カードスローイング道歌解説パート2

(6)カードにはカードに備わる重さあり引き出すためのわざを磨けよ
「軽いものを重く扱う」とはよく言われることですが、そのためにまず必要なことは、「軽いものの重みを感じること」だと考えています。
例えば、カードを持つ手が力んでしまっていたら、数グラムしかないカードを感じ取ることすらできないでしょう。
持つ指(人差し指と中指)はしっかりと挟む必要がありますが、その一方で常にその重みを感じ、その感覚が抜けないように投げ終えないといけません。
そして、その重みの感覚は、カードが的に刺さるもしくは当たるまで続きます。

(7)足裏に触れる大地に傾ける耳さえあれば抜ける力みも
前項で述べた「力み」を抜くために必要なのは、「脱力」であるとは考えていません。
必要な力は入れ、余分なものを捨てる、という意味では脱力的側面はあるかもしれませんが、より感覚を繊細に研ぎ澄ませるために身体を整える(全身が張りつめつつもリラックスできたようなイメージ)、くらいの気持ちで良いと思います。
また、カードスローイングはメンタル的な要素も大きく関わってきますから、それを含めて心身の張りつめたようなリラックス状態を作り出すために、「足が地に着いた」状態を意識するといいでしょう。

(8)飛びゆけるカードの曳きし白絹の紐を放すな意識の手綱
手裏剣術などを専門とする方も同じ感覚があるようですが、手を離れたカードはあたかも自分の掌(もしくは身体の中心)から見えない紐で繋がっているかのように飛んでいきます。
あるいは投げて後も手の内の感覚があって、いまだ操り続けることができるような感覚とも言えるでしょう。
さらには的に到達してからめりこんでいく手触りのようなものすら感じることことがあります。
最初はそれが切れてしまいがちですが、できるだけそれが持続するよう、そして紐自体を深く練っていくことが、良い投擲に繋がります。

(9)夏蝶の花を飛びたつその肢の力感じる手のやわらかさ
繰り返しになりますが、無駄な力みは百害あって一利なしです。
手の甲にとまった蝶々が飛び立つ刹那、軽く甲を推すか細い肢の力を感じ取るように、繊細にカードを感じるようにすると、きっとうまく投げることができるでしょう。


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