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「お医者さんはいませんか?」

来週から8月、今年も各航空会社から冬ダイヤがリリースされる時期になりました。毎年この時期になると、私は「年末年始はどこ行こうかなぁ?」と、LCC特価情報とSkyscannerで検索しながら、旅行プランを考えるのが定番となっています。

しかし今は、キャリアによっては既にリリースしていながらもキャンセルが相次いでいたり、逆に一部航路の公開が未定のところもありますね。2年に及ぶ航空業界の低迷で情勢が不安定なうえに燃料費高騰が追い打ちをかけ、さらに感染症拡大により各国イミグレもそれぞれの思惑で入国が限られていたりと、この状況はいかんともしがたいところ。落ち着いて人の往来ができる環境が早く整うよう、願うばかりです。

さて、皆さんの中には、旅行中に医療系のトラブルに遭われた方もいらっしゃるかもしれません。かくいう私も、何度かそのようなトラブルを起こしてしまいました。今日はその話を。

機内で倒れる

2013年4月、私は羽田空港発Delta航空でLos Angelesへ向かいました。フライト時間は大体9時間。夜間便でもあるので、夜食として軽食が出たあと、いつもの通り寝込みました。

離陸してちょうど3時間ほど経ったぐらいでしょうか。私は目が覚めてしまいました。それも、「息苦しくなって」です。なにか、息が詰まる。

私は、目にはまぶしさよけのアイマスク、口には乾燥防止のマスク、というような重装備。そんな姿はちょっと恥ずかしいので、パーカーのフードを深くかぶって寝ていたんですが、「あれ? そのせいで息苦しいのかな?」と思い、フード・アイマスク・マスクを外してみました。

それでも息苦しさは収まらない。

とりあえず、深呼吸を何回かしてみました。...それでも窒息するような、感覚が。妙に汗が出てきます。それも冷たい汗。

場所が悪いのかなと思って、ギャレーへ行こうとしたら、身体に力が入らない。手足が粘土のように動きません。通路に出ようとして前のめりに崩れ落ちてしまいました。

冷静に動こうとするのですが、意識がまとまらず、途切れ途切れになってしまい、CAの前で、座り込んでしまいました。「どうしましたか?」と聞かれても、言葉が口から出ず、正常に返答が出来ない。

CAは私の様子を見てまずいと思ったのか、機内放送で「体調が悪い旅行者が出ました。お医者様はいらっしゃいますか?」とアナウンス。あの、よくTVでやるやつです。

ほどなくして医者が名乗り出てくださり、しばらくギャレーの床で横になって、診察を受けるような状態になってしまいました。

幸いにも、30分ほどで症状は回復しました。いやはや、多大な迷惑をかけてしまいました...。でも「日本に引き返します」じゃなくて本当によかったです。苦笑

無理な渡航は禁物

当時私は41歳。それまでこういった症状は私にも経験がなかったのですが、出発直前に立て込んでいた仕事を終わらせなければならなかったこともあり、心理的・体力的にも負担が多かったこと、機内の環境的要因と、生来心拍数が少なくてなおかつ血圧が低く、また赤血球数も少ないので、これらのことが合わさって貧血を引き起こしてしまったようです。

まだまだ体力的には自信がありましたが、これ以降は、旅行の前には十分な余裕を持つように、また極力強硬日程の旅行は控えるようにしています。

飛行機の機内は、定常状態では0.8気圧程度、これは標高2000mの環境と同程度とのことです。これにより機内の空気中の酸素の圧力(機内酸素分圧)も減少することで体内が酸欠状態になりやすく、血液やリンパ液の循環も悪くなりやすいです。結果、肩こり、むくみ、だるさ、めまい、頭痛、吐き気などを感じる人もいるとのことです。
また機体に使われているジュラルミンの腐食を防ぐために湿度はかなり低く抑えられているので、乾燥による肌荒れ・鼻腔やのどの炎症も起こしやすくなっています。
それ以外にも、味を感じにくくなるので自然と味が濃くなる(実際、機内食は濃い目の味付けにしてある)などの変化もあるそうです。
マスクやクリームを使用したり、水分を多く摂取するなどのケアが必要ですね。

旅行保険は忘れずに

上記は機内での体調不良の話ですが、文頭にも書きました通り、現在は世界的に感染症が拡大している状況。今年5月、日本⇔アメリカ⇔ペルーと旅行しましたが、その旅程の中で感染してしまうと、旅行の中止だけではなく現地で隔離され帰国できない可能性もありました 。
実際インターネットでは、旅行中に隔離措置に遭い、そのため日本へ帰国できず、長期滞在を強いられている人の体験談が多く投稿されています。

もしそうなれば医療費・宿泊費などの思いがけない出費が発生しかねません。私は海外旅行保険付帯のクレジットカードを所持していますが、それだけでは心もとないと感じ、別の旅行保険も契約しておきました。今この状況下では、旅行保険は必須であるといえると思います。

また今回の渡航では、現地の医療体制もあらかじめ調べておきました。PCR検査会場がどこにあるのか、旅行保険が紹介できる医療施設はどこにあるのか、その最寄りのホテルを予約するようにしました。
滞在国によって感染した場合の対応は異なりますので、大使館情報や滞在国で公開している資料なども目を通しておきました。

幸いにも今回の私の渡航ではそのような状況に遭うことがありませんでしたが、万全の態勢で旅行に臨むことができたと思います。

おそらく今年いっぱいは今の状況が続くことでしょう。この期間に海外渡航される方は、十分な準備をしたうえで旅行に臨んでくださいね。

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