2021年軽トラキャンピングカー製造の歴史Ver2.02いやVer2.XX

木製からアルミ+木製のハイブリッドモデル(旧ブランドで、今は弊社取り扱いはありません)への製造移行は着手中。人もどんどん増え、経験を得なければいけない成長途上は、とってもとってもコストがかかる状態で、一台造るとマイナス50~90万円、っていうとんでもない赤字を出すような高コスト製造体制ができていました(超涙。製造台数が損益分岐点を全然超えないので、マイナスで当然なのですけどね。それも仕方ない、と割り切って、頑張って作っていました。社外のディーラー様からもたくさんの励ましをいただきました。そんな状態が約半年続き、ようやくある程度出荷台数が見込める体制が整ってきました。初期は設計不良問題で雨漏りも経験しています。この時のお客様には大変ご迷惑をおかけし、本当に申し訳なく思っております。そういう経験を経て、製品検証システムが進んでいきました。この間にもう数限りないほどのカタログに記載するほどではないレベルの仕様変更が何百何千とおこなわれています。その都度資材や工具を無駄にしていたりしますね。個人的にこういう経験をしてきましたので、新商品を開発される世の中にない商品を創られていらっしゃる方々を、私はとても、尊敬いたします。本当にすごいな、と思います。

話が脱線しましたが、こうしてようやく「納期が読める」「品質が安定する」「アルミ+木製ハイブリッド」キャンピングカーVer2.02、いやVer2.XXくらいのバージョン変更を行っていきました。当時のカタログには、新工場に賭けた社長の想い、(当時にしては)革新的製造、ユーザー様の満足されている笑顔、等がたくさん載っています。ようやく「自社」で「製造」する、製造メーカーになったときでした。2019年7月ごろのお話です。兵庫県三田市に工場を手に入れて1年以上が経過していました。

ようやく 木製の時の最大の問題であった、供給量が少ないことによる事業継続性問題が解消された瞬間でした。うれしかったなぁ。

2020年1月まで製造は「アルミ+木」のハイブリッドモデルで進むことになりますが、製品に完璧、というものはなく課題は永久に出てきますね。製造メーカー最強と思われるトヨタさんですら、社員は必ず問題を発見してくること、というのが仕事といわれます。問題を分解すると課題がずらっとでてくる。こうして終わりなき仕事が続いていきます。

製造が安定しだした2019年7月時点でのVer2.XXのメリットデメリットは以下の通り
メリット
 製造クオリティが職人不在でも安定しだした。
 各種パーツを外注さんに作ってもらうようになった。
 家具バリエーションが増えた。
 工場では各部材を組み立て、検査し、出荷する、という役割になった。
 製造コストが安定してきた。
 頑丈さは木製よりも大幅に増した。
 積雪などの耐荷重が増した。
 形を微妙に変えて、ハイゼットジャンボには対応できた。
デメリット
 内装のべニアやプリント合板で、収縮問題が無くならない。
 湿気で重量がやはり大きく変動する。
 外壁の鋼板がメーカーの仕様変更で、厚みが増し、重量が木製の時とあまり変わらなくなった(木製なら余計重たくなっていた)。
 中空アルミを使っており、中に断熱材が入っていないので結露する。
 壁が薄いので断熱性が弱い。冬場の底冷えが木製のときより厳しい。
 断熱性能が弱い(コストとの兼ね合いでドアや窓が断熱できていない)。
 外金属中木製なので、放熱効果が高かった。しかし夏は暑いまま。
 固定金具で車両の荷台天板に固定するが、車両の荷台の鉄板が薄い。
 自立架台が大きいく使い勝手が悪い。
 似たような外形デザインのメーカーがたくさん出てきた。
 (弊社が2017年に製造研修で教えた人たちが独立してた(驚)
 外注さんからのロット・物流・納期調整が難しい。

木製の製造をしているときの問題点も記事に記載していますが(リンク必要)、この時の問題点は
 1重量が重たい
 2寸法が変わる
 3事業継続性のための安定品質・安定数出荷
でしたが、企業として最も大事な3番がある程度改善されたことが本当に良かったことですね。ですので、上記に記載したデメリットの多くは、1,2にまつわるものと新たに発生した問題に分類されますね。

ですので次のVer3の開発課題は事業継続性を当然のベースに置いたうえで、以下の通りになります。
 1 軽量化
 2 寸法の安定化
 3 他新しい諸問題に対応

これを2019年7月からずっと考えることになりましたが、1~3の問題はある一つのポイントを抑えると解決することに気づきました。それは、断熱パネルの開発とパネル軸組工法の採用、だったのです。積水ハウスさんや大和ハウスさんの高級設計の住宅と一緒ですね。大手はやっぱりすごいな。合理性を追求すると、結局大手の手法に行きつくんだなぁと思いました。

Ver3.01(2021年1月時点の旅する家MOVUSEのベース)はついに要素研究も絡んだ、本格的メーカーへと取り組みが進んでいきます。Ver3.01はパネル軸組工法へと進んでいきます。でも、断熱パネルってむちゃくちゃ高いんですよね、仕入れ価格が。事業として成り立たないんじゃないか、なんて危惧していました。

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