【短編小説】はじめてのおくりもの(4/6)
花とその香りに囲まれた、こじんまりとした店内。
ボクは、カウンターの向こうからこちらを眺める女性店員にまず訊いた。
「ここ、犬を連れても大丈夫ですか」
「構いませんよ。何かお探しですか?」
感じのよい中年女性は、にっこりと微笑みながらボクに問いかけた。
丁寧すぎるその口調が少し気になったけど、とにかく感じがよかったので、ボクはついつい答えてしまった。ホントはお店の人との会話ってものすごく苦手なんだけど。
「プレゼントしようと思って」
「いいですね。どなたに贈られるんで