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【ショートエッセイ】松本裁判~「A子」「B子」って誰なんだ?

 Net De 連想コラム「松本人志~落語とリラクゼーション~上方嫌い「ぜいろく」~大阪万博~タモリ」というコラムで、わたしは、松本に関して次のように書いた。

 だって52ですよ、8年前って。言い訳きかないです。いい年した地位のある男が、女性を部屋に引き入れて時間を過ごすだけで、何を言われるかわからない。言われたら認めるしかない。それが世間です。(中略)裁判なんかで時間を浪費してほしくない。もうテレビなんか捨てて、映画とネット配信で、自由にギャグを飛ばしていい作品を作ってもらいたい。

 この意見に知人の多くはおおむね賛同してくれたが、それでも「確たる証拠もないのにひどいことを言われて、それでもまともな反論もできないとしたら、文春みたいな週刊誌だけが得する世界じゃないか」という意見の人もいた。だから裁判は必要だと。

 わたしは「裁判なんて時間の無駄」と断じてしまったが、「裁判おおいにやるべし」という人もけっこういるようなのだ。

 文春オンラインによると告発者A子さんは「裁判になったら証言台で説明します」と言っているそうだ。どうやって説明するのだろう。身バレしないように身分を隠して証言するのだろうか。それとも堂々と実在の人物として出てくるのだろうか。

 わたしはこういうケースの裁判がどう進められるか、詳しくはわからないけれど、告発者A子さんなりB子さんが、裁判で証言しない確率が高いと思う。記事が名誉棄損に該当するかを争う裁判で彼女たちが呼ばれる可能性は薄いのではないか。事実関係の有無を争うわけではないし。

 また、そろそろ文春以外のメディアが、この「A子」「B子」さんとはどういう人物なのか、調べ始めているのではないか。文春の記事が事実ならレイプ被害者と同じなので、簡単に身元がばれるようなことは避けるべきだろうが、いつかはさらされることになると思う。

 いまのところ、彼女たちの告発がきっかけで、松本の親族をはじめ、多くの関係者が精神的につらい思いをしている。しかし今後はまた「A子」「B子」さんがさらされて傷つく可能性も否めない。あらためて彼女たちが心的外傷を負うかもしれない。

 みんな、しんどい思いをするのだ。結局おいしい思いをするのは、週刊文春の関係者だけということか。

 

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