貴重な水資源―地下水

地球の水資源の一つである地下水を保護し、それを持続的に利用することは、人類の生存と直結した死活の問題である。

地中を流れる地下水は目に見えないが、昔から貴重な水資源として人間の生活で重要な地位を占めてきた。特に、乾燥地域において地下水は、人間の唯一の水源となっている。

世界淡水量の大部分をなす地下水は、工業と農業に利用される水源のうち、非常に大きな比重を占めている。

地下水の過度の作用は、土壌の浸食と海岸地域での海水による土壌浸食を招来している。国際研究陣の研究結果によると、世界的に川流域の約20%地域で汲み上げる地水量はすでに流出量を超えており、このまま行けば、2050年には世界的に地下水を利用する42%~79%の地域で生態系を維持することができなくなるという。

また、工業の急速な発展によって生じた化学汚染物質が様々な経路を経て地中に流れ込んで地下水を汚染させ、人間の健康に直接、または間接的な被害を及ぼしている。工業廃水や廃棄物、肥料、殺虫剤の使用などは地下水の水質に悪影響を及ぼしている。

このため、国連水機構では今年、世界水の日のテーマを「地下水」と定めて同日を契機に貴重な水資源である地下水を保護し、その持続的な利用をはかるために各国が極力努力することを呼びかけている。

朝鮮では水資源を保護し、それを持続的に利用するための活動が国家的な事業で行われている。

水資源法、河川法、大同江汚染防止法、海汚染防止法などが採択されて水資源の調査と開発、その利用のための活動が法的に裏打ちされている。昨年、「朝鮮民主主義人民共和国普通江汚染防止法」が新しく採択され、首都の中心部を貫流する普通江の水質と環境を改善するための活動が活発に行われている。

最近、全国的に3万1700余の地下水施設が建設、補修されて水の確保に寄与している。

工場や企業から出る廃水による汚染、汚染された土壌と汚水灌漑による地下水の汚染など、地下水汚染源に対する監督統制を強化している。だけでなく、汚染地域に対する予報システムを確立し、水質の監視と測定を綿密に行って地下水の汚染をしっかりと防止するようにはからっている。

これと同時に水資源の保護に対する社会的認識を高めるための大衆的な宣伝活動を行うことによって、すべての人がこの活動に積極的に参加するようにしている。

朝鮮自然保護連盟中央委員会研究士 チャン・インエ

2022-03-22

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