未来2020年5月号 「今月の一人」掲載作

※未来2020年5月号「今月の一人」に掲載された新作9首+短いコラムです

オープニング

仕事から帰る途中で市役所にぶち当たるあー顔のないビル
眠るため在るのだ夜は。いいドライヤーを使えば早寝ができる
まだ暗い松山を発つしおかぜにあなたは追いつけますか嘘でも
考えている間に高瀬-詫間-多度津/ピアスもちゃんとついてきてるし
改札にSuicaのマーク高松や岡山へゆく人らが撫ぜる
見たまんまですで済まされレジに立つそれでもいける新店のレジ
退勤後、口を閉じてる。舌の根にVC3000のど飴のせて
夜やがてだいじな人が笑いだす:きみら結婚したらええのに
詩みたいな見た目のパワーポイントだ中身は会計基準について


生活していくためのカプセルの薬。プラスチックのおもちゃみたいな青色をしている。体調がいいときは短歌ができない。他のいろいろなものに興味関心が向いてしまう傾向がある。また当然ながら、体調が悪いときも短歌どころではない。現在の私の課題は、何かしら工夫して暮らしのコスト(日常的な家事や仕事などにより、自分にかかる負荷)を下げることで、それがすべての好循環に繋がっていくのだろうと思う。

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