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山形の姥神をめぐる冒険 #26

【南龍山不動尊】 山形市平清水  2024年2月

 山形市の中心部に千歳山という姿のよい山がある。その麓の平清水ではいくつもの窯元や草木染めの店、日本酒のお店などがあり、散策するのに心地良い所だ。その平清水の奥の奥、薄暗い杉木立ちの道を行くと不意に鳥居と石像群が現れる。鳥居をくぐり、沢を渡る。崖をぐるりと回り込むと石碑があり、古い霊場だということがわかる。
 苔むした倒木を乗り越え、沢に足を濡らしながらついに出会ってしまった。姥神に。
不動尊と姥のセット組だ。このパターンは何度もやっているので大体の予想がつく。姥神の隣にいるのは鬼子母神だろうか。
 大きな口を開けて何かを問いただすような、迫真の場面である。


 この先には滝があり、そこに御本尊がいるようなのだが、足場がよくないので引き返す。足元の岩は直角に切れていて、断面が真っ白だ。平清水焼には肌の白いものがあるが、ここの石が由来だろうか。
 平清水の奥の奥。秘境に座る姥神に、あなたもきっと出会える。
鳥居をくぐる勇気があれば。

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