ある日突然、見知らぬ外国人からメールが届いた。

「TABITOのBESIDE YOUとDraw作品を指名する」と件名に書かれていた。（翻訳：私）

本文にちょろっと目をやると、英文かつ、長文。仕事後で疲労MAXだったので読みたくなかったけれど、帰路の電車の中では退屈な時間が続くので読む事にした。

そこにはこう書かれていた。

”私たちは心からあなたの素晴らしく革新的な写真作品、音楽作品、クリエイティブディレクション作品を、本コンペティションに送って欲しいと思っている。国際的なデザインの優秀さとクオリティの象徴であるA 'デザイン賞を受賞することで、あなたの作品に注目を集めましょう。つきましては、いついつまでに作品を応募してください。ゴニョゴニョゴニョ。。。by　Executive Account Manager ○○”

残念ながらそこに書かれていた名称のコンペティションを、私自身は知らなかったので、完全に疑ってかかりネット検索。すると、日本のデザイン総本山とも言える AXIS Magazineにそのコンペティションの話が掲載されているではありませんか。もう驚きと、驚きの連続です。

そういえば、やけにしっかりとしたメールだったし、これワンチャン本物じゃない？とようやく思い始めました。

もう一度メールを見返してみると、私の作品のポートフォリオ（注１）をみて連絡してきた旨が書かれています。

完全なる自己満足の為だけにインターネット上に公開していた作品集です。見てくれる人がいるんですね。しかも外国から。

たとえこの招待状が嘘だったとしても、この広いインターネットの世界の中で数億という作品が溢れる中で、誰かが私を見つけてくれた。

なんかもう、それだけで、嬉しく思いました。

駄作か、芸術か。それを別け隔てるのは、何なのだろう。

A' Design Award and Competition

（注１）ポートフォリオとは、デザイナーやクリエイターが自身の作品を告知広告する為の、インターネット上の作品集です。