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//旅のスタイルブック//  「ベニス恋物語」前編

15年ぶりで ベニスに住む彼女に会いに行ってきます。
元気でやっているでしょうか? これまでー番恋した彼女かもしれません。
彼女と初めて会ったキッカケは、イタリアに住む友人から「とても素敵な彼女がいるから、会いに来ませんか」とのお誘いでした。その頃の私はあるキャンペーンの為、日本ではまだ紹介されていない華のある彼女を捜していました。ちょうどそんな時だったので、すぐ日本から飛んで行きました。

彼女に会った時の印象は、まだこれからの美しさを秘めた素敵な彼女で、すぐ気に入りました。それから直ぐに彼女を使った商品の企画を考え、パンフレットで大々的に宣伝し、当時まだ日本では紹介されていないこともあって、話題を呼び、商品は注目を浴びるようになりました。

その後も彼女を起用していろいろな商品で一緒に仕事をしました。
評判も上々で、多くのお客様に喜んでもらい、3、4年仕事をしたでしょうか、私は別の部署に異動となり自然と彼女との距離も遠くなってしまい、その後の彼女の消息もわからなくなりました。

そんな彼女の噂が最近私の耳に入るようになりました。
ここ数年ベニスには何度か行っていたのですが、なかなか会いに行く時間がなく、遠くから想うばかりでした。それが今回別の用件でベニスに行くことになったのですが、もうベニスに行くのもこれが最後かもしれないと思うと、あの彼女は今どうしているだろうと言う思いが強くなり、是非今回再会してみたいと思った次第なのです。

こんな恋物語のある素敵な彼女、今どうしているでしょう?

何度目かのベニスにやってきました。ベニスに到着した日は小雨が降っていました。これまで十数回ベニスには来ていますが、雨にあったのは記憶にありません。空港からローマ広場へ向かうバスを待っている間にも、雲行きは益々怪しくなって、まだ昼の1時過ぎだというのに、薄暗くなってきました。何となく嫌な予感が走ります。

バスに乗車してしばらく走ると、雨脚は激しくなり、ほとんど外が見えません。しばらく走って、ベニス本島のサンマルコ広場の鐘楼が遠くにボーット見えるようになってきて、やっとどこを走っているかがわかるようになりましたが、外は夕方のような暗さです。

ローマ広場に着いたときには、土砂降りの雨で、当然傘をさしましたが、本当にこれまでベニスで傘をさした記憶がありません。ここからホテルへは、ヴォバレット(水上バス)に乗って、サンマルコ広場まで約30分。ベニスへ来るのは3年ぶりでしょうか、雨のベニスは初めてですが、運河に映る雨の街並もなかなか良いものです。

彼女には15年前に別れたきりその後は会ってません。サンマルコ広場に着いてからホテルまでは、歩いて10分程でしたが、雨でびっしょり。ホテルに着くと今度は雷が鳴りだしました。
街は本来カーニバルで一番盛り上がっている週末なはずなのですが、さすがにこの天気では仮装をした人もまばらでした。

今日は彼女に会いに行く事をあきらめて、明日突然行って驚かせてやろうと思っていましたが、一応どうしているか確認の為もあって電話してみる事にしました。・・・・

しかし、今彼女には会うことは出来ないとのことでした。
今療養中で4月にならないと会えないと、電話にでた人から伝えられました。空港に着いた際に感じた不安が的中しました。何と言う事でしょう。これまでに経験した事のないこの雷と雨は、その前触れだったのしょうか。15年ぶりに会えると思った彼女でしたが、今回もこのサンマルコ広場から遠くの島にいる、彼女を思うだけになってしまいました。又「もう一度来なさい」と言う事なのでしょうか・・・

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と言う事で、この物語は続きとなってしまいました。
次回の訪問はこれからまた数年の時を経ることとなりました。
さて次回訪問の際に再会は果たせたんでしょうか。


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