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【山形県山形市】玉こんにゃくと十四代で舌鼓の山形一泊二日旅(1/2) 2020年2月8日(土)-9日(日)

真冬も真冬、2月の大雪降る山形へ、一泊二日で酒を呑みに行ってみました。お目当ては当然地酒です。地酒王国・山形県は、「十四代」をはじめ、綺羅星のごとく旨い酒があるのです。
注)こちら2020年2月の記事になります。


⚪︎パウダースノーの山形市に到着

水の町屋七日町御殿堰

マイカーを運転して山形に到着しました。盛岡〜仙台間は雪が少なかったですが、仙台〜山形間は、道路に雪はないものの、周りの山々には深く雪が積もっており、山形市内に入っても道路脇の雪が高く積まれていました。

2020年の2月、一年で一番寒い時期にさらさらとしたパウダースノーが降り続く山形を家族で訪れ、いつものように旅先の旨い酒を楽しむことにしていました。

中心市街地にある「水の町屋七日町御殿堰」を起点に夕方の街を歩いてみます。ずいぶん冷えているのですが、建物から漏れ出る灯りに温かみがあって、不思議とさほど寒さを感じません。

⚪︎郷土料理を楽しめる「酒菜一」で地酒三昧

「酒菜一」のお通し
山形のだしを乗せた冷奴

まず、「ヱビス」の樽生をもらい、ぐいっと呑ります。そして、メニューに目を通し、「山形だし豆腐」をいただきます。

山形県の「だし」とは、夏野菜を刻み、茗荷や紫蘇などで風味をつけ、醤油や麺つゆなどで味を調えたもので、これがまたビールに合うのです。

ひょう干し

お次は「ひょう干し煮」です。これはまったく聞いたことがない郷土料理です。てか、「ひょう」って、なんすか(笑)

そろそろ日本酒を、ということで「十四代」と真打ちから呑んでいきました。

メニュー(当時の価格です)
山形といったら「玉こんにゃく」でしょう

しかし、注文した早々に「十四代」を呑み干し、「白露垂珠」「雅山流」「羽前桜川」とどんどん地酒を呑んでいきます。
肴には「玉こんにゃく」。山形の郷土料理の王道だと勝手に思っています。

そうこうして、「酒菜一」で1時間半ほど地酒を呑み、腹もほどよくふくらんだところで店を後にします。妻とムスメはいつものようホテルへ戻り、わたしは単独で山形県一の歓楽街・七日町を目指しました。

⚪︎七日町の老舗酒場「石蕗の舎(つわのや)」での一幕

2015年のGWのことを少し話します。そのときも山形市を訪れており、七日町付近で呑み歩いていたのですが、最後はバーで締めようと思いながらも、いい店を見つけられずにおりました。

難読ですよね

たまたま目に入ったのは、「石蕗の舎(つわのや)」という、雑居ビルの地下にある店でした。

寡黙な店主が一人店に立つ酒場で、カウンター席を勧められ、米沢市の「裏・雅山流」を呑みながら、豆を炊いたもの、ひじき煮物、もずく、煮込みというなかなかにボリュームのあるお通しをつまみました。

店主は押し黙ったままでしたが、バーのことなども聞けないかと話題を振ってみます。

盛岡から酒を呑みにきたこと、さっきまでは仕事がらみの懇親会に出ていたこと、昼は冷たい肉そばを食べたこと、意外と山形が寒いこと、そして山形の地酒は実に旨いことなど、思いついたことをペラペラと喋っていきました。

すると、こちらのことがわかって少し親近感を持ってくれたのでしょうか、大きな声でないものの、いろいろ話をし始めてくれました。

山形はいかに酒も食材も優れているかの話が始まり、「山形人は遊ぶために仙台にいくが、仙台人は旨いものを食べるために山形にくる」という格言めいた話までしてくれ、続けて「山形の鮨店は非常にレベルが高いんだよ」と教えてくれました。

山形の鮨のレベルが高い話は初めて聞きましたが、確かに日本海沿いの漁港は、酒田をはじめ有名どころがいろいろありますから、まあそれは間違いないのでしょう。

ここまでくると、店主も気分良くなったのかいろいろ話をし始め、こちらとしても、ありがたことに、どんどん面白い話が聞けました。

最後の最後に、話すことに満足したのか、「なんか旨いもの食べるか?」と訊かれ、ではイチオシを、というと山形牛の牛タンを出してくれました。で、さすが勧めるだけあって、最高の味わいだったと記憶しています。

「このビルの2階にバーがあるじゃないですか」
「バー? あったがな??」
「階段昇ってすぐのとこですよ」
「ああ、ライブとかやってるどごがなぁ」
「そうそう、それそれ。どんな店かご存知です?」
「あのな、バーいぐならな、この通(七日町通)の『三桝』っていう割烹料理屋の向かいにあるバーがいいよ。オレもたまに呑みにいぐ」
「ははあ、なんていう店です?」
「。。。。。。ボルドー、、、、」
「はーー、あ、了解です。とりあえず行ってみます」
「『石蕗の舎』がら聞いだ、っていえばいいがら」
「ありがとうございます」
「ママが独りでやってる店だがら」

老舗バー「ボルドー」へ足を運ぶことになるきっかけが、こんな「石蕗の舎」でのやりとりだったのです。

⚪︎七日町の老舗バー「ボルドー」のこと


「ボルドー」の神々しい入り口

さて、「石蕗の舎」の店主から情報を得て、一見客お断りの(後から知りました)バーに辿り着きました。

その「ボルドー」は、通り沿いであるものの、注意して歩いていなければ見落としてしまいそうな、ひっそりとした佇まいでした。

普段ならかなり入り辛いであろう、そう、「石蕗の舎」の店主から話を聞いていなければ、絶対に足を踏み入れることができないであろう雰囲気に、少し圧倒されていました。

ですが、酔った勢いも手伝って、意を決してドアを押します。

低くジャズが流れる店内。カウンターで、話に聞いていたとおりの御高齢のママと、初老の紳士が話し込んでいました。

一見だったからでしょうか、ママは訝しげにわたしを眺め、先客の紳士はわたしの姿を見つけるなりニヤニヤと笑いながら「女性はどこ? あとから来るの?」と聞いてきました。

(2/2へつづきます。)

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