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【さかばなし43】こごみの春

「さかばなし」は、酒場(さかば)であった、ちょっとしたエピソード(はなし)について綴っています。「さかば」の「はなし」で、「さかばなし」です。


ごま油で和えてナムルにしようか、それとも天ぷらにしようか、いや、やはりパスタの具材にしようかーーー

そうやって、1パック100円で買い求めたこごみを洗いながら、どんな料理に使おうか考えた。

IHクッキングヒーターの上では、フェジョアーダがくつくつと煮えていた。キドニービーンズと玉ねぎと豚の喉軟骨を水と塩だけで煮込むブラジルの料理。

そのいい匂いを嗅ぎながら、沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れ、洗ったこごみを入れて1分茹でる。

冷水にさらし、水気をよく切り、結局そのまま皿に盛り付ける。冷蔵庫から取り出したマヨネーズを絞り、結局そのまま食卓へ。

ワイングラスに軽く冷やしておいたロゼワインを注ぎ、呑む。こごみを箸で取り、マヨネーズを少しつけて口へ運ぶ。

しゃきり、とした食感のあとに、軽いぬめり。クセはなく、いくらでも飽きずに食べられそうだった。

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