ばあ入院 4日目

2021/07/17(土)
初めての面会に行ってきた。

513号室 窓際

ベッドに寝たばあちゃんがいた。

入院前に買った藤色の新品のパジャマで、
4日前よりも確実に元気のないばあちゃんがいた。

新品のパジャマは既に食べこぼしで汚れ
真っ白な枕にもまあるい同じ色の染みが出来ていた。

面会の限られた時間は10分。

元気?
運動した?
『朝15〜20分くらい』

ご飯は?
『おにぎり食べた』

テレビは?
『見てない』

飲み物は?
『飲んでない』

りんご食べる?
『食べる』

お菓子食べる?
『食べたい』

『猫は泣きよる?』
猫は泣きよるよ

もうすぐ10分になる。
寂しい。

排泄する為のチューブに気をつけながら
ぎゅっとして泣いて何も言えずに手を振って

帰ってきた。

ばあは、健康になるために入院をしている。
体が動くように、元気になるように。

でも
好きな音楽もテレビも、
美味しいご飯も飲み物も
ペットや家族に会えない寂しさの中

明らかに健康じゃなくなっている。

体が動くための、リハビリの入院。
入院すればもしかしたら歩けるようになると思っていたけど
どうかな。
魔法でもなければちょっと難しいかも。

病院の先生方が四六時中付きっきりで世話をしてくれるわけではない。
有り難さはあるけれど、家族が注ぐ好きを代わって注いでくれるわけではない。

小さなことを気にかけて、少しの変化を気づいてくれることはない。

私にしか気づけないことや話せない話がある。

出来るだけ家にいて欲しい。
離れたくない。
でもそう言える責任が私にはない。

でもずっと一緒にいたい。
これはきっと覚悟だ。
介護に対する、強い覚悟が必要だ。

大好き。早く、元気になってね。

私もやれること頑張ってやる。
できないことも、やれるように努力する。

ばあがいなくなると、生きる気力がなくなりそうなんだ。
どうか健康で元気で帰ってきてよ。

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