辺の町に暮らすマイキーと兄のブランド。二人の家に友達のマウス、チャンク、データが集まってくる。かれらはグーニーズ。無邪気にじゃれあっているようで、みんなの顔はどこか冴えない。なぜなら、こうしてみんなでわちゃわちゃできるのは今日が最後だから。
この地区はゴルフ場になるのが決まっていて、立ち退きは明日に迫っていました。

屋根裏で海賊の財宝の在処を示す古地図を見つけるグーニーズ。
誰もが本気にしない中、一人、マイキーだけは宝探しに行こうと本気でみんなを説得します。一見、線が細く、喘息の吸入器が欠かせないマイキー。
でもその中には勇気が。
「財宝が手に入れば、立ち退かなくてすむんだ」
マイキーの言葉に心動かされたグーニーズは半信半疑ながら、
地図が示す場所に向かいます。

一見、おとなしそうに見えるマイキーが内に情熱や勇気を秘めているように、グーニーズのみんなそれぞれの個性がテンポよく描かれていくのがこの映画の面白さの一つ。完全無欠のヒーローは一人もいません。みんなちょっとポンコツで、そこがたまらなく愛おしい。

地図が示す場所にはボロボロのレストランが。営業しているのかどうかも分かりません。しかしグーニーズは果敢にものりこんでいきます。
しかし運悪く、そこはギャング一家「フラッテリー一家」のアジトでした…。

フラッテリー一家は最強のママと、ママに絶対服従のポンコツ兄弟です。
その最恐ながらどこかユーモアのあるやりとりは、ジブリの悪党に通じるものがある…とリスナーさんからコメントがあり、一同納得。
ラピュタのドーラ一味に雰囲気が似ている!
スピルバーグとパヤオ。天才は天才を見つける天才で、お互いに影響を受け合っているのかもしれません。

グーニーズはフラッテリー一家から逃れるなかで、偶然、海賊たちの財宝を積んだ幽霊船につながる道を発見し、海賊たちがしかけた罠をかいくぐりつつ、進んでいくことになります。

しかし、グーニーズの一人、ぽっちゃりさんでおっちょこちょい、だけどとんでもないホラ吹きな面ももつチャンクは逃げ遅れ、フラッデリー一家に捕まってしまいます。
チャンクがフラッデリー一家にグーニーズがどこに向かったのか言うよう迫られるシーンの面白さは、文章にするのがとても難しいのですが、この映画の隠れた名シーンです。同時視聴中もリスナーさんがコメントでたくさん反応をくれました。チャンク最高。

けっきょくチャンクは監禁されてしまい、フラッデリー一家はグーニーズの後を追います。チャンクは一緒に監禁されているフラッデリー一家のスロースと友情が芽生え、共にフラッデリー一家の後を追うことになります。

落ちてくる天井、丸太渡り、崩れる足元、海賊たちの仕掛けた罠を勇気とチームワークでくぐりぬけ、とうとう幽霊船にたどりつくグーニーズ。
ここのハラハラドキドキはTHE映画。現実ではなかなか体験することのない高揚感。これが映画を観る醍醐味!
しかし追手は迫っていました。
フラッデリー一家に銃を突きつけられ、絶体絶命のグーニーズ。しかしそこに最高の凸凹ヒーロー、チャンクとスロースが。
おそらく普段の環境ではヒーローポジとはいかないグーニーズ、特にチャンク。そんな子供たち一人一人に豊かなキャラクターと見せ場を持たせたこの脚本は、本当に温かい、愛のある脚本だなあと思います。

チャンクとスロースの登場で、財宝こそ手に入れることはできなかったけれど、命からがら脱出に成功するグーニーズ。
海辺で保護され、家族が迎えにきます。財宝を手に入れ、立ち退きを回避するという希望はかないませんでした。
マイキーの顔には悔しさが滲みます。
でもどの親も子供の無事こそを喜び、立ち退きのことには頓着しません。
特に中華系移民であろうデータのお父さん(ポンコツ発明家)の言葉は配信中ですが、ちょっとウルッとなりそうでした。
「お前が父さんの最高の発明さ!」
(チャンクのぽっちゃり家族が特大ピザを持って迎えに来るのも最高)

この日が立ち退きの期限です。それぞれ違う路へと別れていく、その時_。
この粋なラストはぜひ映画でご確認ください。

子供のころ、夢中で何度も何度もビデオを観たグーニーズ。
この映画の子供たちにはチート設定が用意されていません。
実は魔法使いの末裔だという報せはこないし、特殊能力が覚醒することもありません。
マイキーは勇気はあっても吸入器が欠かせないし、チャンクはぽっちゃりどんくさいままです。データの発明品はだいたい意図したこととは違う活躍をします。
「それでいい」
子供の頃、多かれ少なかれ誰もが抱く劣等感。
自分は何者でもないのではないかという震えるような心細さ。
そんな気持ちをこの映画は肯定してくれたのかもしれません。

最後まで読んでくれてありがとう。

【名画座 グーニーズ同時視聴】配信アーカイブ
https://youtube.com/live/8wi5Bq7MHMY?feature=share

#映画
#VTuber
#GAMABOOKS
#桃仁しの






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?