旅する身体

身体探究者/松聲館技法研究員 武術やヨガの身体技法を研究。 身体の使い方や考え方を提…

旅する身体

身体探究者/松聲館技法研究員 武術やヨガの身体技法を研究。 身体の使い方や考え方を提案し、 身心の不思議さと愉しさを伝えています。 東京、神奈川を中心に全国へも 出張します。 https://tabisurukarada.amebaownd.com

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技は自分にかければいい

県西古武術稽古会でした。 今日は『皮膚』を中心に稽古しました。 皮膚はずっとやっているテーマの一つですが、 やればやるほど面白いです。 引っ掛かりができれば繋がりができる皮膚ですが、直線的な動きではなく曲線、迂回的な動きが特徴でもあります。 皮膚の感覚が育つと、元々の力がない方でもかなりカバーできます。 皮膚は繋がる 骨は自由 筋肉は補佐 とは以前から言っていますが、 それぞれの役割があって、それぞれの役割を全うしてみるとまた新たな感覚が見えてくるのかもしれま

    • 前腕は被害者

      こんにちは。 今回はここ最近気付いた事と、新たなワークについて書きました。 短いですが、私にとってはかなり大きな気付きです。特に丁寧にというのをこれまでより深く味わっています。 何かの参考になれば幸いです。 ◼︎前腕は被害者 ここ最近は、前腕をいかに使わないかから、前腕は被害者だという事に気付いた。 どういうことかというと、肘やカイナの説明をしている時に前腕は伝達媒体に徹するというのはよく言っていたのだが、ここに来てその感覚が更に育ってきたみたいだ。 例えば手を

      • 先(せん)の話

        身体の気付きは螺旋状で例えられる事がある。同じ言葉でも稽古していくうちにその意味合いが変わってくる。 言葉は限られているが、感覚は同じ言葉の中でも変化していく。螺旋の最初の渦と次の渦では同じ渦でも全く違う。これは動きの質が変わっていくと言ってもいいかもしれない。 今回書いてみる「先」についても、もう何年も前からその重要性は認識しているが、螺旋状にその質は変わってきている。5年前の先と今の先は似て非なるものだ。そしてこの先も変わってゆくのだと思う。ここでは今の「先」の認識に

        • 第二回身体と心のお稽古会

          本日は『身体と心のお稽古会』でした。 ご参加の皆様、 そして、むすび香さん ありがとうございました。 前回から始まったこの会。 身体に丁寧に向き合う事を 積極的に行います。 考えすぎずに「なんとなく」を 大切にしていく。 こんな感じかな、あんな感じかな。 ここでは自己調整「セルフケア」 を主軸にしていますが、 それは毎日何回やって下さい というものではなく、 身体と対話しながら今日はどんな感じですか と問いかけていくように やっていくものです。 一見同じように見

        技は自分にかければいい

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          身体と心のお稽古会

          ⁡ ⁡ 本日は築300年の古民家で 『身体と心のお稽古会』 を開催させて頂きました。 ⁡ ⁡ ご参加下さった皆様、 ありがとうございました! ⁡ ⁡ そして整った場を提供して下さった むすび香さん、御礼を申し上げます。 ⁡ ⁡ 「身体の使い方を見直す」 「身体感覚を育む」 ⁡ ⁡ 日々の暮らしの中で 少しでも身体に目が向き、耳を傾けられるように身体の感度を上げていってもらえたらなと 思い稽古しています。 ⁡ ⁡ 身体を丹念に観ていく、触れていく事で そこにあると実感する。 ⁡

          身体と心のお稽古会

          ワークショップと稽古

          今週は葉山、ときわ台と濃密な稽古でした。 葉山ではワークショップというより、稽古的な内容も多くなり、今後は稽古スタイルもしくは半々で行なっていくかもしれません。 ワークショップと稽古の違いは何かとのご質問もたまにありますが、ワークショップは普遍的にどなたでも再現性があり、実際に体験して身体や感覚の変化を感じられる内容なので、どちらかというと初めての方向けのプログラムです。 つまり、身体の使い方を実際に体験して、変化を感じ、身体の欣びや愉しみを実感してみようといった具合で

          ワークショップと稽古

          いい加減 ではなく 良い加減に稽古 テキトーではなく 適当に稽古    私にとってのちょうど良いを探す旅

          いい加減 ではなく 良い加減に稽古 テキトーではなく 適当に稽古    私にとってのちょうど良いを探す旅

          重力と仲良く

          私たちは地球にいますが、普段重力を感じる事はありますでしょうか?日常生活の中では特に意識しない限りは感じることはないと思います。立っているだけであれば尚更です。姿勢というものを考えた時に、解剖学的や構造的に捉えた姿勢というものは確かにしっかりしていて無駄がないです。それはある程度指標にはなると思います。しかし、人は感覚を持っています。身体感覚です。身体はどのように捉えるかによって、実際の動きも大きく変わってきます。 重力と仲良くという事を、普段の講習会や稽古会では次

          重力と仲良く

          「地球に優しく」

          地球に優しく、とは何かの標語ではありません。 ワークショップや稽古の時に、歩く動作をお伝えする時によく出す例えです。 感覚を繊細にしていくと、足裏の接地時のぶつかる感覚に違和感が生じます。これは地面と衝突し喧嘩してしまっているとも言えます。地面と喧嘩していると足裏から体全体に伝わる衝撃もすごいですし、怪我の原因にもなりかねません。体を使っていく上で、部分的な負担を減らし、全身に負荷を散らす事は怪我の予防にも役立ちますし、必要な筋肉が自ずと発達してきます。 私の場合、よく

          「地球に優しく」

          『肚/腰を知る』

          本日行われた『肚/腰を知る』は無事終了しました。 日本人の身体文化である肚/腰。言葉から見えてくる肚腰や、丹田との共通性、肚腰を感じるワークなどを通して肚腰を見ていきました。 肚腰は、「ここです!」とハッキリクリアに分かる位置があるわけではなく、最終的には各々が感覚として捉えるもの。正解がまかり通る世の中では、この曖昧な感覚は受け入れ難いものであると思います。 しかし、本来身体というものは共通性はあるものの、個人の感覚に頼る事が殆どです。場を共にして感応し合う事で引き出

          『肚/腰を知る』

          『手/腕を知る』

          ⁡ 「人が生きていく上で毎日当たり前のように使っている手。そんな手や繋がりを持つ腕について、考えてみたいと思います。」 ⁡ ⁡ こんな序文を、資料のはじめに書いた今回の講座。 ⁡ ⁡ あっという間の2時間でした。 ⁡ ⁡ お話が中心で、説明の合間合間に動きを検証したり、ワークをしたり、じっくりと手や腕と向き合っていきました。 ⁡ ⁡ 触れ方から始まり、相手や対象と手を通した関係性、肘の役割や、腕の繋がり、関係性など。 ⁡ ⁡ ご参加された方が介護関係のお仕事をされていたので、

          『手/腕を知る』

          らせん流金城みどりさんとの対談を終えて

          昨日は、らせん流®︎ナビゲーターである金城みどりさんとのインスタライブ2回目。 らせん流とは https://www.google.co.jp/amp/s/amp.amebaownd.com/posts/12904457 『身体と心』をテーマに約1時間半お話しした。 その中で気になる点をいくつか書いておきたい。 ■自分の中の快を見つける これはらせん流の中での大事なポイントとの事。武術の身体運用でも、不自由な状態から如何に自由になれるかが鍵だ。例えば、手を押さえられた

          らせん流金城みどりさんとの対談を終えて

          12/11「脚/足を知る」

          来週土曜日は「脚/足を知る」と題した講座があります。ここでは足について少し書いてみたいと思います(その都度、脚/足と書くのは控えて足とだけ書きます)。 ■足は土台 体を家に例えた時、足は土台と言われたりします。確かに足が動かなくなれば、杖や車椅子に頼らなければならなくなります。家で言う土台が崩れれば自ずと建物全体が崩れてます。土台が崩れたら大変なのがよく分かると共に、体に対する足の役割がとても重要だと分かる例えです。土台が崩れれば、日常生活も困難になります。1人では歩けない

          12/11「脚/足を知る」

          『身体を知る•活かす』

          ⁡ 12月から月に1回、3回講座を行います。 ⁡ ⁡ 『身体を知る•活かす』 ⁡ 【テーマ】 ▪︎脚/足を知る 12/11 ⁡ ▪︎手/腕を知る 1/15 ⁡ ▪︎肚/腰を知る 2/12 ※単発参加も出来ます。 ⁡ ⁡ ⁡ 自分の身体を知り、使い方や動きを見直してみませんか?偏りのある手、腕や足、脚の左右差、上下、力の加減、力みや弛み、膝、腰、肩の負担など普段の生活の中でのバランスを丁寧に紐解いていきます。それぞれの特性を知り、個性を知り、実践して身体と対話してみましょ

          『身体を知る•活かす』

          稽古録その1

          こちらから稽古録を載せていきたいと思います。 武術に限らずあらゆる『身心』の気付き。 誰かの何かのご参考になれば幸いです。 【不安定の使いこなし】 不安定の使いこなしとは、甲野先生がかなり前から言われている事。アイスバーンで滑りそうになった時に、全身を発動させ一気に体勢を立て直す働きなど。そんな不安定さを力に変える働きを最近また実感してきている。私の中での不安定の使いこなしとは、思いっきり体幹が揺さぶられる事。相手に腕を持たれた時に、腕から繋がった体幹が思いっきり揺さぶられ

          稽古録その1

          私が学ばせて頂いたヨガでは、身体をテキストとしなさいという言葉があります。 なんでも安易に信じすぎず、疑い過ぎもせず、自分の体験を通して原理を掴む。 情報が溢れる世の中では、実践して感じて観察していくという態度は非常に重要だと思います。 簡単に言うと、やってみてどう感じた?です。

          私が学ばせて頂いたヨガでは、身体をテキストとしなさいという言葉があります。 なんでも安易に信じすぎず、疑い過ぎもせず、自分の体験を通して原理を掴む。 情報が溢れる世の中では、実践して感じて観察していくという態度は非常に重要だと思います。 簡単に言うと、やってみてどう感じた?です。