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「シンジ・カガワの恩恵」

世界一周441日目(9/12)

決戦は明日!

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香川真司選手の
ドルトムントのチームでの復帰戦!

僕自身サッカーなんて全然観ないけど、
明日ゲームがあるっていう偶然!
これは観に行くしかない!


ここはドイツ、ドルトムント。

現在僕は日本から僕の旅に
わざわざつき合うためにやって来てくれた
友人と一緒にデンマーク、
ドイツと旅をしている最中だ。



芝生のあるどこかの敷地で
のそのそと目覚めた。

テント内で「あ~、そろそろ起きる?」
みたいにモゾモゾしていると、
テントの外側からレーザーポインターで
赤い光が当てられていることが分かった。

ね、狙われている??!!

おそるおそるテントから出て辺りの様子を伺うと、
何かの施設の敷地内だということが分かった。

施設の上の階から、お兄さんが
「グッモーニン!」と陽気に声をかけてくれた。

ふぅ。殺されるかと思ったぜ..。


テントを畳んでいる最中に
セキュリティのお兄さんがやって来て、
「ここでキャンプをしてはダメだよ」と
優しく僕たちに注意した。

ドルトムントは
けっこうデカイ街だという割には、
そこまで人の姿を見かけない。

ここを訪れてた人のブログによれば

「ドルトムントはゴーストタウン」

らしい。

だけど、チームの試合があるときは
めちゃくちゃ盛り上がるのだとか。

香川選手が以前にドルトムントにいた頃は、
日本人はかなりの頻度で声をかけられるらしい。


ってことはー…

稼げるんじゃね???

よーし!今日は街の観光と
バスキングで行こうぜー!

もしかしたら、
誰かの家に泊めてもらえるかもー!

「一晩の宿をください」とか
段ボールに書いてバスキングしたら
面白いかもーーーー!!!


前日にテンションを上げていた、
僕たちだったが、翌日になると、
その熱はどこかへ行ってしまっていた。

とりあえずチームの
オフィシャル・ショップへ行って、

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「86ユーロのユニフォーム…、
クソ高いなぁ」

とか何も買わずに店を出て、
ブラブラあても無く街をぶらついて、

あれーー…?
何?!!この無気力感??!!



「じゃぁー、おれ、
とりあえず唄ってみるわ」

「おれ、
ちょっと散歩してくるわ」

と別行動をとることに。

とりあえずショッピングストリートで
僕はギターを構えた。

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数曲唄うと、この街が
けっこうレスポンスがいい
ことが分かった。

香川選手関連のベタな絡みはないのだが、
コインがパラパラと入る。
2ユーロとか入れてくれる人もいる。

スーツを着たおじさまが10ユーロ札を入れて、
「明日は試合だね♪」と言ってくれたくらいだ。
(10ユーロ札…)

一時間ほどで
「うるさいからヤメロ!」と
苦情っぽいのがきたので、
僕はひとまずバスキングを中断することにした。

ここの街はけっこう稼げるぞ!


一旦友人と合流し、
レッドブルもどきみたいな
安いエナジードリンクを飲んだあと、
場所を少しずらして
二回目のバスキングを開始した。

場所を移ったのも、
人が増えて来る時間も重なったのがよかった。

どんどんギターケースにコインが入れられていく。

散歩から帰って来た友人の姿が見えた。


「はいこれ。プレゼント。
Tシャツないだろ?」

渡されたのはドルトムントのチームの
イエローとベースにサイドが黒、
胸にはチームの「BVB」のワッペンが
つけられたTシャツだった。

「一番安いヤツだけどね」

僕は周囲の目なんて気にしないで、
すぐにその場でTシャツを着替えた。

そして友人が僕に放った言葉は
「やっぱり臭うな」だった(台無し)

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そこからまた
バスキングを再会したのだが、
近くのアパレル店のスーツを着たお兄さんが、
僕に近づいて来て優しく

「もうやめなさい」と
ジェスチャーしてきた。

ははは。わかりました。
いいかげんにここらでやめときます。


カフェやレストランのある
広場のテーブルでさっきのバスキングの
アガリを集計すると、驚くべきことに
なんと80ドル分のユーロがあった。

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(髪の分かれ目と地肌が目立つ…。
が僕はハゲではない!断じて!)


「よし。じゃあこれで
香川のユニフォーム買おっか?」

明日の試合で
ユニフォームなしなんてしまらねえ。
金はこういうことに使うためにある。

そのままドルトムントの
オフィシャルショップに直行した。

僕が唄っている最中に友人は
何度もオフィッシャル・ショップで
試着をしたらしく、店員さんから顔を覚えられていた。

Sサイズを選んで、
「KAGAWA」の文字と
背番号7番を印刷してもらう。

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「はぁ、また来たわよ。コイツ。7番でしょ。7番。ふぅ...」

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「どいつもこいつも…。まったく...」

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「右によってる?あんたの玉じゃあるまいし...」

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「せいっ!せ、せい!」

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注)店員さんはフレンドリーな方でした。


てかこんなにシンプルなんだ。
「プシュー…」って感じ。

「面白いのは
さっき稼いだお金で買うことだから、
足りない分はおれが出すよ。
お返し♪」

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レジでさっき稼いだ全ての小銭を広げた時の
店員のお兄さんの
固まった顔
と言ったらなかった。


「….」

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これはフィードバックだ。

ドルトムントの街の人たちが
僕たちにレスポンスをくれる。

そしてそのレスポンスで
ユニフォームを買う。

で、明日の試合でチームをみんなで応援する。

完璧な流れだ。


「じゃ、ここで着替えてもらうか?
明日のゲームが終わるまで着用だから(笑)」

散々僕のことを「臭う」とか言って
バカにしてくる友人に僕もお返しだ。

オフィシャル・ショップの前で
彼を着替えさせて、晴れて僕たち二人は
ドルトムントのサポーターってわけ。


そのノリで彼と一緒に
この日最後のバスキングへ。

唄の上手い下手は関係ない。

今、この瞬間を
楽しんでいることが重要なんだ。

唄としてはかなりヤバかったと思うけど、
それでもレスポンスが入った。


街を歩いると、
「カガワ!」とか
「シンジ!」とか、
おっちゃんたちから声を
かけられるようにもなっていた。

アジア人顔の男の子がやってきて、
「Xジャパン唄える?」と
リクエストしてきてくれたけど、

ゴメン、おれそんなに上手くないんだよ。
てかアコースティックじゃないしね。

16歳の高校生だという彼は、
なんと5ユーロ札も入れてくれた。

僕もお返しに名刺を描いてプレゼント。

日本の漫画も好きなんだそうだ♪

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明日の決戦の準備も整った。
これで100%楽しめる!

いつものカフェで閉店まで作業して、
次の目的地であるケルンから、
まおのフライトがあるベルリンまでの
チケットを買った。

電車だと1万円以上するはずなのに、
「ADAC POST BUS」とかいうバス会社を通すと
3千円くらいで行けてしまうのが
ちょっと信じられなかったけど、

うん!いい感じ!


今日の寝床は駅の反対側の公園。

夜中まで地元の若者たちが酒盛りをしていたが、
ここは寝心地がいいや♪

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。