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「ドルトムントへ in ドイツ」

世界一周440日目(9/11)

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公園の近くには大使館がいくつかあった。

『だからきっと安全なんじゃないか?』
と思って設営に踏み切ったわけだ。

実際は、夜中の22時くらいに
「そろそろ寝床探そうぜ」って友達と、
マップアプリを頼りに公園を探して、

大丈夫そうな公園が見つかったので、
いい感じな場所にテントを立てて
お休みグンナイなわけです。

テントの設営に5分もかからない。


テントに友達と寝るようになって、
一人で野宿していた時程気は張らなくなり、
落ち着いて寝られるようになった。狭いけど。

なんせこっちは男二人いるわけだし、
テントにはフライがかけてあるから
中身が見えないわけだし、
こんな公園でテント張る浮浪者を
襲うヤツはいない(だろう)。

仮にもここは先進国のドイツだしね。


一応断っておくけど、
僕は野宿しか、しないわけじゃない。

こんな生活はバックパッカーが
資金の半分を失うと言われている
ヨーロッパを旅している間だけだ。

モロッコとか行ったら
「バリバリ快適安宿生活☆」
が始まるんだからぁああああ!!!!


昨日風邪薬を買って飲んだからか、
友達もいくらか元気を取り戻しているように見えた。

テントをたたむと、
僕たちはひとまず駅へと向かった。

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次の目的地はドルトムントだ。

僕はここへは行くつもりなかったんだけど、
サッカー好きの友達のリサーチによると、

香川真司選手がドルトムントに
返ってきたとか来ないとか。


僕はサッカーに興味がない。

選手の名前なんて全然覚えられないし、
ワールドカップの時に応援するくらい。

反対に友人は中学でサッカーやってたし、
中田英寿をリスペクトしている。

彼も自信もそこまでコアな
香川ファンというわけではなかったが、
香川選手がドイツに丁度戻って来た
という情報を手に入れて、

「もしかしたらサインとか
もらえるんじゃないか?」
と期待を膨らませたのだ。


僕としては

「シ~ンジく~ん!遊び来たよ~~~!」

くらいな気持ちだ。

そんなこと言ったらぜったい
『誰っっっ??!!!』
ってなるだろうけどね。


そんなわけで向かう先はドルトムント。

どんどんドイツの西へと移動している僕たちだが、
9月18日には今一緒に旅をしている友人が
日本に帰るため、
ベルリンまで戻らなければならない。

ハンブルグからドルトムントまでは
200km以上ある。

ここは電車を使って時間の節約をしようか。

券売機にドルトムント中央駅の名前を打ち込んだ。


「ええっと、いくらなか?」

「78€(10,904yen)」

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うん!ヒッチハイクで!

てかそんな大金払えるかっての~~!

バカか!
なんでドイツ国内の移動に
一万円も払わなきゃいけないんだ!

てか途中のブレーメンですら
31ユーロ(4,334yen)だぞ?
高過ぎだっつーーーのっ!

ちなみに友達が
日本から持って来たのは3万円。

野宿とヒッチハイクで
お金を浮かせること前提で
僕が3万円で足りるよと
言ってしまったからだ。

ここで電車に乗ったら
三分の一がぶっ飛ぶ。




調べておいたヒッチハイクポイントまでは
ローカル電車とバスで向かうことにした。

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僕のミスで乗る電車を間違えて
反対方向へ行ってしまったり、
乗る電車を間違えたり、
朝からテンションが下がった。

あ~、今日のヒッチハイク、
上手くいかないかもなぁ。


二人旅だと、こういう時に
相手の顔色をうかがってしまう。

連日の野宿と風邪気味で疲れてるっていうのに、
こういうメンタル的な疲れも加わると、
なんだか楽しい気分にはなれないだろう。

一人だったら、上がるも下がるも
全て自分次第なんだけどね。


「別に気にしてないよ」

という友達の抑揚のない声が、
なんだか僕に居心地の悪さを覚えさせた。



ヒッチハイクポイントは

ハイウェイの途中小さなの
サービスエリアだった。

サービスエリアは一般道と繋がっており、
そこから入ることができた。

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トラックが多く停まっていたが、
ヨーロッパでトラックに乗せて
もらうことは難しい。
それが二人いる場合なんて特に。

ドライバーさんに聞いた話によると、
定員オーバーでめんどくさいことになるかららしい。


僕たちは手前のガソリンスタンドから
流れて来る車に対してヒッチハイクを開始した。

目的地はドルトムントだったが、
ボードにはここから50kmほど離れた
「BRAMEN」の名前を書いておいた。
ちょっとづつ確実にね!



だが、車はなかなか止まらなかった。

サービスエリアを通過する車のほとんどは
そのままハイウェイを外れて
ハンブルグに戻る車だった。

30分やってみて車が止まらなかったので、
二手に分かれてヒッチハイクを交渉することに。

僕は白紙に行き先を書いて
直接ドライバーに交渉してみた。

二台ほどブレーメン行きの車を見つけたのだが、
「ハッチハイカー?乗せたくないわ」
みたいな顔して断られた。

そりゃそうだ。

いくらブレーメンまで行くからって、
誰でも乗せるってわけじゃない。


そんな中、ブレーメン行きの車は
前触れもなくふいに止まる。

「え?!おれたちのために止まってくれたの?」
って自分でも意外なほどに。

ヒッチハイク開始から40分。まずまずだ!


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乗っていたおちゃんは補聴器をつけていた。

僕が助手席に座り、友人は後ろに座る。
いつものように僕が会話役だ。

おっちゃんはこれからブレーメンの郊外に住む
息子さんと娘さんに会いにいく途中だった。

僕たちがドルトムントまで行きたいのだと話すと、
ブレーメン前の大きなサービスエリアで
降ろしてくれることになった。

それより先にはそれ以上大きな
サービスエリアはなく、
一番ヒッチハイクに適した場所なんだとか!

いやぁ!分かってらっしゃる!
サンクスです!



サービスエリアで降りた僕たちは、
ひとまずレストランに入った。

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いや、いつも思いますよ。

『サービスエリアの
食べ物って高いなぁ』って。

だけど、
一本ヒッチハイクを成功させると、
なぜか無性に贅沢がしたくなるのです。

てかコーヒー、
2.6ユーロもすんのかよ…。
高いからやめ。

レストラン内で一杯のコーヒーを半分こし、
お互い一つづつお菓子を食べると、
友人があるものを発見した。

「シミ!シャワーあるよ!」

しかも気になる値段のほうは
なんと3ユーロ!


「入る?」

「入るっしょ!」


清掃員のお姉さんにお金を支払い、
3ユーロ払って、個室のシャワーに
同時で入るっていうこのド貧乏っぷり!
猿岩石の気持ちわかるーーーっ!

てかシャワーやべぇ!
体洗えるって最高だぁーーー!!!

個室シャワーは荷物を置くスペースもあったため、
一人がシャワーを浴びている時間に
もう一人は待機してれるような
スペースくらいはあった。

毎日のようにまおは僕に
「お前臭うよ」と、
それが挨拶であるかのように言って来る。
これが中学校とかだったら完璧イジメだぞ!

ふぅ。でも、体洗ったし、もう大丈夫っしょ。



「あのさ、
言おうか迷ってたんだけど、
お前、、、やっぱ臭うよ」

彼が申し訳なさそうに言った。


「えっ?どっから!!??」

自分の服をクンクン嗅いでみても、
臭いなんかちっともしない。

え?なんで?てかどっから?
臭いの発信源が突き止められない。

僕は若干落ちこんだあとに、
僕たちはヒッチハイクを再開した。

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時刻は15時過ぎ。

「ドルトムントまで行けるな」と
友人も自信ありげに行った。

大きいサービスエリアだけあって、車の量もある。

ボードの行き先を
「DORTMUND(ドルトムント)」に書き換え、
僕たちはサービスエリアとその後ろにある
ガソリンスタンドを
抜けて来る車に対してアピールした。

天気もいいし。
朝ので出しの悪さがウソのみたいだ!





そんな楽勝そうに見えるヒッチハイクポイントで
無常にも2時間が経過した。

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え???うそ?時間って
そんなに早かったっけ?

てか「DO」ナンバー以外に、
どのナンバープレートが
ドルトムントまで行くのか分からない。

とりあえずやって来る車に対して、
ボードを掲げ、親指を立てていつわけだけど…。

途中、一台の車が止まってくれたのだが、
あいにく、あと一人しか乗れない状況。

僕たちは「ありがとう」と言って
泣く泣く車を見送った。


他にもヒッピー感満載の
オンボロバスに僕らはときめいたんだけど、
ドライバーに直接交渉すると行き先が違った。

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友人は「あの車乗りたかった~」と惜しんだ。

オランダナンバーの車だった。
バスの上には「Dutch Asid Family」と書かれていた。

なんだか漫画や映画にでも
出てきそうなバスだった。いつか漫画に描こう。



「今日はここで野宿かー…」
と諦めかけた時に車は止まる。


「え?!おれたちのために止まってくれたの?」

って突然に。



「ドルトムトなら通過するよ。
乗ってけよ」

ざっす!

ドライバーはマルセという
僕たちと同い年の兄ちゃんだった。

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仕事の傍らボクシングを
やっているというマルセはフィアンセがいて、
BMWを乗り回すっていう。
なんだこの差はっっっ!!!


「なぁ、腹減ってるだろ?
おごってやるよ」

「ざっす!」

くっ…、後光が差してやがる…。


僕が漫画家だということを話すと、
マルセはかなり食い付いてきてくれた。

バーガーキングでジュースと
一人2個づつハンバーガーをごちそうになると、
僕はマルセに名刺を書いた。久しぶりだな。

タバコを吸ってくると言って
外に出て行ったマルセは
後からバーガーキングから出て来た僕たちに
こう言った。


「なぁ、もしこれでおれが
悪いヤツだったら荷物全部
盗まれていたかもしれないぜ?
頼むからこれからは人を
信じ切ってしまわないでくれ」


そして僕たちにペットボトルの水を
一人二本づつと、
スキッピーだとか言うチョコをくれた。

っていいヤツゥゥゥ~~~~ッッッ!!!



車はハイウェイを時速140kmでかっ飛ばした。

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「ドルトムントのどこまで行きたいんだ?」

「え?中心地かな?駅前?」

「送ってってやるよ」


っていいヤツだろぉぉぉおおおお!!!!

ねえ!なんでおれってこんなに薄汚れているの??!!

誰かぁ~~~!
僕にファブリーズかけてくれぇぇええええ!!!!





そんなこんなで僕たちは
ヒッチハイクでドルトムントまでやってきた。

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マップアプリを見ると、
コペンハーゲンが遠くに思えた。

そうだ。僕たちはデンマークの首都、
コペンハーゲンからヒッチハイクで
ここまでやって来たのだ。

浮かしたお金は一体いくらになるんだ?

っしゃあ!贅沢するー


のは、あさってだ。


なんと明後日、

9月12日に
ドルトムントの試合があるらしい。

それに香川真司の
復帰戦になるのだとか!!!

観るしかないでしょ!


サッカー興味ないとか言ったけど、
このゲームがすっげえ
アツいゲームだってことは分かった!

お金はこういう時に使うんだろぅっ!

しゃあ!なんかテンション上がって来たぞぉぉぉーーー….


フリーWi-Fiが手に入るカフェで
一杯のコーヒーを半分こ。

閉店20時には店を追い出され、
マクドナルドで深夜1時まで作業した。

でも、マクドナルドで
オールってけっこう疲れるじゃん。


「やっぱテントで寝ようぜ」ってことになり、

駅の裏側方面で
(ってくらい発展具合に差があるのだ)
人通りのない芝生を見つけて、
そこにテントを立てた。

明日は街の観光かなぁ。

ふぁ~…、
今日もクソ色々あったな。寝よ…。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。