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無職の父と、田舎の未来 第3回 僕が1年考えた、「田舎の未来」について。 文/さのかずや(仕事文脈vol.3)

   全てのきっかけになったブログを書いてから1年が経つ。
 先日、お世話になっている大学の先生が開いている小さな会で、お話しさせて頂く機会があった。
 その際、僕がこの1年間田舎について見聞きしたことをもとに、考えたことをまとめてみよう、と思った。
 今まで見てきた事例を辿っていくと、これから田舎が生き残っていくには、大きく「2つの道」がある、ということに気づいた。
でもそれは結局同じ所に行き着いていて、やはり僕の考えていた「1つの結論」に至った。
この1年間のまとめとして、そのことについて記してみたいと思う。


◆道①:ヨソモノの迎え入れ。

 1つ目の道は「ヨソモノを迎え入れる」という道。
今回、その地域出身でない者のことを「ヨソモノ」と呼ぶことにする。
 例えば、僕が訪れた、島根県の海士町。
 地域が一体となって、ヨソモノの力を借りてでも自立することを決めた町。
 「移住資金の補助」のような、単純な支援だけの地方自治体なら山ほどある。
海士町が、そういった普通の地方自治体と大きく違うところは、「ヨソモノに働いてもらう」ために、働き先と住居を用意しているところだ。
普通の田舎なら、ただでさえ減り続ける雇用を、わざわざヨソモノに譲るようなことはまずしないだろう。
 しかしこの町は、外から来る人が新たな利益を生み出し、町を活性化させる、ということをよく知っている。

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