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最近の記事

BMJエディトリアル 過剰診断:何であって何ではないか

オーランドとの結婚間際にロザリンドが口にするこの疑問は、純粋に修辞的なものである――彼女は良いもの得すぎることなど起こりようがないと思っているのだ。しかし、陳腐な表現かもしれないが、そういうことは実際にしばしば起こり得る。少なくともこれは医療においては事実で、それらは「過剰な医療」と呼ばれる[1]。無症状者に対する過剰なスクリーニング、症状を有する者に対する過剰な調査、バイオマーカーへの過剰な依存、多すぎる疑似疾患、過剰な診断と多くの場合においてそこから繋がる過剰な治療、時に

    • Overdiagnosis: epidemiologic concepts and estimation (Bae, 2015)

      Figure 1. Two different types of tumor growth indicated by the black (clinical disease) and pink arrows (overdiagnosed disease). Clinically relevant lead time is indicated by the red arrow. When overdiagnosed tumors are included, some rese

      • Overdiagnosis in Cancer (Welch, Black 2010)

        日本語訳はDeepLにかけたものに読みやすいように改行をくわえています。 Abstract Introduction What is Cancer Overdiagnosis? Heterogeneity of cancer progression. The arrow labeled “fast” represents a fast-growing cancer, one that quickly leads to symptoms and to death. Th

        • 日本の停滞感とデモグラフィ

          色々と爺さん権力者たちのせいにしがちだけれど(俺もな)、最近の日本ではデモグラフィックの副作用としての停滞も始まってるなと感じる。 五年ぐらい前から気になり始めていたのだけれど、若年層の倍のボリュームがあり金銭的余裕もある中年層のせいで、時代の動きが鈍くなっている。 日本人の大多数が見知るに至るような大手クリエイティブの作品群(映画、ドラマ、小説、漫画、CM、アニメ、テレビ番組)の大部分が、この世代によって好まれたものの焼き直しで、新しい世代の感覚に合わせて変化していない。

        BMJエディトリアル 過剰診断:何であって何ではないか

          オリンピックを目指す人

          小学校2年生の時仲の良かった女の子に、「水泳でオリンピックを目指せる」と言われていた子がいた。 今冷静に考えると、小学2年生の持ちタイムって何だよ、とも思う。けれどとにかく彼女は優れたタイムを持っていたらしい。当然彼女自身もオリンピック選手になることを夢見て、毎日のように学校の後にスイミングスクールに通って何キロも泳いでいた。 小学校高学年になって、クラスも離れて疎遠になった彼女が、水泳の時間にお手本をやらされたりしているのを見た。水が怖いのか楽しいのかすら今イチ自分でよ

          オリンピックを目指す人

          DWによるアストラゼネカワクチンの血栓症に関する記事全訳

          アストラゼネカ 血栓症との関係は?脳静脈洞血栓症により、アストラゼネカ社のワクチンは多くの国で中止されました。しかし、この血栓症とは一体何なのでしょうか?また、ワクチンの緊急停止は性急すぎたのでしょうか? DWの記事のDeepL翻訳を一部校正しています。 https://www.dw.com/en/astrazeneca-whats-the-deal-with-thrombosis/a-56901525 安全上の理由から、アストラゼネカ社のオックスフォード・ワクチンの接

          DWによるアストラゼネカワクチンの血栓症に関する記事全訳

          AZ社コロナワクチン血栓問題に関するサイエンス詩の記事全訳

          しっかり読むついでに翻訳でもするか、と思ったんですが。 まず叩き台にしようと思ってDeepLにかけたら、もう優秀で優秀で。 ほんの数箇所修整しただけで、ほとんどDeepLさんの翻訳です↓ 「とても特別な状況だった」ワクチン安全性の専門家がアストラゼネカ社のCOVID-19ワクチンにブレーキをかけた理由 https://www.sciencemag.org/news/2021/03/it-s-very-special-picture-why-vaccine-safety-e

          AZ社コロナワクチン血栓問題に関するサイエンス詩の記事全訳

          「原発事故に関しては、反原発は加害者」という言説に反論する

          えっと、今日、ITOGOさんの、こういう連ツイをツイッター上で見て、ちょっとコメントのやり取りをするに至ったんですけれども。 まあくだらない部分はツイッターで続けるとして、まじめで大きな問題だと思う点についてちょっと論じたいと思います。 ITOさん曰く、 国や東電の「嘘」と、反原発側がついた嘘と、どっちが多かった? 明白でしょう。反原発の言説にどれだけ嘘や誇張、間違い、妄想があったか。 ということなんですけれども。 まず、「反原発側」って誰なんだよと。 具体的に誰を

          「原発事故に関しては、反原発は加害者」という言説に反論する

          小児性愛の批判にあってほしい慎重さ

          ペドフィリアの問題は難しすぎるので、あまりコメントしないできた。 子どもの性的虐待は、人間として間違いなく絶対にやっちゃいけない事だとわたしも激しく強く思うんだけれども、小児性愛が性的指向なのか嗜好なのかはわたしにはよくわからない。 イギリスのメディアだと、ペドフィリックな事件がバンバン取り上げられるようになって、それに対する世間の怒りが燃え上がって、モブリンチとかになって、今度必死で「治療」してるのに迫害され続けて自殺したりするペドフィリアの側の苦しみも取り上げられるよ

          小児性愛の批判にあってほしい慎重さ

          バカな事言ってないで、ちゃんと検査しよ?

          人の論を批判する場合、相手(論者とその論の支持者)に、「なぜ、どういう理屈でどこがどうおかしいと言ってるのか」をできるだけ詳細に伝えたい派なのですが、それをやると長ったらしく、相手以外にはわかりにくい文になってしまうのですねー。 というわけで、詳細に関しては必要に応じて前回のエントリを参照していただくとして、 https://note.com/tablesalt/n/nab3beae72b93 このエントリでは前回カバーした内容を、もう少し読む人目線で語りたいと思います。

          バカな事言ってないで、ちゃんと検査しよ?

          吉峯弁護士の「専門家会議の「クラスター対策」の解説」が???な件

          上の記事について。 元になった資料に目を通していないので何とも言えない部分もあるんですが、氏の説明に色々と問題を感じたので、こちらにまとめました。 1. 本当に「封じ込めには失敗した」のか? まず、「封じ込め」と「緩和」についてなんですが。 「既に封じ込めに失敗した」というの自体がまず微妙で、正確には「経済や平常通りの国家運行に影響を与えない範囲での封じ込めに失敗した」と言うべきでしょう。 中国が実際にやって見せる以前、ロックダウンも渡航禁止も不可能だろうと、政治・経済

          吉峯弁護士の「専門家会議の「クラスター対策」の解説」が???な件

          北守氏の『「宇崎ちゃん」献血ポスター、なぜ議論がこじれるのか』に対する疑問と反論

          長くなりそうなので、できるだけ簡潔に行く。 読んだ。 この問題に関するわたしの認識は大体こんな感じ。 ・宇崎ちゃんの絵柄は巨乳のせいでパッと見エロ本にしか見えない。 ・しかしgoogle imageの検索結果をパッと見たところ、宇崎ちゃんの作品自体はフツーの、最近の少年誌でいえばかなり健全なラインのラブコメっぽい。 ・どうもそのユニセクシャルあるいは少年的な性格・言動と巨乳のギャップをフィーチャーしたキャラっぽい。 ・おそらく作品を知らない人の多くには、エロ本のキャラ

          北守氏の『「宇崎ちゃん」献血ポスター、なぜ議論がこじれるのか』に対する疑問と反論

          グレタ・トゥーンベリ叩きで懸念されるもの

          わたし自身、あの手のいい子ちゃんにはイラッとする事も少なくない。 彼女がニューヨークまでヨットで行ったというニュースが流れた時には「おーおー優雅なことで」と妬みたっぷりに思った。 だから、自分が身を粉にして働いている間、大西洋を優雅に航海していたガキに、自分の生活習慣について文句をつけられても反感しか抱けない、という気持ちもよくわかる。 彼女が一部のロビー団体的なものに利用されているというのは、実際そうだろうと思う。 のだが。 それと、彼女の主張の正しさはまた全くの別問題で

          グレタ・トゥーンベリ叩きで懸念されるもの

          大山さんの毒親問題の話への捕捉として、自分の話

          前回のノートは本当に長い時間をかけて書いた。 最終的に公開したやつは、前日書き上げて「やはりそれは公開すまい」と思ったのを、朝になってほぼ完全に書き直したやつなのだが、おかげさんで大事な部分が書き直した奴からは抜け落ちていたことに、無名居士さん(ノートではichiroさん)の記事を読んで気付いた。 まずは、タバコのエピソードに関して、お父さんからもお母さんからも、大山さん視点でものを考えた気配が全くうかがえない、という点について述べた後、こういう文を書いていた。 大山家で

          大山さんの毒親問題の話への捕捉として、自分の話

          大山さんの「毒親問題」

          長い間、この記事で気になった点について、何か言うか、何も言わないかでとても迷っていた。 https://biz-journal.jp/2019/01/post_26314.html 悩んで、のべ2万字ほど書いては消し。 ごく身近に、似たような状況があり、それと重なり続けるせいで、客観的になりきれず。 これに関しては自分でも思いこみや誤解があるだろうという感触もどこかにある。 ひょっとすると、清水さんサイドを利することになるかもしれないし、人を傷つけることになるのかもしれな

          大山さんの「毒親問題」

          ビ・ハイア清水氏のブログの三行目以降

          移動はできない、でも身体と頭が動かないわけでもないという事で、時間ができた。 前回、「ビ・ハイア清水氏のブログをじっくり読もうとしたら二行目で既にイジメにしか見えなくなった件」の続き。 このブログ記事を読んでいた。 書き出しはこれである。 そんな親なら捨ててしまおう!というわけで日本一醜い親への手紙を応援するために追加で買った10冊が届きました。毒親に育てられた大山に親を憎む顔をしろ!と言って撮影したのがこの写真です。親に愛されてない子供時代を過ごすとどうなるかという

          ビ・ハイア清水氏のブログの三行目以降