見出し画像

初めての職場、初めての転職…動き出す人生⑧

第1部最終話…

「ヘタレ」だった夜からしばらくSとは
連絡も取らず、会うこともなかった…

「このままじゃダメだよな」

そう思いながらも原因が原因だけに自分から何かをするのに迷っていた…

そんな自分を心配したのか、はたまた見兼ねたのかYが Sに連絡を取ってくれた

ホントYはいいヤツだ…

夜、一本の電話が鳴る

「今近くにいるんだけど…」

Sからである…

「なんか気まずいよなぁ」

とはいえ、このままではいけないのは明白だ…
重い足取りで近くに止まっていたSの車に向かう
車のドアを開け、助手席に座る

「なんか久しぶりだね」

Sは何も言わない…

どう考えても自分の不甲斐なさが悪いのは
わかっている…
後に聞いたのだが、あの夜のことでSはYに
相談していたらしい…それもあって2人を会わせるようにしてくれたのである

「あのとき何で…私のことどう考えてるの?」

長い(実際はわからないが、このときは異常に長く感じた)沈黙を破るようにSは話した…

男の変なプライドなのか、あっちの経験が無いことを知られたくない恥ずかしさなのか、
すぐに返すことが出来なかった…

再び起こる沈黙…

そしてここでとんでもないおかしな勘違い?が起こるのである!

俺は、Sのことは好きだったし、これからも付き合っていきたいと思っていたから…
今でもはっきり覚えているセリフなのだが…

「これからホテル行こう!」

他の人が聞いたら、「何言ってんだ!?」って…
俺でもそう思う、バカなの?って…

釈明するが、決してそういう意味で言ったのではない!
2人の出会ったきっかけである職場のホテルに行って、そこからまた2人で1から始めようと思ったのである(本当ですよ!ピュアだったので笑)

しかし案の定、そんな俺の考えは伝わるわけもなく…

「行かない…帰る」

そう言うと、Sは俺を車からおろすとそのまま帰っていった…

おそらくSはホテルを完全に勘違いしたのだろう
しかしこのとき、お互いホテルを勘違いしてるのを知るよしもなかったのである…

普通に考えたら、そんな状況で下世話な話、
ホテル行こうなんて言われたら、

「コイツこんな状況でホテルって…無理」

こうなりますよ…
今となっては、もっと違う言い方があったよなって…素直に言えてたら…後の祭りである

そのままSとは別れた…
しばらく会いもしなかったが、やはりYの登場である

「今日の夜、俺の部屋おいで」

Yにそう言われて、仕事が終わりYの部屋に向かう

「ガチャッ」ドアを開けると、そこにはSがいた

「ひ、久しぶり…」

2人は気まずい感じで言葉を交わす
この時Sは、あの夜の俺の言った本当の意図をYからちゃんと聞いていた

「あのときはゴメン」

お互い変な感じでそう言うと、もう2人の間にわだかまりは消えていた

結局また2人が付き合うことはなかったが、最初の頃の3人に戻れたのは嬉しかった

しばらくして、Sはホテルを辞めて就職の為
引越していった…


たらればの話だが、
もしあのとき、Sの覚悟にちゃんと答えていたら

多分、今隣に居たかもしれないですね…


その後、この職場での限界を感じ、最初の転職を決めるのである

まさか…この転職が俺の人生に起こる様々な出来事の始まりになるとは…
この時はまだ知る由もなかった…


※これで第1部は終わりです
 
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
少しでも楽しんでもらえたら、自分の人生も少しは救われるのかなって思います

第2部もマイペースで書いていこうと思いますので、気楽に読んでやってください

次回からは、この職場でのことを幾つか書こうかなと…
それでは今後もどうぞお見知りおきを… 






この記事が参加している募集

振り返りnote

忘れられない恋物語

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?