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駄菓子屋への憧れ

昭和40年代、僕が住んでいた町にも何軒か駄菓子屋があった。
学校から帰ると小遣いを握りしめて駄菓子屋に行くという小学生が多かった。
僕の家は小学生の時、いや、中学生の時も、小遣いという制度が無かったように記憶している。
必要なものや欲しいものがある時は母親に頼み、母が必要と認めたら買って貰えるという制度だ。

母は無駄使いや買い食いを心底嫌う。
駄菓子屋でお金を使うなんて言語道断。

そこで僕は学校から帰り、友達と合流し、友達と一緒に駄菓子屋に行き、その友達が買って食べている駄菓子を、ただ羨ましそうに眺めているというパターンだった。
多分、友達も一人で食べるのが子供ながらに心苦しかったのだろう。時々、少しだけ分けてくれたりした。
いつも友達と店に入るだけで僕だけ何も買わないので、駄菓子屋のおばちゃんが、『お家でお金、貰っておいでよ』と僕に声をかけたりしていた。

母の気持ちが分からなくはないが、子供の時に少ない小遣いで駄菓子を買うという行為は、小さいうちから経済感覚を身につけさせる、良いことだと思うんだけどなぁ。

今ではほとんど無くなってしまった、おばちゃんが子供相手にしている駄菓子屋。
還暦前にも関わらず、いまだにコンプレックスと憧れ、ノスタルジーを感じるのです。

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