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【解の一つ】幸せの本質【如何にして幸せを感じるか】

 幸せになりたい、これは全ての人が望むことでしょう。しかし、日本の義務教育では幸せになる方法は教えてもらえません。親も先生も先輩も、誰も明確な答えを教えてくれることはないと思います。

 本稿では、幸せの本質と題して、如何にして人が幸せを感じるのかについて私なりの見解を述べてみます。人によって様々な幸せの形があると言われる中で、これは誰にでも当てはまる幸せを感じる方法ではないか、と思えることを考察しています。

 この世が生きづらい方、幸せでないという実感のある方にとって、少しでも幸せを感じるための役に立てれば幸いです。


1.幸せの本質

 私の考える幸せの本質とは以下のようなものです。

幸せとは、自分の過去と現在を比べた際に、現在の方が豊かであると思えたときに感じるもの

筆者の考え

 幸せとは、他人と比べたときの優劣や多寡で感じられるものだと思う人もいるかもしれません。しかし、それは優越感であって幸せではないと考えています。

 もし、優越感が幸せの根源であれば、世界で最も優れている人しか幸せにはなれないことになります。世界の頂点に立たない限り、必ず誰かに劣ることになってしまうからです。

 しかし、現実には幸せを感じていると思われる人が多数いることから、優越感が幸せの本質ではないことが分かります。

 また、他人と比較することは、自分の外に基準を作ることであり、それは生きづらさに繋がるものです(末尾関連記事参照)。生きづらさの先に幸せがないことは明白です。

 幸せは、自分の過去と現在の相対的な豊かさの差によって感じられるというのが、私の考えです。

図1.幸せとは

2.幸せとは何か

 そもそも、幸せとは何でしょうか。辞書によれば意味は以下になります。

①幸運に恵まれて、心が満ち足りていること。幸福。
②めぐり合わせ。運。また、幸運。

明鏡国語辞典

 「幸運」や「めぐり合わせ」など、運要素が強い感じがしますが、本稿では主体的に求めていく幸せについて取り上げたいので、「心が満ち足りている」状態を幸せだと定義します。

 「心が満ち足りている」ためには、その人が良いと思えることが起こらなければいけないでしょう。そして、良いこととは、「低いところからの向上」、「悪いところからの改善」であると言い換えられると思います。

 つまり、以前の地点から相対的に向上、改善されることが良いことであり、それによって心が満ち足りている状態となり、幸せを感じるのです。この論理からも、私の考察する幸せの本質に大きな誤りはないと考えられます。

3.幸せを減退させるもの

 過去の自分と比べて、向上や改善を行うことで幸せを感じられると書いてきましたが、残念ながら人には幸せを減退させる性質が備わっています。

 それは「慣れ」です。

 どれだけ過去の自分と比べて豊かさが向上したとしても、同じ水準に居続けると慣れてしまい、幸せの感じ方はどんどん減退していってしまいます。

 しばしば物語で、一代で巨万の富を築いた人が、その後、必ずしも幸せではない描写をされることがあるのは、富があることに慣れてしまい、それに対して幸せを感じられなくなったからでしょう。

 つまり、長期にわたって幸せを感じるためには、この慣れと戦う必要があるということです。

図2.慣れによる幸せの減退

4.継続して幸せでいるためには

 慣れることなく幸せでいるには、豊かであることが当たり前でない状況、つまり、常にそれ以下の状態を経験し続けることが必要になります。

 そのためには、常に苦しみを伴う努力を続ける必要があります。努力の苦しみによって、一度自分の置かれている豊かさを下げ、その反動で以前よりも高い豊かさに上るのです。

 苦しみというと敬遠されるかと思いますが、必ずしも苦行と呼ぶようなものである必要はありません。具体例を後述しますが、ちょっとした苦労を感じる程度でも、幸せは感じられることを私は経験しています。


 皆さんの中には、苦しまずとも向上や改善を図れれば幸せを感じ続けられるのでは、と思う方もいるかもしれません。勿論、そんな方法があるのであればその方法を取れば良いと思います。自分の好きなことや得意なことで、苦も無く努力ができ、それによって豊かさの向上や改善が図れるのであれば、それが一番です。

 苦もなく努力ができることは才能と呼ばれるものですから、どんどん伸ばしていくべきでしょう。しかし、例え才能がある人でも、努力をしなければ向上も改善も図れないものであることは、エジソンの名言からも分かります。

天才とは、1%のひらめきと99%の努力である。

トーマス・エジソン

 故に、幸せと努力は不可分であることが分かるかと思います。

5.幸せに至る努力の具体例と反例

 それでは、具体的にどんなことをすれば幸せになることができ、どんな状態が幸せではないのかを見ていきます。

①正しい努力の例

  • スポーツの練習をして上手くなるのを実感する

  • 筋トレをして日々筋肉の増加と健康の維持を実感する

  • 資格の勉強をして、新しい知識の習得や資格を取得する

  • noteを投稿して、文章力の上達を感じ、読者へ文章が届いていることを実感する

  • 仕事において、主体的に取り組むことで成果を出し、顧客に喜んでもらう

 これらは、体を動かしたり頭を働かせることで、一時は苦しみますが、それを乗り越えることによって、自身の能力の向上や社会への良い影響を感じることで豊かさが増し、心が満ち足り、幸せを感じることができます

 こういった努力を、日々怠ることなく常に続けることが、幸せを感じ続けることに繋がります。

図3.苦しみを伴う努力による幸せ

②慣れによって幸せが減退する例

  • プロ顔負けの技術を持ちつつも、それ以上磨こうとせず現状維持の場合

  • お金持ちが常に贅沢な暮らしを続けて、それが当たり前になった場合

  • 弁護士、公認会計士、医師などの高度な資格を持ちつつも、そこに満足してそれ以上の勉強を怠る場合

  • 会社の社長として事業を成功させ利益を出しているものの、新しいことに挑戦をしていない場合

 これらは、世間一般から見れば羨むような状態にある人たちです。しかし、本人たちは既に社会的なステータスや富を得ており、それ以上努力するインセンティブが働きにくいため、豊かさが現状維持にとどまり、結果、幸せが減退しやすいと思われる人たちでもあります。その原因は、先述の通り、慣れによるものです。

 この例の場合は、幸せが減退しているのであって、必ずしも幸せを感じていない人ではありません。ただ、それ以上を求めて努力をすることで、さらなる幸せを感じられる可能性があると思われます。

(再掲)図2.慣れによる幸せの減退

③幸せが感じられない例

  • 世間の常識で自分を評価しようとして振り回されている場合

  • 人に言われて習い事やスポーツなどをしている場合

  • 自分に合わない仕事を続けて、向上を感じられない場合

 世間の常識などの外部の基準に自分を合わせようとしたり、自分の行動が主体的でなかったり、向上や改善が感じられないつらいだけの努力をしたりしている場合、幸せは感じられません。

 社会において人に合わせることは必要な場合もありますが、全てを合わせていては生きづらいです。自分の中に自分の評価基準を作り、それを基準にして生きることが生きづらさを抑え、幸せを感じることに繋がります。(末尾関連記事参照)

 また、主体的でない行動はどうしてもその行いに自分の感情が納得していないため、ストレスが溜まり続かなくなります。そして、やらされ感がある分、真剣に取り組むことが難しく、向上や改善も感じにくくなります

 そして、自分に合わない仕事を続けることは、日々疲弊し、努力しても向上や改善を感じにくく、努力して苦しむ分だけ幸せから遠ざかる状態になっているかもしれません。

図4.幸せを感じられない努力

 もし、人生とは幸せになることが目的だと思えるのであれば、自分の置かれている状況を冷静に見つめ、どうすればその状態を変えられるか、原因の究明と改善策を考えてみると良いかもしれません。

 もしかすると、自分の強みを見つけ、それを活かせる環境に移ることで改善される場合があるかもしれません。

 私は内向的な人間にもかかわらず、かつて会社で7年半も営業を担当して成果を出せませんでした。その後、経営企画部に異動になったことで、得意だった論理的思考力を活かすことができ、仕事の成果も会社からの評価も大きく改善することができました。

 幸せを感じるためには自己の向上や改善が必要な以上、それらが可能となる環境に身を移すことは検討の余地ありだと思います。

6.まとめ

  1. 幸せの本質とは「自分の過去と現在を比べた際に、現在の方が豊かであると思えたときに感じるもの」

  2. 幸せを感じるためには心が満ち足りることが必要⇒心が満ち足りるには良いことが起こることが必要⇒良いこととは過去と比べて現在の自分が相対的に向上、改善していること

  3. 人はどれだけ豊かになっても、その状態に慣れてしまい、幸せを感じにくくなってしまう

  4. 幸せを感じ続けるためには、苦しみを伴う努力をして、一度自分の豊かさを下げ、努力の成果によって以前よりも高い豊かさに上ることを繰り返す必要がある。

  5. 今、幸せを感じられていない人は、自分を外部の基準で評価したり、主体的でなかったり、つらいだけで向上や改善が見られない努力をしている。自分の置かれている状況を客観的に見つめ、原因の特定と改善策を考えることが必要。

  6. 自分の強みを生かせる環境に移ることで、向上や改善が感じられるようになり、幸せを感じられやすくなるかもしれない。

7.終わりに

 本稿の結論は、「幸せとは過去の自分より現在の自分が豊かになっていると感じる」ことであり、「同じ豊かさの水準に留まると幸せが減退する」から「常に苦しみを伴う努力をして豊かさを向上し続けなければならない」というものです。

 そして、現在幸せでないと感じている人には、是非とも自分の現状を客観的に見て、努力をしているか、努力をすることで自身の豊かさの向上や改善を図れる環境にいるかを考えて頂ければと思います

 もし、幸せになりたいのに怠けている自分が見えたのであれば、小さなことから努力を始めてみてください。少しでも自分の豊かさが増せば、それだけで幸せを感じることは出来ると思います。努力を続けるための参考書籍を末尾に掲載しておきますので、ご興味あればお読みください。私はこの本のおかげでnoteの執筆も含めて、小さな努力を続けることができています。

 もし、自分が報われない努力をしていると感じるのであれば、自分の置かれている環境を変えることを検討してみてください。今の世の中には、自分を知るためのツールはたくさんありますし、自分に合った環境に移るための情報やサービスも山ほどあります。多少のお金や労力が掛かるとしても、現状を抜け出すべきだと思うのであれば、それらを活用するのもありです。
 私は、ひたすら内省して自分を見つめることと、16Personalitiesやストレングスファインダーなどの客観的な評価を参考にして自分の強みを探ってみました


 さて、人によっては、「お金」、「人間関係」、「社会的地位」、「夢の実現」などが幸せだと主張するかもしれません。私はそれを否定はしません。なぜなら、私の主張する幸せの本質には具体性はなく、何かを求める際の考え方、アプローチの方法を提示する抽象的なものだからです。それを用いて求める具体的な対象は、人によって異なります。「お金」であれ「人間関係」であれ、何であっても良いのです。

 ただ、その求めるものが、内発的且つ主体的で、求める過程で自身の豊かさの向上や改善を感じられるものでなければ、それらを求めても幸せを感じられないのではと考えています。


 最後に、以下の二択を迫られたとき、貴方はどちらを選びますか?

  1. 努力の苦しみはないが幸せを感じられない

  2. 努力の苦しみはあるが幸せを感じられる

 本稿が、幸せについて考えるきっかけとなれば幸いです。


 最後まで記事を読んで下さりありがとうございました。ご意見、ご要望やご相談があれば、お気軽にコメントをください。コメントのやり取りを通して、読者の皆さんのお役に立てればと思っています。

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努力を続けることに主眼を置いて、習慣化することを薦める書籍です。

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