旅行市場のイノベーションがどこで起こるのかは、中国の旅行市場を見たらわかる。

from:近所の3つ目のスタバ(ここが一番花粉少ない)


落合陽一さんがイノベーションについて、「その時代における”環境”とのクロスポイントによって生まれる」と言っていました。(たぶん)

戦国時代に織田信長が出会った「鉄砲(火薬)」は、それ自体も革命的ですが、武田信玄の最強騎馬隊を破った「三段撃ち」という戦法こそが正に、イノベーションだと言えます。


今、中国の経済成長がすごくて、特にIT・テクノロジーによるイノベーションとその浸透は、日本を遥かに先行しています。

国も人間と同じ様に、成長期の過ごし方が、その後に大きく影響するのであれば、

1980年までの重化学工業によって高度成長を遂げた日本の性格は、大規模な工場を構え、機械と人間を効率よく動かし、均一的に大量生産するモデルです。今もなお、日本経済を支えるのは、トヨタなどの製造業ですからね。


対して、正に今、成長期を過ごしている中国を取り巻く環境は、IT・テクノロジーで溢れています。WeChatのテンセント、検索エンジンの百度、Eコマースのアリババなどは、アメリカのメガベンチャーと対等な力を持っています。

時代や環境とのクロスポイントを、どこで迎えたのかによって、これだけ変わるんですね。


そこでお伝えしたいのは、そんな中国における旅行業もまた、テクノロジーによって急成長をしているという事と、そこからどんなイノベーションが生まれようとしているのか、という話です。



▼ベルリンで見た、旅行業のテック事情|

先日ベルリンで開催された、ITBに参加してきました。様々な業態が共存する旅行業界ですから、約10,000ものサプライヤーやエージェントが、全世界から集まります。


その中で、最も広い面積を占めていたのが、”IT・テクノロジー企業” のブース。

さて、そう聞いて。ITテックブースに出展している日本の企業は、いったい何十社あったと、想像しましたか。


見事に、 ペッパーくん有するソフトバンク社の、一社のみでした。


ITBで感じた、観光旅行業における、テックのキーワードは3つです。

①UI/UXに優れた、旅の企画サービス

②最適・最安値のリアルタイム検索

③タビナカコンテンツ


どれも面白い話なのですが、今回は特に①について、中国企業を事例に話を進めます。




▼旅は100%自分でつくれるようになる。

早速ですが、これは中国のスタートアップ企業のプロダクトです。


【UIの流れまとめ】

①旅先の国を選ぶ

②都市を選ぶ(複数)

③期間を指定する

④旅行の趣味嗜好を選択する

これで、モデルコースが完成します。そんなアプリケーションです。


最後に、予算を入れて決定を押すと、それに見合ったプランとなって、見積もりが上がってきます。


さらに、モデルコースはかなり自由度高く編集・修正が可能です。マップから、口コミ付きの観光地情報やグルメの検索ができ、入れ替えもできます。


まだまだ制度は弱いですが、FIT顧客が旅を企画する流れを、非常によく再現していますし、何よりストレスフリーで、潜在的です。


実はこのような形式のサービスや、WEBサイト、アプリが今、世界中で増えています。おそらく今後、主流になるのでは。



▼FITが求める旅行サービスは選択→企画へ

前回の記事では、ライフサイクルを引合いに、なぜ旅行業のFIT化が進んでいるのかを話しました。その観点では、中国の旅行市場はまだ発展途上です。


さて、なぜ旅行市場では、「選択(比較検討)」よりも「企画」なのかというこを、今回は「カスタマージャーニー」を使って話してみます。


カスタマージャーニーとは、日本語訳すると ”顧客の旅路” という意味になりますが、そのままの通り、顧客がサービスを認知してから購入を決定するまでの流れを示しすものです。


ご覧の通り、従来までの旅行消費であれば、旅行会社は「情報収集・企画」段階のユーザーと出会うことができていました。


しかし、情報化社会が進んだ現代において、WEBサイトやガイドブックを読み込んだユーザー と 旅行会社 との情報格差はほぼありません。

よって、色々調べ終わった「比較検討段階」のユーザーとしか出会うことができなくなったのです。これが、価格競争が激化した原因でもあります。


この様に、戦いのフィールドが「情報収集」→「比較検討」へと移り変わったことで、価格による選択が主流となり、リアル店舗の業態が衰退し、OTA業態(楽天トラベル、じゃらん、トラベルコetc..)が、活躍し出したというわけです。


ですが、全てのトレンドには揺り戻しが起こりますから、激化し過ぎた旅行業の「比較検討」市場が、今度は「情報収集・企画」市場へと、サービスの軸を移し替えています。


膨大な情報を知ることができる様になった結果、その比較検討すらシンドイと思う様になり、最適なものを一発提案して欲しいと。これは、別の調査でも明らかになっているユーザーの消費傾向です。


そこで、旅の企画に寄り添うための必要な要素を、


疲れたので、今後書きますね。




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