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ChatGPT・Claude2リレー小説 「失言探偵 山本翼」

はじめに

Web版ChatGPTで物語を生成する場合、伏線の投げっぱなしというのは非常に簡単です。かつての少年ジャンプのように、続きが気になる伏線を沢山張り、読者の興味を煽り続ける手法は非常に有効です。

それでは伏線の回収はどうでしょう?
まず、当たり前の話として「伏線を覚えていないと回収出来ません!」

しかし…
個人的な感覚としては…Web版ChatGPTの物語生成における記憶力は非常に悪いです。伏線どころか…物語の本筋すら忘れて自由に話を展開してしまう気がします。この「覚えている」という能力とは、どのようなものなのでしょうか?

これは、単純な話として考えると「扱えるトークン数(文字数)の多さ」ではないかと思います。少ないトークン数で伏線を覚えさせるとなると、例えば、伏線と回収を先にChatGPTやClaude2に考えさせ、それを入力に使って忘れさせないようにする方法などが考えられます…非常に面倒ですが…やってみました。

プロンプトとして入力とした「伏線と回収」通りに話を進めてくれません!

私のプロンプトが悪いのでしょうか?
伏線の回収で読者に「わかった!」と感じてもらう為に、頑張って物語の修正を指示しましたが…修正すればするほど、「入力時の伏線と回収」から離れていきます。もう…疲れ果てました…むりっす。

週刊の少年漫画を考えると、伏線なんてなかったかのように振る舞う作品が多くあります。これは、読者の興味を惹きつつ、綺麗に伏線を回収するというのが、非常に難しいことを物語っています。

ChatGPTと壁打ちして、自分で伏線の回収を考えればマシになるのは理解しています。ですが、私の取り組んでいるのは物語の自動生成です。物語自体を自分で考え始めると、物語の半分以上を考えさせられる羽目になるのは目に見えています。

そこで、伏線を考えるのはChatGPT、伏線の回収を考えるのはトークン数が多いClaude2として、リレー小説形式にして試してみました。物語終盤で伏線の回収をお願いしようかと思います。果たしてどうなるでしょうか?



「 失言探偵 山本翼 」

右:山本 翼(やまもと つばさ)私立探偵
左:星野 美月(ほしの みつき)探偵助手

【Claude作:ChatGPT編集】

「一体何をダラダラと…うーん、この証拠からすると犯人はお前だろう。」

山本翼は冷や汗を流しながら老婆の目を避けた。目の前に立つのは、一見ごく普通の老婆だが、その目には明らかな怒りが宿っていた。

「山本さん、その言い方はちょっと…。でも確かに証拠は重要ですよね!」

隣で星野美月が慌ててフォローする。美月は短髪で丸眼鏡をかけた、可愛らしい助手だ。いつも山本の失言をフォローしている。

老婆は「ふん」と鼻で息をしたが、再び口を開いた。
「私はその日の午後、公園で散歩をしていました。その後、交差点で轢き逃げ事件を目撃しま…」

「と、それでその車のナンバーは?」
山本が再び失言寸前の質問をぶつけた。

「話が終わっていないというのに、あなたは本当に失礼な人ね。」

老婆は顔をしかめたが、その瞬間、何かを思い出したような表情に変わった。

「でも、もし貴方が普通の探偵で、普通の事件しか推理出来なければ…私の次の話が無駄になるかもしれないわね。この轢き逃げ事件、それだけじゃないのよ。」

美月と山本は無言で老婆を見つめた。何を言いたいのか、二人とも察しがつかなかったが、確かに次が気になる空気が漂っていた。

「そう、私がその後見たものは、ただの轢き逃げ事件では説明できないことだったわ。」

老婆は意味深な笑みを浮かべ、言葉を切った。

山本は老婆に聞き込みを行う

【ChatGPT作】

遡ること数日前…

山本翼と星野美月は、日常的に解決する事件が一段落した後、少しの休息を取ろうとしていた。しかし、山本のオフィスに突如現れた一通の謎の手紙が、二人の運命を大きく狂わせることになる。

「うーん、"見知らぬ街で起きる連続失踪事件、解決できるならお前しかいない"だって。こんなのただのいたずらだろう」

美月は手紙を受け取って読む。
「山本さん、これは確かに怪しいですけど、もし本当に人が困っていたらどうしますか?」

「確かにその点は考慮しなきゃいけないな。」

そこへ手紙に同封されていた小さな地図が目に入る。どこか不可解な雰囲気を感じながらも、山本は地図を広げて眺める。

「この地図、見たことない街だ。調べても出てこないよ。おかしいな」

美月は地図に目を凝らす。
「この街、何か怖い感じがします。でも、誰かが助けを求めているかもしれない。行ってみますか?」

山本は一瞬の沈黙を挟んでから、「まあ、興味はある。行ってみよう」

山本と美月はその日の朝早く、探偵事務所を後にした。彼らの背中には、必要最小限の装備が詰まったリュックがしっかりと固定されていた。手には、褪せた紙の地図が握られており、その地図には彼らが向かうべき未知の街が、古びたインクで描かれていた。

「大丈夫か、美月。これから先、何が待っているか分からないぞ」と山本は問いかけた。

美月は確かな声で答えた。
「山本さんがいれば、きっと大丈夫です。」

彼らが足を進めたその先には、霧に煙る古い石畳の橋があった。薄靄に覆われたその橋は、まるで別世界へと続く門のように、神秘的な雰囲気を漂わせている。霧は厚く、二人の視界を著しく制限した。しかし、地図上でその橋は街への唯一の入り口と示されていた。

「ここが、その...」美月が言葉を詰まらせる。

山本は地図を確認しながら頷いた。「ああ、間違いない。この橋を渡れば、街に辿り着くはずだ。」

二人は手を取り合い、霧の中へと歩を進めた。橋は思ったよりも長く、足元の石畳は歴史を刻んだかのように凸凹としていた。橋の向こう側からは、人々の声や市場の喧噪がかすかに聞こえてきたが、霧の中には何も見えなかった。

すると、突然、周囲の霧が濃くなり、二人の目前が真っ白になった。息をのむほどの静寂が彼らを包み込み、一瞬、時間が止まったかのような錯覚に陥る。だがそれも束の間、霧が晴れると同時に、彼らは見知らぬ街の入口に立っていた。

「ここがその街か。不気味だな」

「私たち、本当に大丈夫ですか、山本さん?」

山本と美月は石橋を渡り、見知らぬ街に足を踏み入れた

山本翼と星野美月は、見知らぬ街に足を踏み入れると、人々のざわめきと警察のサイレンが聞こえてきた。

「何が起きてるんだここは?」

霧の中、警察の規制線が静かな街を隔てていた。朝露がまだ街灯に光る中、星野美月はそこに立ち尽くし、その向こうで忙しなく動く警察官たちを指差していた。

「あそこ、何が起こっているんでしょう?」
彼女の声には好奇心とわずかな緊張が混じっていた。

山本もその方向を見やりながら、「行ってみよう」と短く答えた。

「あの、すみません!」美月は一人の警察官に声をかけた。

「こちら、山本翼、探偵です。この騒ぎは一体何ですか?」

山本はスーツの襟を正しながら、美月の紹介に少し眉をひそめたが、警察官に視線を向けた。警察官は若く、事の重大さをまだ理解していないようだった。

「探偵さんですか...」警官は少し面食らった様子で答えた。
「轢き逃げ事件のようなのですが...」彼は言葉を濁らせた。

山本は冷静に問いかけた。
「犯人はわかりそうなのか?」

警官はため息をついて答えた。
「目撃者はいるんです。タイヤの跡や壊れた道路の標識、確かに事故があった形跡は残っています。だが、犠牲者らしき人物がどこにも見当たらない。いや、そもそも血痕さえないんですよ。」

山本はその情報を元に早速推理を始めた。
「事故現場に犠牲者がいない。これは一体どういうことだ?」彼は自問自答するようにつぶやいた。

美月がうなずく。
「そうなんです。目撃者はいるけど、被害者が消えたんだそうです」

山本は顎を手で支えて考え込む。
「不可解な事態だ。でも、それがこの街に来た理由かもしれない。謎を解く手がかりになる」

「それに、何か他にもこの街で起きている不思議なことが関連している可能性がありますね」

「まさに、それを解明するのが俺たちの仕事だ」

二人は警察が集まる現場を背に、この街で何が起きているのか、その真実を探るために奥へと進んでいった。

轢き逃げ事件の犠牲者が消えるとは一体、どういうことなのか?警察の規制線を見ながら、山本翼は不思議な感覚に捉えられていた。

「何かおかしい、この街全体がおかしい」

美月が短くうなずく。
山本は決断する。「警察に協力するか」

二人は現場にいる警官に近づいた。山本が名刺を差し出す。
「山本翼、探偵だ。この事件、何か手伝えることはあるか?」

警官は少し疑わしげに名刺を見つめた後、頷いた。
「探偵さんなら、目撃者の話を聞いてくれませんか?」

「目撃者の証言は大事だな。任せておけ」

美月がフォローを入れる。
「確かに、目撃者の証言は大事ですよね」

警官は指を一本立てる。
「目撃者はあちらの老婆です。お願いします」

二人は目撃者である老婆のもとへ歩いていく。
「あなたが目撃者ですか?」

老婆は目を細めて二人を見る。
「そうよ、何か用?」

山本は質問を投げかける。
「轢き逃げ事件のこと、何か見たんですか?」

こうして、山本翼と星野美月の物語は始まった。

警官と美月

【Claude2作:ChatGPT編集】

「そう、私がその後見たものは、ただの轢き逃げ事件では説明できないことだったわ。」 老婆は意味深な笑みを浮かべ、言葉を切った。

老婆の言葉に山本と美月は引き込まれた。

「な、なんだって?轢き逃げ事件では説明出来なきない?」山本が尋ねる。

「そうよ」と老婆はゆっくりと言葉を紡いだ。
「轢き逃げ現場から少し離れた場所、マルアの古い橋のたもとで、途中で途切れている謎の足跡が残されていたのよ」

「足跡?」美月が反応する。
「人間のものでしょうか? それとも...」

山本はひとまず老婆の話を聞き終えることにした。轢き逃げ現場からなぜ足跡が? しかも途中で消えている謎の足跡とは一体...。

交差する車のヘッドライトが照らし出した…夜のうちに降った雨に濡れたアスファルトは、まるで銀世界を映す鏡のようだった。急なカーブの先、路肩の標識は無情にも曲がりくねった運命を示している。

老婆の話を頭の中で整理しながら、山本は推理を始めた。

「足跡が現場近くにあるということは、轢き逃げの加害者に関係がある可能性が高い。しかし、途中で途切れている謎の足跡と言うことは…突然消えてしまうとは…一般的な人間のものとは思えない。つまり...」

山本は脳内で可能性を探った。人間以外の足跡――そう考えるとある仮説が浮かんできた。

「そうだ、この轢き逃げ事件には人間以外の存在が関与している可能性がある!」

【ChatGPT作】

「人間以外の存在が関与している?山本さん、それはちょっと飛躍が大きすぎません?」
美月は眼鏡越しに山本を見つめ、懐疑的な声で質問した。

「確かに言い過ぎたかもしれないが、通常の状況では説明のつかない足跡がある。それを無視するわけにもいかない。」
山本は冷静に反論したが、内心では美月の疑問に同意していた。

「そうは言っても、私たちはまだその足跡を確認していないわ。老婆さん、足跡はまだ現場に残っていますか?」
美月は老婆に目を向け、問い詰めた。

「ふふふ、それがね。その足跡、消えてしまったのよ。」
老婆はにっこりと微笑み、さらなる謎を投げかけた。

山本と美月は顔を見合わせた。消えた足跡、それは一体何を意味するのか。

「消えたというのは具体的にどういう状況なのか?」
山本は詳細を求め、尋ねた。

「あの足跡は今朝間違いなく土についていたわ。だけど…先程見たら、まるで何もなかったように消えていたのよ。」
老婆の声には不穏な影が宿っていた。

「まるで何もなかったように...」
美月は言葉を繰り返し、考えにふけった。

山本も美月も、老婆が何を言いたいのかまだつかめない。しかし、この話には何か大きな意味が隠されているような気がしていた。

老婆と山本

【Claude2作】

山本と美月は老婆の話に考え込んでいた。

消えた謎の足跡には何か意味があるはずだ。 そこで山本は行動を開始した。

「この謎を解明するには、現場を直接確認する必要がある。美月、付いてきてくれ」

二人は老婆に礼を言い、現場へ向かった。現場では警察の封鎖線が残されていたが、それ以外に特筆すべきことはなかった。

「本当に足跡があったのか...」 山本が呟く。
その時、封鎖線のちょうど外に、小さな紙切れが落ちているのが見えた。山本はそれを拾い上げると、中をのぞいた。

「な、なんだこれは...!」
山本は驚いた様子で美月にその紙切れを見せた。
紙の中身は、「この先は危険だ。調査を止めろ」と書かれたメモだった。

「これは警告なのか? 脅迫状なのか?」 美月が不思議そうに言う。

「どちらにしろ、誰かが俺たちを事件から遠ざけようとしている。

それだけこの事件には何かが隠されている証拠だ」 山本はメモを力強く握りしめた。

「美月、俺たちを止めることなんかできない。この事件の真相に迫るぞ!」

【ChatGPT作】

「この事件の真相に迫るぞ、と言っても山本さん、危険を冒すのはどうかと思いますよ。」美月は紙切れをじっと見つめながら言った。

「危険と言っても、真実が隠されている以上、調査をやめるわけにはいかない。」山本は力強い目つきで美月に応えた。

「でも、山本さん。」
美月はどこか悲しげな表情で言った。
「このメモが意味するものは犯人からの警告だけじゃなくて、私たちの身を案じる何か、または誰かからのメッセージかもしれないですね。」

「それは誰だと言うんだ?」山本は美月の顔を探るように見つめた。

その瞬間、二人の元に突然一通のメッセージが届いた。スマートフォンを取り出し確認すると、番号非通知から「今夜、人が消える」とだけ書かれていた。

「これは一体...」美月は戸惑いの色を浮かべた。

「人が消えるって、何が起こるんだ?もしこれが今の事件と関連しているなら...」山本は考え込んだ。

何か大きな出来事が迫っている―それは明らかだった。そしてその出来事は、山本と美月、そして謎の足跡や消えた人々と何らかの形で繋がっているのかもしれない。

「山本さん、どうしましょう?」美月が不安げに問いかけた。

「どうするって...、調べるしかないだろう。ただし、今夜は特に警戒して行動しないと。」

山本の言葉には冷静な決意が感じられた。

【Claude2作】

山本と美月は、さらなる出来事を予感してその夜を待っていた。
そして夜が訪れると、二人は街を歩き回り情報を集め始めた。すると突然、一人の男が二人の前に現れた。

「お前らは探偵だろう。私についてこい」 年配のその男は忠告するように言うと、先を急いだ。山本と美月は男を追いかけた。

男は路地裏に入ると言った。
「ここで良いか…これ以上、秘密を探るな」

「お前は何者だ」山本が問う。

「私はこの街の住人だ。だが今夜、この街で恐ろしいことが起きる」

「何が起きるんですか?」美月が尋ねる。

「この街から人が消え失せる。誰も気づかないうちに、ひっそりと」 山本と美月は呆然とする。今夜人が消える、

メッセージの意味が明らかになった。
「なぜそれが起きるんだ」山本が聞く。

「この街には古くから伝わる秘密がある。秘密を暴こうとした者が消えていく」 男はそう言うと、「もう話すことはない。気をつけろ」と言い残し、姿を消した。

「何だこの街は...」山本は考え込む。

謎の男を見送る山本と美月

【ChatGPT作】

「この街には古くから伝わる秘密があるって、一体何のことだろう?」
美月は明らかな疑問を口にした。

「分からん。しかし、何か大きな出来事がこの街に隠されている。それがわかった」
山本は男の言葉を重く受け止めていた。

「それにしても、あの男は何者なんでしょう?なぜ私たちに警告を...?」
美月は戸惑っていた。

「人が消えるって言ってたな、今夜、一体何が...」
山本は懐からスマートフォンを取り出し、何かを検索している。

美月は山本の動きを横目で見つつ、「山本さん、この街の秘密を探ると消えてしまうかもしれないっていうのに、本当に進むべきなのでしょうか?」と疑問を投げかけた。

山本は検索を中断して美月を見た。
「確かに、危険はある。だが、俺たちは探偵だ。真実を求めるのが仕事だろう」

「それはそうですけど...」美月は何かを躊躇していた。

その瞬間、遠くから聞こえてきた甲高い警笛の音。どうやら近くで何かが起こったらしい。

「何だ、あれは?」山本はすぐに方向を定め、美月に手を振って「行くぞ!」と叫んだ。

美月は一瞬、立ち止まって考えた後、「わかりました、山本さん。危険があろうと、私たちが真実を明らかにするしかないのですね。」

二人は警笛の音の方へと急いだ。ただ、美月の心の中では「この街の秘密、本当に知ってしまっていいのか?」という疑問が消えていなかった。

【Claude2作】

山本と美月が駆けつけると、そこにはパトカーが止まっていた。

「ここで何があったんだ」

山本が警官に尋ねると、
「先ほど通報があり、臨時駐車していた車が消えたとのことです」

「車が消えた?」二人は驚く。

男の言った「人が消える」ことが現実のものとなった。

その時、地面に小さな紙切れが落ちているのが目に止まった。
拾って開くと、紙の中には「秘密を知る者、この街から消えゆく」の一文が。 山本は胸の内を静め、決意を新たにした。

「美月、俺はこの街の秘密を暴く。警告があろうとこの先に待つ危険があろうと、探偵として真実を明らかにする」

美月も山本の決意に後押しされ、「はい、私もです」と力強く返事した。

二人は情報を集めるべくこの街を歩いた。するとふと、古びた建物の一室で、日記らしきものを発見する。 そこには「この街に伝わる秘密を書き留めた秘密の古文書がある。百年前から代々隠され続けている」とあった。

「なるほど、これは重要な手がかりになるな」
山本は日記を手に、真相究明への希望を抱いた。

二人は古びた建物の一室で日記を発見する

【ChatGPT作】

日記に目を通しながら、山本は緊張感を高めていった。「美月、これが何を意味するか理解できるか?」

「ちょっと古い言い回しが多いですけど、この日記は明らかに何か大事な情報を隠していますよね」と美月はページをめくる。

山本はうなずきながら、日記に書かれた文言を解析した。
「代々隠され続けているっていうのは、何かこの街に起きている出来事と関連があるに違いない」

その瞬間、建物の奥から何か聞き覚えのない音が聞こえてきた。
「何だ、その音は?」山本は構える。

「分かりませんけど、何かおかしいですよね。こんな場所で聞こえる音とは…」美月も緊張感を隠せない。

「お前が先に行くか、俺が先に行くか?」山本が問う。

「私が行きます。なんとなく、この音、引かれるような感じがしますから」美月は意を決して奥へと進んだ。

しばらくして、美月は奥の部屋で一枚の古い写真を見つける。写真には若い男女と子供が写っていたが、その顔は何故かはっきりとは映っていない。

「これは一体…?」美月は首を傾げる。

山本が後を追い、その写真を見た瞬間、「この家族、何かこの街の秘密に関係してるんじゃないのか?」

「それもありえますね。でも、なんでこんなに顔が不明瞭なんでしょう?」美月は更に謎を深める。

二人は次なる手がかりを求め、建物を後にした。しかし、その古い写真と謎の音が何を意味するのか、まだ分からない。

家族の写真は顔がぼやけていた

【Claude2作】

山本と美月は古文書と謎の写真を手がかりに街を歩いていた。

すると、ふと山本は立ち止まり、言った。
「この街には不気味な雰囲気がある気がする。誰も話がしたがらないし、目を合わせることも避けている」

美月も「そうですね、住人の間に張りつめた空気が流れている感じがします」と同感する。

山本は住人の一人に声をかけてみる。
「おい、この街で起きている失踪事件について教えろ」

するとその人は「事件? 何の話か分からない」と答え、その場から立ち去った。

「みんなが事件を知らないふりをしているのか?」 山本は痺れた空気に苛立ちを抱える。

そこで二人は、街の最年長者が住む家を訪ねた。その人物に街の秘密を打ち明けてもらおうと。 しかし、彼も「この街の失踪事件も…秘密なども知らない」と言うのみ。その目は霧がかかったように曇っていた。

山本は直感した。「みんな記憶を失っているんだ。 百年間ずっと失踪事件は闇に葬られ、秘密は守られ…忘れ去られ、都合のいい歴史だけが残された」

街の秘密は、住人の記憶から抹消されつつあった。消えゆく真実、山本と美月にできることとは――。

【ChatGPT作】

街の人々の避ける目と霧に包まれたような記憶。山本はますますこの街の謎を解き明かす決意を固めた。

「美月、この街の真実は忘れさせてはいけない。俺たちにはそれができる。」

「確かに山本さん。でも、どうやって皆さんの記憶を取り戻すんでしょうか?」美月の顔には懸念が浮かび上がる。

「まずは手がかりを増やすこと。この街でなぜ人々の記憶が失われているのか、その理由を突き止めなければ」
山本はポケットの中にある日記と謎の写真を握りしめた。

二人が街の古い図書館に足を運ぶと、美月が何かを感じ取る。「山本さん、ここの棚、何かおかしくないですか?」

山本がその方向を見ると、一冊の本が他と違う角度で置かれていた。

「お前の直感、鋭いな。これは何かの合図かもしれん」
山本はその本を取り出す。

その瞬間、隠されていた引き出しから一通の手紙が滑り落ちる。

「これは…?」

美月が手紙を開いて読むと、そこには「誰もが忘れたくなる真実がある。探るな、山本翼」の言葉が。

美月は顔を引き締める。
「山本さん、これは明らかに警告です。私たちは本当に進むべきなのでしょうか?」

山本は深く考えた後、言った。
「警告されたとしても、俺たちは進む」

「了解しました、山本さん。でもこの警告、どうして私たちの名前が…?」美月の疑問は空気に溶け、未解決のまま二人は図書館を後にした。

警告と名前、そして失われた記憶。真実はいったいどこに?

図書館で謎の手紙を見つける二人

【Claude2作】

山本と美月は手がかりを求めて街を歩いていた。するとふと、路地裏に先程と同じような古びた日記が落ちているのを発見する。 山本はそれを拾い上げ、中をのぞいてみる。

日記にはこうあった。
「この街では奇妙なことが起きている。夜な夜な、住人が姿を消すのだ。翌朝、その人の存在自体が街から抹消されている。」

山本は目を丸くする。
「これが街の秘密なのか? 消えた人々の存在が抹消されるとは」

美月も「恐ろしいですね。百年も前からこんなことが...」と驚く。

山本は考えた。
「存在を抹消するためには記憶の操作が必要だ。住人の記憶から、ある人物の存在そのものを消し去る能力が必要なんだ」

「ええ、そうすると、消えた人を知るものは誰もいなくなる。だから秘密が代々隠されてきた...」
美月も納得の表情を浮かべる。

山本は思考を巡らせた。顔がはっきりしない家族の写真は…消えた人物を思い出させないようにする力ではないのか?

「そうか...抹消の能力を持つ存在がこの街にいる。私たちの名前まで知っているということは...」

ふと山本は、監視されているのではないかと感じた。街の全貌が見えない中、何かに隠れて観察されている――。

山本と美月が気づかぬうちに、謎の存在はすでに二人の周りに忍び寄っていたのかもしれない。

【ChatGPT作】

山本と美月は古びた日記の内容に心を重くした。しかし、それは重要な手がかりでもあった。

「美月、この日記が示すとおりなら、消えた人々の存在を抹消する力がこの街には存在する。警戒が必要だ」

「山本さん、それにこの日記がここに落ちていること自体も怪しいですよね。もしかしてわざと…?」美月が疑念を口にする。

山本は手にした日記をじっと見つめる。
「確かに、これは何らかの罠かもしれない。しかし、この情報が真実である可能性も考慮に入れなくては」

その時、美月が何かに気づいたように目を細める。

「山本さん、あれを見てください」

彼女が指さす方向には、遠くに人影が一瞬見えた。

「何だ、その影は…。」山本が言いかけた瞬間、人影は消える。

「今のは一体…」美月の声は震えていた。

「監視されている可能性が高い。そして、その人物はおそらく私たちの名前を知っている。つまり…」
山本の言葉は重く、二人に迫る危機感を増す。

「つまり、私たちもいつ消えるかわからない、ってことですよね?」美月は顔を引き締めた。

山本はゆっくり頷いた。「それが現実だ。だが、だからこそ真実を解明しなければならない」

街に隠された恐ろしい力、監視する影、そして山本と美月が次に何を目にするのか。

遠くに人影を感じる美月と山本

【Claude2作】

山本は影の正体を推理した。

「美月、この街の住人は言ったな。事件など知らないと。しかし、私たちの名前まで知っている影がいる」

「そうですね...知らないと言っていたのに」美月も納得の表情だ。

「そうだ、これが真実だ!」山本は目を見開いた。

「住人の記憶が改ざんされているのは、この街全体に忘れられない力があるからな。つまりその力を使う『何か』が、私たちを監視している!」

美月も「あっ、それで消えた人の記憶も抹消できる。その正体とは...」

「来て下さいませんか?見せてあげますわ」
その時、声が聞こえた。

2人が振り返ると、そこに老婆が立っていた。

「お前は…なぜここに?」山本が問う。

「ふふ、私がこの街の秘密といったらわかるかしら?」老婆は口の端を上げる。

「人を消す力も、記憶を操作する力も、すべて私の力なの」

山本と美月はいきなりの登場と告白に驚きを隠せない。

「なぜそんなことを?」美月が聞くと…

「この街の平穏を守るためよ。秘密を探る者は消さねばならない」老婆の目は冷たく輝いていた。

二人が振り返ると、そこに老婆が立っていた

【ChatGPT作】

「平穏を守るために人を消すなんて、それ自体が平穏じゃないですよ」
美月は声を震わせながら言った。

山本も深くうなずいた。
「お前の言う平穏は、単なる表面的なものだ。それが真実なら、何故私たちにその日記を見せた?何故、この街の秘密を私たちに知らせたんだ?」

その時、遠くに別の黒い影が動いた気がした。
それを目にした老婆からは笑みは消え、代わりに不可解な表情が浮かんだ。
「それは...それは...」

「理由がないのか?それとも私たちを試しているのか?」山本の問いに、老婆は答えられない。

美月はその様子を見て…
「山本さん、何かがおかしいです。彼女は、もしかして他の何かに操られているのでは?」

「可能性はあるな。彼女が一貫していない行動を取っているのもそのせいかもしれない」山本は考え込む。

「でも、それにしたって、私たちをなぜ放っておいたんですか?」美月がさらに問い詰める。

老婆は顔を歪めた。

その瞬間、老婆の後ろで何かが動いた。しかし、その何かが何であるかを確認する前に、老婆は「次に会う時があるならば、その時に話すわ」と言い、闇の中へと消えた。

山本と美月はお互いに目を見合わせた。そして、真実はまた一歩遠ざかってしまったようであった。

【Claude2作】

老婆が消えた後、山本と美月は言葉を交わした。

「あの老婆の行動の理由が分からないな。まるで自分で自分をコントロールしていないかのようだ」

美月は不気味さを隠せない表情で言う。
「そうですね、彼女自身が何かに操られているのかもしれませんね」

「そうだな、この街には老婆以外にも、人を動かす怪しい力があるに違いない」 山本は真剣な目で美月を見た。

「美月、俺たちはその力の正体を突き止めねばならん。この街の謎を解明する鍵だ」

「はい、でもその力の正体とは...」
美月の言葉は宙に浮かんだ。

「まずは手がかりを探すとしよう。二人で注意深くこの街を探るんだ」
山本の決意に後押しされ、美月も力強く頷いた。

二人は街に隠された真実に迫るべく、静かに物語の舞台となった街へと歩みを進めた。

【ChatGPT作】

山本と美月は街の中心部に向かった。街灯の光が薄暗い通りを照らし出している。

「おかしいな、この街の看板... 文字が一部消えている」と山本が指摘する。

美月は近くの看板を指さして言った。
「確かに、"Bar Alarmat…"って何ですか?バーアラーマット?アラーム?警告?」

「この文字の消失も、この街の謎の一部かもしれない。何か意味がありそうだ」と山本が頭を働かせる。

美月が咄嗟にスマートフォンを取り出して写真を撮った。
「後で調べてみましょう。」

「よし、次に向かう場所は...」山本は地図を広げ、目を細めた。

突然、遠くから聞こえてくる声が二人の耳に届いた。

「助けてください!」

山本と美月は互いに一瞥を交わし、声の方へと駆け出した。

美月がBar Alarmat…と書かれた看板を見つける

【Claude2作】

山本と美月は助けを求める声に導かれ、小路へと急いだ。するとそこには誰もいなかった。

「どこだ?声の主は」山本が周囲を見回す。

美月も「ここには...誰もいないです」と言う。

二人は不思議そうに顔を見合わせる。声の主が見当たらない。

「これも街の謎の一つか?」山本が考える。

「はい、看板の文字も声も、なんらかの意味があると思います」 美月の言葉に山本は頷く。

「これは…おそらく、声の主はすでにこの街から消えたのだろう。今までの失踪事件を振り返ると、その可能性が高いと言える」

「本当にこの街で、そんなことが起こっているのでしょうか...?」美月の声が震える。

山本は美月の肩に手を置いて励ます。
「大丈夫だ。謎を紐解けば、真実が見えてくるはずだ」

美月は力強くうなずく。
「はい。一緒にこの街の真実を明らかにしましょう」

二人は看板の謎と消えた声の意味を解明すべく、静かな街路を進んでいった。

【ChatGPT作】

二人は街をさまよい続けた。その途中、山本の目に何かが引っかかった。

「美月、この店を見てくれ。前に来たときと何か違う」

「確かに、ここの店、以前はアンティークショップだったはずですが、今は空き地ですね」

「そうだ。この店がなくなったのも、何かこの街の謎に関連しているんだろう」山本は深く考える。

美月は不安そうな顔で言った。
「山本さん、私、この街で起きていることが怖くなってきました」

山本は美月に対して励ました。
「恐れるな。俺たちがこの街の謎を解けば、何もかも明らかになる」

突如、美月のスマートフォンが振動する。写真に新たな文字が浮かんでいる。「Bar Alarmat…" が "Bar Alarma Tapar" になっていた。

「これは何... どうやって?」

「写真が変わるなんて、これも何かの暗示か?」山本が疑問を投げかける。

「はい、そして私たちに何を伝えたいのか、それが問題ですね」

「アラームタパル酒場?スペイン語で…警告を止める?」山本は首を捻った。

二人はこの新たな情報に戸惑いつつも、街の謎を解明する決意を新たにした。

【Claude2作】

山本と美月は、変化する街の様子に不気味さを感じながらも、真実への手がかりを求めて歩き続けた。 すると、二人の前に謎の老婆が再び現れた。

「お二人がこの街の秘密を知ろうとしているのね」 山本が問う。

「お前は先にこの街の平穏を守るために力を使っていたと言ったはずだ。いったい何が本当なんだ?」 老婆は哀しげな表情で告げる。

「ごめんなさい。私は嘘をついていたの。この街で何が起きているか、私には…」

美月は驚く。
「では、一体誰が何を知っているんですか?」

「この街の秘密を知る者はもう誰もいない。百年前から隠され続けてきたの」

山本は叫ぶ。「わざわざ…そんなことを言いに来たのか!」

その時、美月のスマートフォンが光る。新たな文字が浮かび上がる。

『真実はあなたがたの中に』

二人は目を見張る。唯一の手がかりは自分たちの記憶の隙間にあるのかもしれない。

「よく考えるといいわ。真実への道はあなたがた自身の中にあるのだから」

そう言い残し、老婆は消えた。 山本と美月は静かに目を閉じ、真実への道を見つめた。

【ChatGPT作】

山本と美月はその場で数分間目を閉じた。真実への道が自分たちの中にあるという言葉が頭に響く。

「うーん、俺たち自身の中に真実があるとはどういうことだろう。」

「山本さん、それは重要な問いかもしれませんよ。『真実はあなたがたの中に』と言われたんですから」

突如、美月のスマートフォンがまたもや振動する。今度は地図アプリが開き、" アラームタパル酒場"の位置がマッピングされた。

「なんだこれは...。なぜアラームタパル酒場が?」

「行くべきなのかもしれない。多分、答えがそこにあるんだ」

二人は地図に導かれ、アラームタパル酒場に到着する。ドアを開けた瞬間、店内で流れる音楽が耳に触れる。

「ここに何があるというんだ?」山本が疑問を投げかける。

美月はメニューに目を通していると、ふと立ち止まる。「山本さん、このメニューに『真実のカクテル』って書いてありますよ」

「真実のカクテル? それがこの店、いやこの街の謎につながる手がかりなのかもしれない」

二人は何が起きるかわからない不安と期待を胸に、真実のカクテルを注文した。

【Claude2・ChatGPT共作・T.Tokuwaサポート】

アラームタパル酒場の中で、山本と美月はカウンターに腰を下ろし、真実を探すヒントを求めていた。

「真実のカクテル、これに何の意味があるんだろうか…」と山本は考え込む。

バーテンダーはカクテルを二つ作り、「これが『真実のカクテル』です」と言いながらグラスを滑らせるようにして二人の前に置いた。

美月はメニューを見ていたが、ふと「真実のカクテル」と書かれた下の小さな文字を見つけた。

「アルマの真実...」とメニューにある名前を美月が呟く。

「アルマ、それは『魂』を意味する古語です。何かを暗示しているのかもしれませんね」とバーテンダーが付け加えた。

山本の目が輝く。
「魂か...。この街の魂、百年前の秘密の書の魂、それがこのカクテルに込められているのかもしれない」

美月がグラスを手に取り、ゆっくりと中身を回しながら見つめる。「アルマの真実...それを逆から読めば...」

「マルア...」山本が立ち上がり、店内を見回す。

「マルア...どこかで聞いたことがあるような気がするが、思い出せん」と山本が眉をひそめた。

夜の街を歩きながら、山本と美月は「マルア」という言葉について調べはじめた。

真実のカクテルを作るバーテンダー

「インターネットで調べようにも、この街では何故か接続が不安定で...」と美月がスマートフォンをいじりながらつぶやいた。

「確かに、この街には電子機器がうまく機能しない不思議な場所がある。まるで何かに守られているかのように」と山本は空を見上げながら言った。

美月は仕方なく古びた建物で見つけた日記を読んでいた。山本が口を開く。

「その街の秘密というのは、そこに書かれた秘密の古文書と関係があるのかもしれんな。」

「街の秘密と秘密の古文書ですか…?秘密を暴くというのは、その古文書を探すことなのでしょうか?」

「『真実はあなたがたの中に』つまり、俺たちが知っている情報の中にあるとするなら、そう考えるとしっくりくるな。」山本は頷く。

「その秘密の書を探していた者が消された…ということであれば、この街を守るために消されたのかもしれませんね」と美月が推測する。

「だが、その秘密の書が何を含んでいるのか、それがこの街にどんな影響を与えているのか...」山本は遠い目をした。

「秘密の書が伝える真実、それが『マルア』に関係しているのかもしれない。しかし、手がかりはこの街のどこかにしかない...」と山本はつぶやく。

「そして、それが『真実のアルマ』...魂の隠された場所を示しているのかもしれない」

美月は山本の手を握りながら言った。
「私たち二人で、この街の謎を解き明かしましょう!」

そして二人は、古びた街角に灯る街灯の下で、過去と現在が交錯する謎へと一歩踏み出した。

美月は山本の手を握った

「待てよ、美月。マルア... そうだ、老婆がかつてそんな言葉を口にしていた」と山本がふと思い出した。

「マルアはこの街の古い橋の名前だった。記憶が確かなら、老婆はその橋に足跡が残されていたと言っていたが、今はもうその足跡は消えてしまっている」

美月が静かに頷いた。
「そうですね、老婆が話していたその橋、私も覚えています。」

山本は深く考え込む。
「ひょっとすると、その橋は秘密の書への入り口だったのかもしれん。あるいは、書そのものが橋に隠されていたのか...」

山本は静かに言った。
「もう一度、老婆が足跡を見たという橋にいってみるか。そこには、何かしらの手がかりが残されているはずだ」

美月は決意の表情でうなずいた。

薄明かりが漂う夜明け前、山本と美月は老婆が話していた橋へと向かった。橋は静かに川の上にかかり、古びた石造りが何かを物語っているかのようだった。

橋のたもとには、まるで二人を待ち構えていたかのように、老婆が立っていた。「おや、またお二人さんかね」と老婆は優しく微笑んだ。

橋の前で老婆が立っていた

山本が問いかけた。
「お前が見た足跡についてもう一度教えろ。」

老婆の目が遠くを見るようになり、語り始めた。
「あの足跡はね、この街の人々を守ろうとした者のものよ。でもね、秘密を知りすぎたがために...」

「消されたのですね」と美月がそっと言葉を続けた。

老婆は頷き、「そうよ。そしてね、この街には不思議な力があるの。記憶を操作する力が...」老婆の声は震えていた。

山本と美月は沈黙したまま老婆の話に耳を傾けた。山本が冷静に尋ねた。

「その力を知った者は?」

老婆は続けた。
「彼らは、消される。私たちは忘れる。この橋の下、水の流れるように、すべてが消えていくのよ」と彼女は橋を指さし、一瞬古い石の間に映る影を見たような気がした。

「そしてね、失踪者たちは今も霊となってこの街を見守っているの。外から来た者たちを、誰よりも慎重に見ているわ。彼らは警告者なのよ。」

山本が顎に手を当てて考え込む。
「外から来た者たちか...」

「はい」と老婆が応じた。

「失踪者たちは、街の外から来た人々には特に目を光らせています。なぜなら、新たなる来訪者は記憶の操作が難しい…秘密を掘り起こして消滅するかもしれないと...」

美月は恐れおののきながらも質問した。
「失踪者の霊が...この街を彷徨っているのは、秘密を暴いてほしくないからですか?」

老婆は首を横に振りながら、霧が晴れるような声で答えた。

「いいえ、彼らはむしろ逆。警告をしながらも、私たちに真実を伝えることに執着しているの。ただ、彼らの声は、もう私たちの記憶には届かないのよ...」

老婆は遠くを見つめながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「だから彼らはメモや日記を残したのよ。言葉にならない声を、紙の上に刻んで。」

橋の古びた欄干に手をかけ、山本はゆっくりとその構造を眺めた。微かに漂う土と湿り気の匂いが、何かを隠しているかのように感じられた。彼は地面に視線を落とし、石と石の間に生じたわずかな隙間に気づいた。

「ここに...何かある」と山本は独り言のように呟いた。

美月が不思議そうに尋ねた。
「何か見つけたんですか?」

山本は何も答えず、橋の下へと降りて行った。しばらくの後、古びたレンガをかき分ける音が響き、ほどなくして隠された小部屋を発見した。その狭い空間には、時間を忘れたかのように古文書が置かれていた。

彼は慎重に文書を手に取り、薄暗い光の中でその文字を追い始めた。
「ここに書かれているのは...この街の恐るべき秘密だ」

美月が懐中電灯を持って彼の元へと降りてきた。

「どんな秘密ですか?」

山本の眼差しは深刻なものだった。
「この文書によると、この街には生者の記憶を操作する力が伝わっている。それを知った者は、どうやら百年以上も前から次々に消されていたそうだ...」

美月は息をのんだ。
「それが、老婆が話していたことと繋がりますね...」

山本は頷きながらも、眉をひそめた。

山本は古文書の秘密を知りながらも、頭の片隅で引っかかっている別の謎を考えていた。

彼らが先に訪れた「アラームタパル酒場」の名前が心に引っかかって離れなかったのだ。あの場所はなぜか異様に心地悪い感覚を覚えさせる。その名前を何度も反芻していると、ふと「アルマ」という単語が脳裏に浮かんだ。

「アルマ...これはラテン語で魂という意味だ。だが、それを抜けば...」山本はぶつぶつと独り言を言いながら、その言葉を書き出してみた。

「アラームタパル...アルマを抜けば...aratapar...」

彼はその言葉を何度も眺めるうちに、何かを咀嚼しているかのように言葉を逆から繰り返した。「rapatara...」

その瞬間、頭の中で何かが鳴り響いた。

「これをラテン語読みすると...ラパタラ...」

山本の目が一層の深い洞察を帯びる。
その逆さまの文字列「rapatara」が意味するのは、たんなる言葉遊びではなかった。

ラテン語で「rapta」は「奪われた」を意味し、「ara」は祭壇を指すが、合わせて考えると「誘拐」と「祭壇」という意味になる。

「美月、これは...つまり『誘拐』…人々がいなくなる...この酒場は、実はこの街の失踪事件と関連しているのかもしれん。」

美月の表情にも重い影が落ちた。
「山本さん、それなら...この街で失踪した人々...彼らがこの酒場と何らかの関連があるということですか?」

山本は目を閉じ、深く考え込む。
「そうかもしれん。失踪者の霊が街を彷徨い、私たちに何かを伝えようとしている。彼らは何かを知っていた...そして、その何かが彼らを『誘拐』したのだ。私たちがこの謎を解く鍵は、この酒場、いやこの『祭壇』にあるのかもしれない。」

美月は静かにうなずき、二人の決意が新たになる。山本と美月は、その衝撃の真実を求めて、アラームタパル酒場へと再び足を踏み入れる覚悟を固めた。

二人はアラームタパル酒場へ向かう

二人が酒場に到着すると、先程のバーテンダー…酒場の主人が待っていた。

「何かをつかんだようだな」

照明が暗いアラームタパル酒場の片隅で、山本はその主人と対峙した。酒場の雰囲気は陰鬱で、かすかに響く声は過去の犠牲者たちのもののように感じられた。

「お前がこの街の人々の魂を食い物にしていたのか?」山本は声を荒げた。酒場の主人は静かに微笑んだ。

美月がすぐにフォローした。
「山本さん、そんな言い方は... でも、事実を知る必要があります。」

「事実だって?ああ、そうだ、事実は私がこの街の番人だということだ。」酒場の主人は落ち着いていた。

主人は冷静さを保ちながらも、瞳の奥に輝く狂気を隠そうともしなかった。

「この街に来る者は、皆、何かを求めている。忘却か、はたまた希望か... だが、彼らは知らない。与えられるには、必ず何かを捧げなければならないということを。」

山本は軽くため息をついた。
「皆が何かを求めてこの街に来るって?求めるも何も、知らないで飛び込んで来る蛾のようなもんだろう。」

主人はため息をついた。
「この街の住人も限られているからな。お前らのような余所者も街を守るために必要ということだ。」

「この街を守るためだと?守るって言葉、その意味、お前にわかってるのか?守るために人の魂を代償にするなんて、誰が納得するっていうんだ?」
山本の声は静かだが、その言葉は鋭く主人の心をえぐった。

美月が間に入り、柔らかい声で言葉を続けた。
「本当にこの力が街を守っているんでしょうか?」

酒場の主人がゆっくりと口を開いた。
「街は生きており、橋を渡った者は二度と出られない。この街が存続するためには魂が要るんだ。魂を取り込むことで、この街は100年以上も生き長らえている。知らぬが仏、知らなければ平和だよ。犠牲はごくわずか...」

山本は皮肉を込めて返した。
「平和?何のための平和だ?魂を吸い取っておいて、どの口がそれを平和と言うんだ?」

美月も頷く。
「犠牲があっての平和って、本当に平和なんでしょうか?」
主人は山本と美月の問いかけに沈黙し、その沈黙が、重苦しい空気を一層濃くした。

主人の目が怪しく光り始める。
「そろそろ幕を閉じようか…」
そして、なにやら聞き取れない不思議な呪文を唱えはじめた。二人は何故かその場から動けなくなり、口すら開けなくなった。

そんな酒場の隅から、老婆が姿を現した。彼女の目は古い写真のように色あせ、しかし知識と悲しみで濃く染まっていた。

「この主人はね、街を守るという約束のもと、自らに永遠の命を与えるように取引したのよ。それはこの街の古い秘術によるもの。だがそれには街の人々の魂という大きな代償が伴うの」と老婆は静かに語り始めた。

山本と美月の二人は再び身体が自由になる事を感じた。

山本は疑念を隠さずに問うた。
「代償とは?なぜ誰も立ち向かわないんだ?…そうか、それが記憶の操作か…」

美月は老婆の瞳の悲しみを察しながら静かに言葉を継いだ。
「街を守るということは、どんな意味ですか?」

老婆は苦い笑みを浮かべた。

「私が街そのものの意思なの。魂を食らう街は私の事なの。そしてもう、これで十分。繰り返される犠牲、輪廻、永遠の命に価値などない。」

薄暗い照明の下、老婆はゆっくりと酒場の中央へと歩みを進めた。彼女の口元には苦い笑みが浮かび、その瞳には何世紀にもわたる重苦しい秘密が宿っているかのようだった。彼女は自らの存在を明かし始めた。

「聞いてほしいの。わたしはこの街そのものの意志を持っているのよ。そしてもう、これで充分。この街が繁栄を続けてきたのは、絶え間ない犠牲の上に成り立っている。古文書の秘術によって人々の記憶を消し、新たな魂を街に縛り付ける。そう、永遠の命という幻想に騙され、犠牲となった人々の無念がこの街の石畳に染み付いているのよ。」

老婆の声は静かだが、その言葉には力が宿っていた。

彼女の言葉には、終わりを告げる決意が込められていた。それを山本と美月は、じっと見つめながら感じ取っていた。

老婆の声は落ち着いていたが、その内容は重大だった。

「その古文書こそが、この街の秘密を維持する力の源なの。それは単なる紙の束ではないのよ。何世紀にもわたる力が宿っている。」

山本はその古文書を手に取りながら、状況を冷静に分析していた。そして、彼は古文書を燃やすことで、この異常な連鎖を終わらせられると考え…決意を固めた。

山本は古文書を取り出す。主人の顔が青ざめた。
「その本をどこで手に入れた!?」

山本は静かに宣言する。
「この呪縛から解き放つには、こいつに火をつけるしかないな。」

しかし、主人がそれを阻止しようと彼の前に立ちはだかった。

「待て、それはだめだ! それを燃やせば、この街は…」

山本は主人を冷たく一笑に付し、マッチを擦った。

「なら、街ごと燃え尽きればいい。この街が人を縛るのなら、それを断ち切ってやる。それがお前の望みだろう?」と老婆を見ながら彼は吐き捨てるように言い放った。

火の粉が舞い上がり、古文書は瞬く間に炎に包まれた。主人の怒号と老婆のため息が交錯する中、山本はこの街の奇怪な運命に終止符を打つべく行動を起こしたのだった。

山本は、マッチを擦りながら高笑いを上げた。

「ほら見ろ、このくだらない紙切れがどれだけの価値を持っているか。この街の狂った舞台を維持するための哀れな道具だ。」

主人が飛びかかろうとするのを軽々とかわしながら、山本は嘲るように古文書に火をつけた。

「こんなもので永遠を買うというのか?愚かな。ああ、それともお前がそんなにその古ぼけた紙が好きか?」

火が古文書を飲み込む中で、山本は主人を見下ろし、さらに言葉を投げつけた。

「お前の永遠はここまでだ。そんなに長生きして何が楽しい?一生を無駄にするのは自由だが、他人を巻き込むな。さあ、この火の中でお前の罪も灰になれ!」

主人の悲痛な叫び声が、燃え盛る炎に呑み込まれていった。

燃えていく古文書

…………どれぐらい時間が経ったのだろう?

霧がすべてを覆い隠し、二人は地面に横たわっていた。今までいたが街も橋も何もかもがなくなっていた。

目を覚ました山本は、記憶の中で薄れゆく街の残像に怒りを覚えながら美月に向かって言い放った。

「一体全体、あれは何だったんだ? 俺たち、ただのタダ働きじゃないか。こんな仕事、馬鹿馬鹿しいにも程がある!」
彼は立ち上がりながら、冷たく吐き捨てるように続けた。

「解決する価値もねぇ謎に、俺たちの時間をどれだけ無駄にした? こんな霧の中で、ただ寝転がっているだけでいい…いや、こうなるべくしてなったんだ。」

美月は山本の言葉に対する返答を見つけられずに、ただ無言で頷くしかなかった。山本はその沈黙にさらに立腹して、声を荒げた。

「情けない…俺たちはただの駒だったんだよ。お前もわかってるだろう? あの主人も、老婆も、みんな消えた。消えたんだ! そして、ここにいるのは無駄な努力をした俺たちだけだ!」

山本は苛立ちを抑えきれないようで、しばらく腹立たしそうにしていた。

そして、美月を睨みつけ、衝動的に言葉を投げつけた。

「おい、美月。お前、今までのお礼に俺に何かしてくれよ。たとえば...」彼は一瞬躊躇し、続けた。

「この霧が晴れたら、裸で一曲踊ってみせろよ。それくらいできるだろ?」

美月は呆然と聞いていたが、おもむろに美月は静かにトレードマークの丸眼鏡をはずし…怒りに顔を赤くしながら返答した。

丸眼鏡を外した美月

「私がこれまで山本さんのために何をしてきたか、少しは考えてみたらどうですか? 失言をフォローして、暴言を丸め込んで、いつもいつもクリーンアップして。あなたがどれだけ私に頼ってるか、自覚してないんですか!? それで、何ですって? 裸で踊れだなんて、冗談じゃありません!」

山本はたじろぎながら、言い訳のように言葉を紡いだ。

「あ、いや、その、俺がどれだけ助けられてるかなんて、ちゃんとわかってるって。ただ、冗談を言い過ぎたな。謎解きのストレスで頭がおかしくなってるんだ。気を悪くするなよ。」

美月はひるむことなく彼に立ち向かい、「冗談もほどほどにしてください。不愉快ですよ、それ。私たちがどんな関係か忘れてないですよね? 尊敬と信頼があってこそのパートナーです!」と怒り心頭で反論した。

山本は美月のただならぬ雰囲気にたじろぎながら、彼女から目をそらした。
美月の圧は止まらない。山本は再び口を開く。

「美味しいものでも食べて帰らないか?」と緊張を和らげるように、でもまだ少し気まずさが残る口調で山本が提案した。

美月が深呼吸をすると、再び丸眼鏡をかけなおした。

「それなら、松阪牛のフルコースで。」
美月の返答はきっぱりとしていた。普段の控えめな態度からは想像もつかないほどのはっきりとした要求だった。

「松阪牛か…」と山本はつぶやき、そしてふっと苦笑いをした。
「タダ働きのくせに、高級肉を食うとはな。洒落にもならんぞ。」

美月は瞬き一つせずに言い返した。
「タダ働きをしてるあなたについて来れるのは、この私だけですよ。」

そして美月は、いつものように優しい笑顔に戻った。

笑顔の星野美月

霧が晴れると、山本と美月は見慣れた街の喧噪に包まれていた。消えた街は、まるで一夜の夢だったかのようであった。

二人はほろ苦い今宵の経験を胸に、事務所へと向かう足取りを急いだ。

街の灯りが彼らの後ろ姿を静かに見送りながら、今宵の物語もひとまずの終わりを迎えていた。

(おしまい)


あとがき

伏線の回収にチャレンジしてみましたが…全自動では無理がありましたね。
Claude2さんは伏線を覚えていてくれますが…回収なんてとても無理そうです。文章書かせたらChatGPTさんの方が優秀な感じはしますね。

ただ、お互いが暴走しようとしても牽制しあうので、物語がそこまで変な方向に行かない感じはしました。もちろん、ChatGPTさんは「勝手に良い話にして終わらせよう」としますし、Claude2さんは「精神世界の内面の深いヤバい世界に誘おう」とします。暴走しないように、そこの手綱は人間側が取っておく必要がありそうです。

下記のやり方がよさげです。

  1. 物語がある程度進んで終わらせようとするとき、Claude2に伏線(未解決の謎)を書き出してもらう。また、大雑把な回収方法も考えてもらう。

  2. 1をベースに伏線を回収する詳細な文面や細かなアイデアをChatGPTさんと壁打ちして練る。

  3. 伏線を回収する形で事件を解決に向かわせる。

  4. 伏線の回収部分と事件の解決内容を元に、話の最初の方に戻って、矛盾点の修正と伏線となる謎を追記・修正しに戻る。

こんな感じでしょうか?

伏線の回収章は、文字を書くのはAIでも、アイデア出しで人間側の発想がかなり入りましたので、私の名前も追記せざるを得ませんでした。
そこは残念ですね。

あと、調子に乗って、DALL-E3で挿絵をたくさん作り直していたら、最後に規制に引っかかってこれ以上作れなくなりました。
仕方なかったので、ありあわせの画像で誤魔化しましたが…その副次的な結論てして、丸眼鏡を外して怒る美月という個性が出たのでOKとしましょう。

結局、超常現象を入れないと伏線の回収が出来ないというのはまだまだですね・・・というか、伏線の回収が出来ているかどうかも怪しいです。

初めてのチャレンジなので、まぁ、とりあえずこんな感じで!
というところで、締めくくりたいと思います。




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