未来掲載短歌 2018年4月号

未来2018年4月号掲載

帰省前後

強風のクリスマスイブ バイトから帰って耳をふさいで眠る
美容師のお兄さんから渡された名刺のざらざら嫌いじゃないな
つけられたオイルの匂いがとれなくてひとの女になったみたいだ
好きだった歌を今年は聴いてない そのままでよく、暮れていく年
きみのことを好きな子のこと考える 全員で両想いになりたい
じいちゃんとお屠蘇を飲める珍しいお正月だ、といつか未来で
母が持つ昔ながらのガラケーも母同様に少しあやうい
しょうがないからドコモまでついて行きむすめさまって呼ばれ続けた
黒いのは川か 光のある場所へ私を運ぶ夜の特急

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