22-23_EPL マンチェスターシティについて⑤

2. Each of the shots

シュートパターンのほかに、シュートしたプレイヤー、ラストパスを供給したプレイヤーについて集計した結果を示す。

上左図は全シュートに対するプレイヤーごとの構成比率を示した。わずか4人のプレイヤーで全体の半数近くのシュートを記録したことになる。そして全体の2割を一人のプレイヤーが占めた。
9(Erling Haaland)のシュート数の2位との差は「58」で、圧倒的な試行数を記録したことになる。
上右図は、MCI内で最もシュートを打ったプレイヤー9(Erling Haaland)にフォーカスし、どのプレイヤーからのラストパスを受けていたかを示したものになる。約1/4を17(Kevin De Bruyne)が占めた。3番目に一人で完結した結果(11%)が入ったため、9(Erling Haaland)へのラストパスは17(Kevin De Bruyne), 47(Phil Foden)に依るものが多く占めたといえる。


9(MCI)へのラストパス供給者のオンターゲットとゴール数

シュートのパターンそのもの集計と同時にシュートを打ったプレイヤー、ラストパスを出したプレイヤー、ラストパスを出したプレイヤーにパスを出したプレイヤーの関係性まで把握するために全シュートの記録を行った。
 
ラストパスを出せる位置にいるということは距離が遠くては、パスが渡るまでの時間、シュートを打つまでの時間などの要する時間が長くなり、効果的ではない。実際、9(Erling Haaland)へのラストパスを出したプレイヤーは17人になるが、前ページ図では7人のみを示した。MCIの配置は流動性を極めているため定位置については言及しづらいが、7人のポジションはIH,Wing,Pivotに限定された。
 
最も多い組み合わせは17(Kevin De Bruyne)➡9(Erling Haaland)であり、オンターゲット、ゴールともに最多となった。17(Kevin De Bruyne)はインサイドハーフもしくはトップ下などのポジションのプレイヤーになる。二人の関係性で生み出したシュートは「29」だった。これに対し、オンターゲット、ゴールはそれぞれ「15」「8」だった。オンターゲット率、ゴール率でとらえるとそれぞれ「52%」「28%」だった。オンターゲット率が過半数を超えていることを特筆すべき事項である。17(Kevin De Bruyne)から9(Erling Haaland)へラストパスを供給できた時点でオンターゲットとなる確率が半分になるということである。17(Kevin De Bruyne)の高精度のラストパスなのか、9(Erling Haaland)の驚異の決定率なのか、あるいはそのどちらでもある。
 
「8」ゴールの内訳はクロスからのシュートが4本で、他のシュートは1つずつのパターンだった。17(Kevin De Bruyne)がクロスを送るシーン自体が多かったが、ファーストチョイスとしてbox内のCFを目掛けていると言える。同時に17(Kevin De Bruyne)がボールを持った時点でクロスへの準備をファーストチョイスにするのが9(Erling Haaland)だったと言える。
 
一方でインサイドハーフとして多く出場した8(Ilkay Gündogan)からのラストパスは少なかった。それに伴いオンターゲットもゴールも少なかった。17(Kevin De Bruyne), 8(Ilkay Gündogan)はともにIHをベースポジションとしながら、その役割は異なっている可能性がある。
 
ここでシュートの流れを3人目まで追った以下のデータを紹介する。

ここから、最多のシュートを記録した二人の関係の前にいたプレイヤーは8(Ilkay Gündogan)と分かった。8(Ilkay Gündogan)は中盤でつなぎ役となり、チャンスを創出するプレイヤーにパスを出していた。
この役割は17(Kevin De Bruyne)に次いで多くのラストパスを供給した47(Phil Foden)へのパターンでも当てはまった。

9(Erling Haaland)のゴールとシュートを支えるプレイヤーに多くかかわるプレイヤーが数値を持って判明した。
この関係性を今後も維持できるかがMCIの生命線になり得る。


スカッドは2022/23シーズンに登録があったプレイヤー
2022年夏、2023年冬の移籍でチームが変わった選手についても表記

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