【書評】徹底的に数字で考える。

全体的には良くあるビジネス書にあるような内容ではあるが、個人的に面白いなと思ったところを紹介したい。

仮説を立てられない人に足りないのは「ひとつに決める勇気」です。
原因と結果をそれぞれ1種類の数字で表現し、その2者を仮の因果関係として結び付ける。こうするとこで次にするアクションが1種類になり、実際に行動に移せます。

本書でも書かれてるが、こう言った話をすると、「世の中そんなに単純じゃない」という反論が出て来る。
そりゃそうだろう、としか言いようがない。そんな事誰でも知ってる。だが、ビジネスにおいて、その複雑な事を解明する事にどれだけ意味があるのかは考えなければならないだろう。そもそも完璧な因果モデルは作れないのだ。
「すべてのモデルは間違っているが、中には役立つものもある(All models are wrong; but some are useful)」という有名な格言もあるくらいだ。

役立てるためには、アクションが取れなければならない。複雑な因果関係が分かったとしても、実際に施策が打てなければただの自己満だ。

ただ、これは人間が意思決定してアクションをとる場合の話だ。本書の範疇ではないので、特に述べられてないが、機械でアクションを自動化する場合はこの限りではない。コストや時間が割に合うのであれば、どんなに複雑な構造のモデルでも問題ない。複雑なものが全く使えないという訳ではない。

最後に、本書で紹介されている稲盛和夫氏の言葉を紹介する。上手く成果が出せない人は、一度意識してみると良いかもしれない。

馬鹿な奴は単純なことを複雑に考える
普通の奴は複雑なことを複雑に考える
賢い奴は複雑なことを単純に考える

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