質と量の話
今日は来月K−1に出場する選手の指導。
長い間この業界でトップ選手達と拳を合わせたり指導をする中で、トップ層には共通項があることに気づく。
それはなにか?
" 練習の虫”だということだ。
普通すぎる答えでがっかりした人もいるかもしれない。
そう、彼らは何ら特殊なことをしていない。人より長い時間格闘技のことを考え、多く練習しているだけなのだ。
だがこれを入ったばかりの新人や一般の選手に言っても響かない。彼らはまだそこに”何か特殊なものがある”と信じている層なのだ。
”人並層”が最も嫌うもの。
それが”精神論”だったりする。(※水飲むなとかは別。)
ゆえに指導者としては各人のフェーズにより、課すメニューも言葉もしっかりと見極めないとならない。
以前、効率についての記事を書いたが効率を求めるのは質を見出してからだ。
そして質を見出すのは圧倒的な量をこなすことが鉄板である。
効率や質というのは人により形状が異なる。それは誰からも教われないし教わるべきものでもない。自分で創り、見出したものだからこそ意味をなす。
私は一時期格闘技を離れていた時期があり会社勤めをしていた。その仕事は多くの経営者の話を聞く機会があったのだが、やはり皆すごい量をこなしていた。
”楽して成果を出している人”と”苦労して成果を出している人”がいるのではない。
苦労を苦労と思わずして頑張れるかどうかの人がいる違いなのだとそこで学んだ。
ちなみに手前味噌な話で恐縮だが、私も世界には届いていないものの選手として国内と東洋のタイトルをいくつか持っているが苦労したという感覚はない。夢中になって没頭していた感覚だけだ。
僕より弱くて僕より練習している選手というのは僕の知る限り会ったことがない。反対に僕より強い選手は僕より練習しているのだろうと思っている。だからもっとやらなくてはならない。”才能”のせいにするのは一番最後。
何かに取り組み、何かで人より抜きん出ようとする時、まずは量を追い、その過程で方向を微調整しながら進んでいく。それ自体が”効率が良い”ことなのかもしれない。
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