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【廃棄率約50%削減】創業200年の歴史をもつ老舗「株式会社榮太樓總本鋪様」の食品ロス削減への挑戦

創業200年の歴史を持つ和菓子の製造販売会社の株式会社榮太樓總本鋪様は、お客様に「心の豊かさ」をお届け出来るよう、原料に吟味を重ね製法にこだわり、美味しさと品質を第一とした菓子作りに励んでおられます。

TABETEの導入事例が少ない和菓子業態で、2023年より運営している3店舗にてTABETEを導入し、約9ヶ月間でおよそ1000食の食品ロス削減に成功した株式会社榮太樓總本鋪様にお話をお伺いしました。

今回お話を伺った方 
早川様(店舗運営課)写真左、秋月様(日本橋本店店長)写真右


1.廃棄商品の課題はあったが、ブランド毀損を懸念して一歩が踏み出せずにいた


須河 :TABETE導入前の課題や、導入前の懸念点について教えていただけますか?

秋月様:特に生菓子において課題が明確にありました。商品の性質上、日持ちしない商品のため、どうしても廃棄になってしまう商品がありました。
売上を担保しつつ、これらの商品をどう廃棄せずに店舗を運営していけるかを考えていましたね。

他の業態が実施しているように閉店前に店頭でお値引きをして販売し、廃棄商品を削減することも検討しておりました。
ただ果たして本当にそれが自分たちに合っているのか、自社のブランド価値を損なう取り組みではないかということが頭によぎったため、踏み出すことはできておりませんでした。

正直に申し上げるとTABETE導入に関しても、食品ロスのためではありますが店頭価格よりもお値引きをしてアプリ内に販売することで、
通常のお客様の買い控えが起こったり、お客様に割引をして購入できるお店だと思われたりしてしまうのではないかと導入当初は心配でした。

(秋月様:新規店舗の開業の際は、店舗責任者を担当される店舗運営のスペシャリスト)

2.買い控えやブランド毀損は起こらず、新規のお客様にご来店いただくきっかけになった

東ケ崎:実際に導入後はどのような印象をお持ちになられましたか?

秋月様:実際に利用してみて感じたことは、少し自分たちが保守的になりすぎていたのかもしれないということでした。私の想像よりもSDGsや食品ロスの考えが世の中に浸透しているのだということをTABETEを通して、お客様に接することで感じることができました。実際に心配していたことは起こっておらず、杞憂に済みましたね。

早川様:導入以前に、TABETE内で和菓子商品の出品は事例が少なく、レスキューされるのか心配だったのですが、実際に出品してみると多くの方々にレスキューいただいているので大変有難いです。
またTABETEでのレスキューが弊社の店舗への初来店というお客様もかなりいらっしゃいまして、TABETEが店舗の雰囲気や商品の味を知っていただくきっかけに一役買っているのではないかと思っています。

通常ご来店しているお客様ですと、店舗の立地条件や形態によって変わりますが、主に60代のお客様が中心です。TABETEでは30-50代のお客様が多くお見えになっているというデータも出ていますので、廃棄率を削減しつつ様々な年代のお客様にご来店いただいているのは、非常に嬉しく思っています。

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<TABETEでの実績>
対象期間:2023年4月-2024年1月
導入店舗:3店舗
レスキュー人数:約600名
レスキュー食数:約1000食
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(早川様:首都圏エリアの10店舗を担当されており社歴約20年の大ベテラン)

3.TABETE導入後に従来の廃棄率を約50%削減

須河:TABETEを通じて良い変化が出ており、非常に嬉しく感じております。廃棄率の点で、具体的にどの程度削減できたのか教えていただけますでしょうか。

早川様:具体的な数値は開示できないのですが、導入前に比べて平均約50%程度廃棄率が削減できております。TABETE以外の要因もあるかもしれないですが、導入の前後で変化が数値上はっきり出ていますので効果があったことを感じています。

和菓子業態の特徴として、一般的に他業態に比べ廃棄率が高いのですが、廃棄率削減のための打ち手はあまり多くはありません。
弊社も製造コントロールを厳密に管理にしているのは前提で、店舗間で余ってしまう在庫商品を輸送して販売するなどで、自社内で廃棄率削減の対策もしております。
ただそれでも自社内でできる取り組みにも限界を感じていたところでしたので、今回導入に踏み切ったという背景があります。

(日本橋本店で陳列されている商品)

4.店舗ごとに出品ルールを設定し、継続的な運用の定着・導入効果を最大化する

東ケ崎:店舗内でTABETEを運用するルール設定はされていますか?

秋月様:運用する上では廃棄率を削減することを第一にしております。ルール設定に関しては、厳格に設定しておらず各店舗ごとの裁量に基本的には委ねています。もちろん店舗ごとに出品判断する時間が来ますと、その日の在庫状況を確認の上、出品有無の判断して、出品する場合は出品数量や出品価格を決めていきます。
価格に関しては少し幅を持たせるようにはしていて、やはりTABETEに出品してもレスキューされなければ、
最終的に廃棄になってしまうのでそこは極力避けることができるよう意識して運用しております。

早川様:商品でいえば、常温帯の商品は店頭での販売期限が切れた賞味期限内の商品をTABETEで出品していまして、生菓子に関しては店頭で販売しているものと期限は同じものを出品しております。
弊社としてもこだわりの素材を生かして商品を作っておりますので、廃棄することなく少しでもお客様に召し上がっていただきたいなと思っております。

(全国飴菓子工業協同組合に加盟しているキャンディーメーカーとしては日本最古の歴史を持っている榮太樓總本鋪様)

5.今回の導入を振り返って

早川様:弊社には「心の豊かさに挑戦する榮太樓」という社是がありまして、今回のTABETE導入に関してもまだ同業他社が実践していないことへの挑戦でした。実施する前から決めつけるのではなく、とりあえず何事もやってみようという精神でまずは一歩を踏み出しました。
結果的に取り組んでみてよかったと感じていますので、今後もこの思いを忘れずに精進していきたいですね。

須河:今回は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!引き続きTABETEをご活用いただけたら嬉しいです。

<取材・編集・撮影=東ケ崎・須河>

今後もTABETEを導入している店舗様へのインタビューや、フードロス削減の工夫についてnoteで発信していく予定です。フードロス削減にお困りの店舗の方は、ぜひ以下URLからご連絡ください。

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