【不動産・賃貸・売買】相談する人はその人で合ってる?不動産業界のお話

「引っ越す!高額で不安だから不動産業界で働いてるアイツにいったん相談してみよ!」みたいな人は多いかと思います。

『不動産業界』って括られがちなので、例えば〇〇レジデンスってマンションデベロッパーに賃貸の話をしてもわからなかったり、〇〇リアルティって仲介の会社でも売買仲介しかしない会社は賃貸の話が通じなかったりするわけですね。

こちらも良く聞かれるので業界をまとめさせてください。
いくつもの業務をしている会社も多くあります。小さい会社では色々経験しますが、財閥系だと異動がないと売買仲介一筋30年!みたいな方もいらっしゃいます。友人がわからなくても責めないであげてネ。

前半は私が某財閥系の会社で新卒社員に行っていた研修内容と概ね同様ですので、極端に変な内容では無いかと思います。就活とかで不動産業界に興味がある人にも参考にしていただけると。

不動産会社の定義

宅建業法(不動産業を行う人の法律)では宅地建物取引業を

「宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行なうものをいう。」

としています。簡単に言うと

不動産を継続して売り買いする人と、他人の売買・賃貸借を仲介する人

ぐらいのイメージで大丈夫です。自宅を一回二回売り買いしたり、持っている投資物件を繰り返し賃貸したりしても宅地建物取引業ではないってことですね。

自ら継続して不動産を売買する会社

不動産を購入し運用したり付加価値をつけて売却したりする会社です。

①マンションやビルを建てて運用、売却する(マンション)デベロッパー

②戸建てを建てて売却する建売業者

③建てずに売る買取転売業者
物件を安く買って相場で売ったり、古くて安いマンションをリフォームして新築よりは安く中古よりは綺麗な物件として売り出します。

不動産会社が買って利益を乗せて売るということは多くの場合、相場よりも安く買っています。不動産会社以外なかなか買い手が付かないぐらいの大規模物件を除いて、もっと高く売れる物件がほとんどです。
昔は騙して安い価格で買い取る不動産業者が多かったようですが、今はコンプライアンス的になんやかんやあるので結構うるさく言われます。私が働いていた会社では相場よりも安く仲介する場合には上司への事情説明+了承が必要でした。

不動産会社が安く買える事情の例
①ご離婚に伴う自宅の売却の現金化→離婚していると売却後の物件についてトラブルを避けたいので、不動産会社がトラブルあっても文句を言わないという条件で購入します。

②複雑な権利関係の物件→一部が賃貸されていたり所有者が違ったりわからなかったりする物件を不動産会社が購入後、交渉・調査を行い綺麗な権利関係の物件として売却します。

他人の売買・賃貸をサポートする会社

物件検索サイトでは媒介仲介という文字をよく見ると思います。持ち主から依頼されているか、その不動産会社の情報を集めて紹介しているかの違いです。

①売主さんと買主さんをつなげて取り進める売買仲介
売主さん側を「〇〇媒介」「専属専任」「元付」と表記されます。
買主さんに広告・紹介する不動産屋さんは「仲介」「客付」と表記されます。

②貸主さんと借主さんをつなげて取り進める賃貸仲介
貸主さん側を「〇〇媒介」「専属専任」「元付」「賃貸管理会社」と表記されます。後記の賃貸管理の業務も請け負っていることも多いです。
借主さん側に広告・紹介した不動産屋さんは「仲介」「客付」と表記されます。分かり辛いですね。

売買仲介と賃貸仲介、似てるようで相当異なります。会社によるというよりも営業マンによります。売買・賃貸両方ちゃんと教育している不動産会社はほぼ無いからです。営業マン自身がちゃんと経験・勉強しているのか見極めて相談しましょう。

不動産運用をサポートして下さる会社

賃貸管理会社の一部業務以外は不動産業ではありません。

①入居者募集や入居後サポート等の大家さんの手伝いをする賃貸管理会社
設備故障の窓口もサービスしている場合があります。

②外壁や躯体、エレベーターといった設備の維持管理、清掃等ハードの管理をする建物管理会社

③分譲マンション等所有者がたくさんいる物件(区分所有といいます)で各所有者の取りまとめ、総会などの運営をするマンション管理会社

④色々建築・設計するゼネコン、建築会社、工務店、設計会社

管理会社わかりづらい問題

『物件に不備が出て物件を紹介してくれた不動産会社に電話したけど突っぱねられた!!!???』

あるあるですね。まず客付会社はお客さんのニーズに対して物件を探す会社です。もちろん聞いてた話と違うってことであればクレームなり通報なりして良いのですが、単純な設備故障であれば客付会社は関係ありません。

じゃあ契約で行った賃貸管理会社?とも思うかも知れませんが、”入居者募集だけ”依頼された会社は残念ながら賃貸管理業務を受けていないので確実でもありません。

このケースだと『大家さんが入居者募集を賃貸管理会社に依頼し、その会社の募集を見た客付会社がお客さんに紹介した。』ってことになり、結果大家さんに直接修理を依頼します。分かり辛いですね。

判断の仕方は

自分が持っている物件
 ●区分所有(分譲・中古マンション)
  ・共有部分・不安な部分(窓・ドア・バルコニー)→マンション管理
  ・専有部分→自分で修理先を探しましょう。グーグル先生!
  ・面倒な場合→マンション管理(ちょっと割高かも)

 ●戸建→自分で。グーグル先生!

借りている物件
→一旦賃貸管理(重要事項説明書をしてくれた会社)に問い合わせて、判断を仰ぐ
※自分で修理依頼してしまうトラブルになる可能性も。要注意。

まとめ

自分で売買する
 デベロッパー、建売、買取転売

他人の売買の手伝い
 売買仲介(元付・客付)、賃貸仲介(管理・仲介)

その他
 大家さんの業務代行→賃貸管理
 建物のチェック→建物管理
 分譲系の取り纏め→マンション管理
 色々建築・設計するゼネコン、建築会社、工務店、設計会社

管理会社は分かり辛いけど自分で判断して直すのは要注意

最後に

今回は不動産会社の種類を書いてみました。

連絡先、相談先がわからなかった際に参考にして頂けると幸いです。

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